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   老朽原発うごかすな! 

   東海第二原発の再稼働を止めよう

   


 東京地裁は九月一九日東電元経営陣三人に対し無罪判決を出した。まったく恥ずべき判決で許せない。
 福島第一原発事故がもたらした災禍は計り知れない。そうであるがゆえに検察権力の不起訴処分に対し二度も審査請求を行い、裁判を実現したのだ。そこには圧倒的多数の民衆の、東電の責任を問う意思が反映しているのだ。そうした粘り強い闘いが、東電内部からも大津波の到来はあり得ることを当時の経営幹部にも進言していたとの証言まで明らかにしたのだ。
 日本の裁判所は完全に独立性を失ってしまった、100%の有罪が無罪になったのだ。断じて東電の犯罪を許してはならない。原発過酷事故がいかに社会を破滅させるかを明確にさせていこうではないか。
 続いて関西電力の経営幹部の三億二千万円余りの金品授受、賄賂まみれの実態が暴かれた。「原発マネー」といわれる金が、電力会社、企業、原発立地を循環し、それぞれの推進者が潤っていく構造が作られているのだ。その資金は最終的には電気料金に上乗せされていく。この構造が電力会社の腐敗・堕落を生み出しているのだ。「国策」扱いの原発建設が利権を生み、札束で人心を買うことが公然となされている。徹底的に膿を出し切らなければならない。

 ●1章 東海第二原発の現状

 ▼1章―1節 老朽原発を動かすな


 「東京の原発」と揶揄される東海第二原発は、昨年一一月二七日に四〇年越えとなった老朽原発だ。しかもあの「3・11大震災」の津波で福島原発と同じ大被害を受けたが、非常用電源でかろうじて爆発を防いだ代物なのだ。老朽化の上、内部が傷だらけとなった原発を再稼働することは非常に危険である。
 原子炉は長期間強烈な中性子を浴び材質がもろくなっていることが確認されている。現に二〇〇四年に美浜原発三号機は腐食により配管が破断、定期点検中の下請け労働者五名が死亡するという大事故が起きている。四〇年越えでなくとも、再稼働させた時に水蒸気漏れをおこすなど様々な事故が起きている。
 東海第二原発は老朽化の上、安全対策工事が終わるのは二〇二一年三月と言われている。「特定重大事故等対処施設」の建設の目途もたっておらず、実際は四五年近くもたつポンコツ原発を再稼働させることになるのだ。政府の原発エネルギー維持のために老朽原発を動かすことは住民の生命と安全を無視した許しがたい行為だ。再稼働を絶対に阻止しよう!

 ▼1章―2節 日本原電は完全に財政破綻している

 九月二四日、日本原電は「特別重大事故等対処施設」建設の申請をした。二〇二三年一〇月までの完成、再稼働を目指すという。
 経費は六一〇億円と言われているが、電気を生産してない原電は経理的には完全に破産している。これまでの安全対策費一七四〇億円とあわせても予算は三〇〇〇億円に膨らむと言われている。株主の電力会社の支援頼みなのだ。電力会社が一九〇〇億円、そのうち東電が一二〇〇億円債務保証すると言われている。私たちの電気料金が東海原発の再稼働に使われるということだ。同じく経営破綻状態の東電にそんな余裕はなく、いまだに原電支援の決定さえ下していないのだ。その経費があるのなら、まず福島の被害者たちを救済するのが先決だ。

 ▼1章―3節 東電の犯罪を許すな

 東電は、あの福島事故に責任を負うことなく、避難者の住宅支援を無情に打ち切った。福島廃炉作業には、熔け落ちた核燃料デブリの取り出しに今後八兆円ほどの資金が必要と言われている。汚染水問題に、汚染土壌等の処分問題と、問題は山積しており、総額二二兆円かかるとの試算もでている。福島の復興はまだまだなのだ、それでも資金援助して東海原発を動かそうとするのは犯罪そのものだ。まずは福島支援に全力をつくせ。
 先の台風による千葉県全域の大停電は、送電線の倒壊によるものと言われているが、そもそも東電が、インフラ整備の投資を大幅に減らしたために、安全点検整備が充分になされなかったためなのだ。東電は一九九一年までのインフラ投資が約九〇〇〇億円だったのが、二〇一五年には二〇〇〇億円までに大幅ダウンしているのだ。「3・11過酷事故」であれほど問題になった安全対策が後回しにされ、まったく教訓化されていないのだ。
 東電の本命は柏崎刈羽原発六、七号機の再稼働にあると言われている。「国策」である原発の電源比率20~22%を実現するには三〇機もの原発稼働が必要だ。何としても柏崎刈羽原発の再稼働が必要なのだ。出力の小さい原発を廃炉にしてでも大原発の再稼働を目指しているのだ。それ以外にも青森の東通原発を、中部電力や原発製造民間メーカーとの共同事業体を立ち上げて建設を目指している。福島の復興をないがしろにし、原発再稼働に突き進む東電にこれ以上の犯罪の上乗せを許してはならない。

