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   コロナ「緊急事態宣言」弾劾

   労働者の命と権利を守りぬこう

                             

 
 
 日帝安倍政権は四月七日東京・大阪などにコロナ対策を口実に「緊急事態宣言」を発令し、四月一六日その規模を全国に拡大した。そして、五月六日の終了を前にしてこの期限を五月三一日までに延長した。
 この「緊急事態宣言」によって「自粛の要請」が行われている。これは、行動や経済活動を労働者市民が自粛するようにさせ、「生活補償、賃金補償」なき「要請」は相互監視を生み出し、感染者へのバッシングさえも行われている。こうした中で、労働者は様々な形で連帯と団結を表現し、相談センターを作り出し、各労働組合は労働者の命と健康を守る闘いを行っている。

 ●1章 百年目のメーデーを果敢に闘う

 東京においては、五月一日午前一〇時、第九一回日比谷メーデー式典が全水道会館(東京・水道橋)に代表約五〇人が参加して開催され、ネット配信された。連帯メッセージとして韓国民主労総キム・ミョンファン委員長からのメッセージが読み上げられた。同一〇時三〇分より約一時間にわたり、水道橋駅頭でスタンディング情宣を約一〇〇人の組合員で取り組み、メーデーの成功をかちとった。午後五時三〇分からは「戦争・治安・改憲NO! 総行動実行委員会」主催の新宿アルタ前の宣伝行動が行われた。
 大阪においては、第九一回中之島メーデーが様々な困難を解決しながら実現された。権力(安倍政権)、警察・検察・裁判所による集中的弾圧や広域協組の敵対と闘う全日建連帯、全港湾、大阪全労協や争議組合の代表者などの少数に絞って靭公園で出発式を行い、宣伝カーによる市内街宣、なんば高島屋前でのスタンディング行動などを取り組んだ。
 京都においては、第三〇回きょうと地域メーデーが、六〇人の結集でおこなわれた。円山野音が使用中止となる中で、円山野音付近のラジオ塔前でメーデー宣言の読み上げ、大弾圧と闘う連帯関生支部の仲間のアピールを確認し、円山野音前から市役所前までのデモを整然と行った。
 われわれは、労働組合はコロナ危機と立ち向かおう、自らの闘いで「命・生活と雇用・社会の連帯の構築」を労働者に呼びかけていこう、とメーデーを取り組んだ。メーデーにおいて異口同音に語られ、プラカードに掲げられていたのは、「『経済最優先・人命無視、コロナ危機は自己責任で乗り切れ』の安倍政権にコロナ危機への対応を委ねるならば、多くの労働者、民衆が犠牲になる」「休業は補償とセットだ!」「コロナ危機を口実にした解雇、派遣切り、内定取り消しを許さない!」「休業中の賃金を100%支払え」「内部留保を今こそ吐き出し、全ての労働者の賃金補償へ!」「コロナを口実とした人権侵害を許さない!」「アメリカからの武器購入を止めてコロナ対策へ」「辺野古新基地建設こそ不要不急だ!」の反撃と抗議の声だ。
こうした中で安倍政権はようやく特別定額給付金一人一〇万円の支給を決めたが、この支給方法は「世帯主」へまとめて支給となっている。多くの世帯で男性が世帯主となっていることからこうした支給方法への批判の声が挙がっている。とりわけDV被害にあっている女性たちや家庭内暴力にさらされている人たちにとっては死活問題となっている。安倍政権肝いりの「アベのマスク」については、配布開始直後から汚れ等が発見され、発注先の企業についても様々な疑惑が報じられている。そして、安倍政権はコロナ危機を奇禍として憲法に「緊急事態条項」を入れ込もうとしている。こうしたナチスばりのやり方を許してはならない。

 ●2章 労働者の安全対策、労働相談を行う

 安倍政権は、コロナで休業した労働者がいる企業に「休業補償を行う」としていたが、一人当たりたった八三三〇円の雇用調整助成金支給は、手続きが煩雑であり、全国で問い合わせ件数が一一万八千件あったのに、実際の申請は九八五件、支給決定されたのはわずかに六〇件だった(四月一七日現在、厚生労働省調べ)。申請できるのは事業主であり、明日の生活に困窮する労働者が直ちに利用できるものではない。このような中で、労働弁護団を中心に「新型コロナウィルスに関する働く者の連絡会議」が四月七日に開催され、ナショナルセンターの違いを越えて連合・全労連・全労協などの全国組織やコンビニ加盟ユニオン・ウーバーイーツユニオン・反貧困ネットワーク・移住連などが集まり、今後連携しながら労働相談などを行っていくことを確認した。現在は電話相談や相談を呼びかけるチラシ配布などが行われている。
 街頭テント相談などを行っている組合からは、敷地管理者や警察から「緊急事態宣言」を口実に排除しようとする動きや、女性を対象とした街頭相談へ「視察」と称した自民党議員が集団で乗り込みあまつさえ馳浩衆議院議員がセクハラ行為までおこなったことが報告されている。こうしたことは絶対に許すことができない。
 更に職場における闘いも取り組まれている。介護職場においては「共にコロナ禍での労働現場と施設運営について協議しよう」という組合側からの申し入れさえ拒否する経営者もいる。自治体の職場では保健所業務の増大、休業や学校の休校に伴う保育園、学童保育に関する各種問い合わせの増大、企業支援、生活支援、一〇万円給付等と政府から次々にコロナ対応が丸投げされる中で、職場の労働者の健康と安全を守るための各種取り組みが行われている。医療、介護の現場においても感染から身を守る物資が不足する中、懸命な努力が行われている。流通や食料品販売の現場においても、健康と安全を守る取り組みは急務である。
 われわれは20メーデーの闘いを突破口にして、コロナ危機=大量解雇時代の階級再編の攻防において、労組の社会的役割を果たしつつ、組合員と未組織労働者の団結を更に固め、社会連帯を強化し安倍政権を打倒しよう。



 

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