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■放射能汚染水海洋投棄断固阻止 東海第二原発再稼働絶対反対! 首都圏地方委員会 安倍は九月一六日辞任した。しかし彼が犯し隠蔽した犯罪は消えることはない。戦争法の成立、森友事件、加計事件、公文書改ざん等々。原発政策においても安倍政権は二〇一五年に原発を重要な「ベースロード電源」と位置づけ、二〇三〇年までに原発比率を20~22%にすると閣議決定し、安全性を無視して原発再稼働を強引に推し進めた。 九電・川内原発一、二号機と玄海原発三、四号機、関電・高浜原発三、四号機と大飯原発三、四号機、四電・伊方原発三号機と、九基も再稼働させたのだ。しかし今現在動いているのは三基で、全電力の3%にすぎないし、原発無しで十分電気は足りているのである。 安倍政権のさらに許せないことは二〇一三年「福島は完全にアンダーコントロール」されていると世界に大嘘をつきオリンピックを誘致したことだ。 しかし福島の現実はどうだろう。爆発した福島第一原発の廃炉は一向に見通しが立たない。いまだ熔け落ちた核燃デブリの状態も分からないままだ。冷やし続けなければならない水は放射能汚染水となり、地下水汚染水とともに溜まり続け、タンク一〇〇〇基、一二〇万トンにものぼっている。除染作業は完全にできるはずもなく、放射線量が高いにもかかわらず強引に帰還困難地域の一部を解除し、帰宅できるほど安全になったと、またもや大嘘をついているのだ。 すべてオリンピック景気をあてにした安倍政権のごまかし政策だ。菅政権は安倍政権を継承するとしているが、とんでもないことだ。「福島は終わってない!」「国は福島の責任をとれ!」と菅政権にも突き付けていこうではないか。 ●1章 福島第一原発汚染水の海洋投棄を許すな! 経産省の「多核種除去設備等処理水の取り扱いに関する小委員会」は、たまりにたまった福島の放射能汚染水を処理する方法を、海洋放出か大気放出しかないと結論付けたうえで、より安価な海洋投棄が良いとする答申を出した。 そもそも多核種除去設備(ALPS)はトリチウム以外は除去できるとしていたが、実は全体の80%以上にセシウムやストロンチウム等が基準値以上に残留していることが判明したのだ。福島では毎日一八〇トンもの汚染水がくみ上げられタンクに溜められている。東電は再度装置にかけ、海水で薄めて三〇年間かけて放出するというが本当に安全と言えるのか。 福島住民の不信感はぬぐえず、地元漁業組合はもとより農業団体等でも圧倒的多数で海洋放出反対が決議されているのだ。また福島全五九市町村中二一市町村議会で決議がなされている圧倒的多数の反対決議がなされており、賛成議決などないのだ。経産省は今秋にも海洋投棄を正当化しようと躍起になっている、絶対に阻止しよう。 ▼1章―1節 トリチウムは安全ではない 放射性の三重水素(トリチウム)が酸素と結びついてトリチウム水となる。弱いベータ線を出すが人体に入っても大半は排出されるので安全だと言われてきたが、細胞核に入り込んで遺伝子を傷つけることが分かっている、決して安全ではない。しかも、トリチウムの分離技術も難しいとはいえ、出来ることも確認されている。アルプス(ALPS)で除去したものを経産省は処理水と呼んでいるが、明らかにトリチウム汚染水なのだ。海への放出は、「風評被害」が問題なのではなく、実害もあるのだということをしっかり認識しなければならない。 ▼1章―2節 国際的海洋条約にも違反している 日本も二〇〇七年に締結したロンドン条約・議定書(廃棄物その他の物の投機による海洋汚染に関する条約)は、明確に放射性廃棄物の海洋投棄を禁止している。また日本も批准している「海洋法に関する国際連合条約」は、いずれの国も「海洋環境の保護と保全の義務を負う」とうたっている。トリチウム汚染水海洋投棄も、国際法で明確に禁止される対象なのだ。 ▼1章―3節 世界中から反対の声があがっている 福島の汚染水が海に流されれば海流に乗って韓国・東海(日本海)に流れ込み深刻な被害が起きると海洋放出に反対する運動が韓国でおこっている。IAEA(国際原子力機関)総会でも反対表明している。台湾、フィリピンからも反対の声があがっている。 ●2章 原発再稼働にのしかかる「核のゴミ」処理問題 原発を動かせば多くの「核ゴミ」が出る。資源のない日本は核燃料の再処理で永遠に原発を動かすことを目指したが、ことごとく失敗している。しかし原発は「トイレなきマンション」と言われるように、放射能汚染物質であふれておりずさんな保管状態が続いているために、核兵器と同じ危険な状態にあるのだ。最終処分場の確保などこの地震・火山大国では絶対無理なはなしである。「核ゴミ」が処分できない以上、原発はやめるべきだ。しかし原発の廃棄を認めない安倍―菅政権は矢継ぎ早に強引な政策を打ってきた。汚染水問題と同じく核ゴミ問題の強行突破を止めることが原発再稼働を阻止できることに連なっているのだ。 ▼2章―1節 「六ケ所再処理工場」の建設認可弾劾 二〇二〇年九月二九日原子力規制委員会は青森・六ケ所の核燃料再処理工場が新規制基準に適合していると「審査書」を認める決定をした。日本原燃は二二年には本格操業に入りたいとしているが、建設開始から二七年で二四回も建設中止になるほどトラブル続きで、事業費は一四兆円に膨らんでいる。 そもそも日本の「核燃サイクル政策」は破綻しているのだ。使用済み核燃料から再処理工場でプルトニウムを取り出しウランと混合して「MOX燃料」を作り再び原発で使う。このプルサーマル発電は一般の核燃料より危険で扱いが難しい。 もう一つは、いわゆる高速増殖炉で何回もプルトニウムを取り出して永遠に使うという代物だが、技術的に完全に破綻しており、「もんじゅ」は廃炉が決定している。東海の研究炉「常陽」は残し再稼働を目指しているが、その展望は見えてないのが現状だ。 それでも六ケ所を再開するのは、これまでに各原発立地に溜まっている使用済み核燃料が飽和状態になり処分に窮してしまうからだ。しかし、こうした処理は複雑で高度な技術が必要なうえ、そこで出る汚染水は通常より何倍も猛毒で危険なものだと言われている。それも処理して海に放出している。今は止まっているが東日本の太平洋沿岸に立ち並ぶ原発は福島のタンクを含め大量の放射性汚染水をたれ流すことになるのだ。六ケ所を止めるのは原発を止めることに連なっていることを確認しよう。 ▼2章―2節 むつ「中間貯蔵施設」認可を許すな 規制委は、六ケ所の処理工場と別物とはいえ、九月二日にはむつ市の使用済み核燃料中間貯蔵施設が新規制基準に適合しているとして「審査書」を承認した。使い終えた核燃料を金属容器に入れて一時保管する場所だ。再処理のためには六ケ所とは違う場所に新設される処理工場に移動して処理する予定だが、そのめどは全く立っていない。結局はなし崩し的に六ケ所処理工場に持ち込まれる恐れがあるのだ。どちらにしてもこんな危険なものの貯蔵地にしてはならない。 ▼2章―3節 北海道・寿都町「最終処分場」受け入れ策動を許すな 八月北海道の寿都町長が高レベル放射性廃棄物の最終処分場の調査に応募すると公表した。選定調査の第一段階とはいえ、二年間で二〇億円の交付金が出る。まさに、過疎化と財政逼迫化を見透かした国の悪どいやり方そのものだ。調査とはいえ、これを認めたら二度と後戻りできない。原発建設でどれだけの自治体がこれで落ちたのかを教訓化しなければならない。 しかも北海道では二〇〇〇年「特定放射性廃棄物に関する条例」が制定され、放射能廃棄物の道内搬入を拒否しているのだ。そもそも二〇一七年国が最終処分場の適性を示した「化学的特性マップ」を公表したが、この火山と地震の巣窟の日本で、地下三〇〇mで一〇万年間も安全を担保できる土地などないのだ。 処分場が無ければ原発は動かせないことを肝に銘じ、反対運動を強めよう。 ●3章 東海第二原発の再稼働を絶対に阻止しよう! 「東京の原発」と言われる東海第二原発は一一〇キロメートルの距離だ。あの九年前の3・11の東日本大震災時にも、福島と同じく浸水被害にあい非常電源も切れ爆発寸前までいったのだ。亀裂破損は一〇〇〇カ所以上に及んでいる。しかし、原子炉容器の内部はどうなっているか完全に確認などできていない。 しかもこの原発は二〇一八年一一月二七日に四〇年超えになり、さらに二〇年運転延長された老朽原発なのだ。それを再稼働せようというのはわざわざ過酷事故を誘発させる危険な行為だ。