 ●2章 原子力規制委員会は原発推進委員会だ

 ▼2章―1節 「特重」建設=「テロ対策」は大嘘だ

 福島第一原発の過酷事故を反省する中から、独立機関として原子力規制委員会が生まれ、そこから二〇一三年新たに原発建設を規制する安全「新規制基準」が作られた。しかし、当初からその安全基準はハードルが低いと批判されてきた。「福島原発事故」の検証はまだ終わってない。熔け落ちた核燃料デブリがどうなっているかも分からない。完全廃炉の道筋がはっきりしない限り、福島が復興したなどとは言えないのだ。最近では東電元社員が、原子炉破損は津波ではなく地震の段階で破壊されたとする綿密な検証論文も発表されている。規制委は福島原発事故の検証を徹底せよ!
 「シビアアクシデント(重大事故)」対策として、いわゆる「特重」(特定重大事故等対処施設)建設は、「新規制基準」に明記されたのだが、工事計画を認可した日から五年以内の完成へと設置期限を延長してきた。にもかかわらず、期限内にできないことが判明するや否や、一転して期限内にできないものは原発を停止させると原子力規制委は宣言した。
 しかし、そもそも「特重」の完成をまたないで再稼働していることが問題なのだ。オリンピックを前にして「世界一安全」だと豪語した手前、日本の原発は本当に大丈夫なのかという世界の疑義をかわすために言っているのだ。そんなに重要な安全対策なら今すぐ原発を停止しなければならない。原発を飛行機やミサイルに耐えられる施設にすることなど不可能といってもいいのだ。そもそもどのような設備なのかの詳細は、軍事機密に属する事柄として公開していない。こんなまやかしで原発を容認させることを絶対に許してはならない。

 ▼2章―2節 「新検査制度」導入を許すな

 現在、原発は一三ヵ月ごとの定期検査が義務づけられており、原子力規制委員会は合否判定を行わず、検査結果の報告受領・公表のみとなっている。つまり来年四月からは検査は事業主である電力会社が行い規制委の認可をうければ良いとするものに改悪されようとしている。客観的な検査はなくなり電力会社の恣意的判定で済まそうというわけだ。
 こんなことでどうして原発の安全性が守れるというのだろうか。
 検査の中身も問題だ。これまでは配管等の亀裂が見つかった場合すぐに補修か取り換えが必修だったものが、今後は「維持基準」なるものを作り、亀裂の進展状況を予測して補修内容を決めていいとするのだ。つまり多少亀裂があってもそのまま原発運転を行ってもいいとするとんでもない制度なのだ。もし事故が起きても一義的責任は電力会社が負い、罰則も軽い内容になっている。こんな危ない検査制度の改悪を許してはならない。原子力規制委員会自体が安全規制を緩くし続けている。まさに原発再稼働の推進機関に成り下がってしまったのだ。徹底的に責任を追及しよう。

 ●3章 安倍政権を一刻も早く打倒しよう

 ▼3章―1節 「オリンピック」弾圧―治安国家化を許すな


 安倍は「福島は復興した、世界一安全だ」と世界に大ウソを言ってオリンピックを誘致した。しかし世界は疑っている。「汚染水は大丈夫なのか?」「福島は本当に除染されたのか?」「食料は放射能に汚染されていないのか?」と。
 アベノミクスの破産をオリンピックでごまかし覆い隠そうとしている。また一方で「テロ対策」と称して「特重施設」建設をあたかも原発の安全性を保障するかのように言って原発再稼働を強行しようとしている。しかもその裏では日本中を「テロ対策」厳重警備で縛り付け監視・管理社会を作り上げている。朝鮮半島での戦争危機を煽り、治安国家体制を作り上げようとしている。
 安倍は根っからの核武装論者だ。二〇〇二年福官房長官時代、早稲田大学での講演会で「大陸間弾道弾は憲法上問題ない」、「憲法上は原爆だって問題はない」と断言しているのだ。
 国連安保理常任理事国入りを狙う安倍政権にとって、いつでも核武装できる体制を作っておくことが必須の条件なのだ。
 これ以上危険な道を進めさせないために安倍政権を延命させてはならない。安倍打倒闘争を一層強化していこうではないか。

 ▼3章―2節 11・27「廃炉デー」日本原電包囲行動に決起を

 昨年の一一月二七日は本来なら東海第二原発が四〇年になり廃炉になる日であった。原子力規制委は、その前にまたしても再稼働認可を出してしまった。
 安全対策工事などは全く進んでない。古い燃性ケーブルがそのまま使われている。東海第二原発のすぐ近くには核燃処理施設があるのだが、安全のための防潮堤工事は対応外になっている。大地震、大津波に襲われればひとたまりもない。ましてや周辺自治体住民の避難計画などできようもなく、机上の空論でしかない。東電と同じで、「国策事業」のためには、住民の命などは後回しの問題でしかないのである。
 このかん日本原電本社は一切の「署名」や「申し入れ書」の受け取りを拒否し続けている。その言い訳は「当社の方針に沿わないものは受け取らない」という傲慢なものだ。企業としての一片の倫理観もない会社が、人の命を守れずはずもない。
 一一月二七日、日本原電本社を包囲し、原発再稼働を絶対許さない闘いに参加しよう! 多くの皆さんの決起を呼びかけます。


 

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