共産主義者同盟(統一委員会)






■政治主張

■各地の闘争

■海外情報

■声明・論評

■主要論文

■綱領・規約

■ENGLISH

■リンク

 

□ホームへ

   沖縄知事選勝利をバネに、
  安倍打倒、辺野古新基地阻止へ
   直ちに現地阻止闘争強化の陣形を!

                 沖縄労共闘

  
                  

 

 ●(1)安倍政治を打ち破った沖縄知事選勝利の地平

 九月三〇日執行の沖縄「県」知事選挙では、前衆院議員で故翁長雄志知事の遺志を受け継ぐ「オール沖縄」派の玉城デニー氏が当選を果たした。過去最多となる三九万六六三二票を獲得し、日帝―安倍政権―自公・維新・希望が全面的に支援した前宜野湾市長の佐喜真淳を八万一七四票の大差で破った。安倍政治を打ち破った沖縄人民の歴史的快挙、大勝利である。
 周知の通り今回の沖縄「県」知事選挙は、翁長雄志知事が八月八日、膵(すい)がんのために死去したことによるものだ。一一月に改選を迎え、本年沖縄統一地方選挙の最後の政治日程となる予定であったが、急遽の事態の中で、宜野湾市長選などの首長選挙や名護市議会議員選挙などの地方議員選挙と連続する、あるいは重複する厳しい日程の中で選挙戦が闘われた。
 われわれは、二〇一八沖縄労共闘年頭アピールにおいて、「二月四日名護市長選と九月名護市議選、そして一一月知事選を、辺野古新基地阻止闘争の重大な政治的環として、選挙運動ではなく政治戦として全力で闘おう。この政治戦に必ずや勝利し、『オール沖縄』として形成してきた沖縄階級闘争の発展を断固として打ち固めよう」(『戦旗』一五一八号)と訴えてきた。
 また、沖縄解放委員会(準)の5・15アピールでは、「われわれは、沖縄労働者人民の階級的利益に最も合致し、辺野古新基地建設阻止の重要な政治戦としての選挙闘争を全力でけん引しただけに(名護市長選敗北の)その責任を痛感する」「『オール沖縄』の政治的混迷を突破する革命的方向性は、政治的利用主義を全面化させ、沖縄労働者人民の闘いに制動をかける日共スターリン主義との党派闘争・路線闘争として闘い抜くことであり、何よりも、翁長知事の『埋め立て承認撤回』を引き出すために、ヘリ基地反対協・基地の県内移設に反対する県民会議、あるいは各地の島ぐるみ会議との連携強化で、現地での陸・海を貫く実力阻止闘争体制の再度の構築を早急にかちとることである」(『戦旗』一五二四号)として、沖縄―「本土」を貫く辺野古決戦・沖縄解放闘争の革命的進撃をあらゆる戦線で実現してきた。
 まさに今回の知事選の第一級の政治争点は「辺野古新基地建設阻止」であった。そしてその民意を再び打ち立てた。安倍自公政権=佐喜真陣営は、名護市長選で味をしめた「辺野古の『へ』の字も言わない」戦略と公開討論からの逃避を徹底したが、マスコミの出口調査でもわかる通り、知事選の最大争点は「普天間返還・移設問題」だった。選挙結果は、「辺野古が唯一」論で沖縄弾圧・差別を繰り返す安倍政権への怒りの鉄槌だった。
 沖縄人民は、「勝利の方程式」を豪語する安倍・菅―官邸直轄の、名護市長選を数倍する凄まじい物量戦と対峙し、創意ある〝草の根〟運動を各地域、各層で繰り広げた。安倍政権は、来年度の沖縄関連予算概算要求で基地とのリンク論を張り巡らす中、一ヵ月間に三度も沖縄入りした官房長官・菅を筆頭に、自民党総務会長(当時)・竹下亘や創価学会副会長の佐藤浩が陣頭指揮をとる体制をとった。そして、現職閣僚や自民党幹事長・二階や小泉進次郎、公明党代表・山口らを次々に投入し、企業や各種業界団体の締め付けと「期日前投票」への組織的動員を図った。これに利権屋集団の維新・下地幹郎が参入しての文字通り「金に糸目をつけない」総力戦だったのだ。それゆえに、玉城デニー氏大勝という結果は、辺野古新基地建設反対の沖縄人民の揺るがない民意の重さを十二分に証明している。一〇月九日の「翁長知事県民葬」に恥知らずにも乗り込んできた菅に対して、参列者から怒りの糾弾が叩きつけられたことも当然だ。選挙結果だけではなく、「沖縄人の尊厳と誇り」を示した今回の知事選の歴史的意義がここにある。