原発三〇キロメートル圏内には九四万人もの住民が住んでいる。全員避難などできるはずもないことを百も承知で原発を再稼働させることは犯罪そのものだ。東電の子会社も同然である日本原電は、東電の原発再稼働の旗振り人となっている。 ▼3章―1節 日本原電の八〇カ所改ざん弾劾 六月にとんでもないことが発覚した。日本原電が、福井の敦賀原発二号機の審査のために提出した地層の調査資料を、八〇ヶ所も書き換えていたことが判明したのだ。この資料は原子炉直下の活断層の判断に必要な重要な資料なのだ。その科学的「生データー」を書き換えるなど言語道断の行為だ。原電が住民の安全性を軽んじていることが完全に明らかになった。 今や敦賀原発だけでなく東海原発まで疑いの目が広がっている。原電は今すぐ工事を中止して全調査をやり直すべきだ。茨城沖では地震が頻発しており、大震災が起きる確率は70%以上と言われている。原電は再調査をすぐ行え! ▼3章―2節 東電に原発を動かす資格はない 原子力規制委員会は、柏崎刈羽原発六、七号機の再稼働について、東電の「適格性」を承認するというとんでもない判断を下した。東電が保安規定にある事項を守ると誓約したから再稼働に向けた申請を認めるというものだが、そもそも紙で約束したから許すということ自体が問題だ。しかも約束したという七項目じたいが「福島第一原発の廃炉を最後までやり遂げる」とか「安全対策に必要な資金を確保する」とか「トップは原子力の安全の責任を負う」とか等々、全く抽象的で精神主義的な内容で、具体的な安全対策についての科学的な根拠など全くない代物なのだ。こんなもので原発稼働をみとめるなど住民を見下した対応で許せない。 福島はいまだに事故の真相が究明できてないし、ましてや廃炉の展望は全くみえてないのだ。こんな東電も問題だし、認可する規制委も問題だ。原電の大株主である東電は柏崎刈羽原発を動かすためにも、東海原発の再稼働を目論んでいるのだ。東電の再稼働策動を絶対に阻止しよう。 ▼3章―3節 老朽原発の再稼働を阻止しよう 四〇年を超えた老朽原発は放射能汚染と金属劣化でボロボロになっている。これまで再稼働した原発は必ず事故が起こっている。特に一万本もあるという蒸気発生器配管(伝熱管)は減肉、腐食、応力腐食割れ等で劣化が激しく、汚染した水蒸気漏れが美浜原発や高浜原発で起こっている。最近、大飯原発でも原子炉と蒸気発生器をつなぐ一次系配管で大きな傷が見つかっている。こうした原発を二〇年延長させて動かさなければならないのは、原子力のベースロード電源として20~22%維持するという閣議決定を守らんがためだが、とんでもなく不条理なエネルギー政策だ。今現在原発の電気比率はわずか3%にすぎず、電気は十分に足りている。東日本では一台の原発も動いてないのである。 関電は四〇年超えの高浜原発一号機を二〇二一年一月に、同じく三月には美浜原発三号機を再稼働しようとしている。 運転延長でしか原発を維持できない状況を見据え、老朽原発の再稼働を阻止しよう。こうした闘いが原発を減らし、すべての原発の廃炉を実現することにつながっていく。粘り強く闘いを継続しよう。関東では第四の老朽原発と言われる東海第二原発の再稼働を阻止することは、すべての原発の廃炉を目指すうえで大事な闘いである。 ▼3章―4節 東海第二原発を止めよう! 11・27集会に結集しよう 一一月二七日は、二年前四〇年超えを迎えた東海第二原発が二〇年運転延長を認可された日である。日本原電は、このコロナ禍の中で一七〇〇人も動員して防潮堤のかさ上げ工事を行っている。明らかに再稼働に向けた工事なのに、住民への説明がなく単なる安全工事だと強弁している。 改ざんと言い、大嘘と言い、日本原電の体質は最悪だ。工事を強行しておきながら、「申し入れ書」の受け取りは、コロナの自主規制だとか言って対面での受け取りを拒否し続けているのだ。せめても文書回答をという要請も、社内で検討しますと言ったきりで何の対応もない。こんな傲慢で無責任な対応は日本原電だけだ。 日本原電を弾劾し、東海第二原発再稼働を阻止すべく、11・27集会に結集しよう。 |
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