 ●(2)行政不服審査請求弾劾! 埋立て承認撤回は正当だ

 日帝―防衛省―沖縄防衛局は一〇月一七日、翁長知事の遺志を受けた沖縄「県」がおこなった八月三一日の埋め立て承認撤回への対抗措置として、国土交通大臣―石井宛に行政不服審査請求を行った。また撤回の効力を止める執行停止も申し立てた。この暴挙を満腔の怒りで弾劾する。
 知事就任後、辺野古新基地建設反対を伝え「対話による解決を求めた」一〇月一二日の玉城新知事と安倍・菅との初面談からわずか五日後のことである。まさに問答無用の沖縄弾圧、沖縄差別を断じて許さない。
 そもそも行政不服審査法は、「国民(私人)の権利利益の簡易迅速な救済を図ることを目的」とするものであり、また、公有水面埋立法でも国(承認)と私人(免許)は明確に区別されており、今回は国の埋立て「承認」を撤回した手続きとなったことなど周知のことだ。安倍政権は、二〇一五年の埋め立て承認を取り消した際(一〇月一三日)にも国(沖縄防衛局長)が「私人」になりすまして、同じ国家機関に審査請求する茶番劇を演じた。
 当然にも玉城知事は声明で、「本件において、国が行政不服審査制度を用いることは、当該制度の趣旨をねじ曲げた、違法で、法治国家においてあるまじき行為と断じざるを得ません」と弾劾した。「仮に、本件において国土交通大臣により執行停止決定がなされれば、内閣の内部における、自作自演の極めて不当な決定といわざるを得ません」と、執行停止要件の緊急性事由にも該当しない暴挙への警告も発した。前回は、わずか二週間で工事が再開された。直ちに現地阻止闘争の陣形を強化し、不当不法な埋立て工事、辺野古新基地建設を絶対止めよう!
 言うまでもなく、八月三一日沖縄「県」が決した埋立て承認撤回の正当性は明白、明快である。①留意事項に基づく事前協議、行政指導を無視し違法工事を強行したこと、②軟弱地盤や活断層の存在が明らかになり、また新基地建設による学校や民家への高さ制限に抵触することや、米軍計画で辺野古新基地建設後も普天間基地を使用することが判明、③サンゴやジュゴンの環境保全対策に問題がある、として反動・仲井真が下した「埋め立て承認」を撤回したのだ。「二〇年以上も前に決定された辺野古新基地建設を見直すこともなく強引に推し進めようとする政府の姿勢は到底容認できるものではない」(七月二七日撤回指示表明記者会見)という、自らの命を削り安倍政権と真正面から対峙してきた翁長知事の最後の決意でもある。
 とりわけ活断層―軟弱地盤の存在は重大だ。安倍政権は「既存の文献には活断層の存在を示す記載はない。安全性には問題ない」と居直るが、大浦湾海底部の五〇メートル近く沈下した落ち込み場所を「断層によると考えられる落ち込み」と記載していることは、二〇〇〇年防衛庁(当時)の「海底断面図」でも明らかだ。さらに、辺野古崎地先地点(C1護岸付近)は「マヨネーズ並み」の軟弱地盤という致命的な現実も明らかになっている。単なる地盤改良工事で済む問題ではない。さらには、予定地陸・海域の文化財発掘・保護、美謝川水路変更問題など課題は山積している。もはや辺野古新基地建設は、政治的にも技術的にも何らの正当性もないものだ。
 辺野古新基地建設阻止へ今こそ総決起しよう! 埋立て工事再開を断固阻止しよう! 既設の護岸撤去をかちとろう! 本部・国頭をはじめ全国からの土砂搬入(搬出)を阻止しよう! 沖縄―「本土」を貫いて総力で闘い、安倍を打倒しよう!



 

当サイト掲載の文章・写真等の無断転載禁止
Copyright (C) 2006, Japan Communist League, All Rights Reserved.