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   ■南北首脳会談開催の成功を!

     米韓合同軍事演習はやめろ

        
                                
 
 
 ●1章 南北首脳会談開催を断固として支持する

 三月六日、南北首脳会談が四月末にも開催されるとの報道が世界をかけぬけた。
 われわれは、この南北首脳会談の開催が、朝鮮半島における平和と統一にむけた大きな一歩であると歓迎し、断固として支持を表明したい。
 三月五日に共和国の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長と会談した韓国大統領府の鄭義溶(チョンウィヨン)国家安保室長(特使)が以下の合意内容を発表した。①四月末に板門店(パンムンジョム)で南北首脳会談を実施する、②緊張緩和のため、首脳間のホットラインを設置する、③共和国への軍事的脅威が解消され、体制が保証されれば核を保有する理由はない、④共和国は非核化問題協議と関係正常化のため、米国と対話する用意がある、⑤対話が続く間は、共和国は追加の核実験や弾道ミサイル試射を行わない(北朝鮮との表記は、共和国と本紙側で訂正)というものだ。さらに、共和国側は、三月一八日の平昌(ピョンチャン)パラリンピック閉幕後に予定される米韓合同軍事演習の中止を求めてきたが、「四月に例年通りの水準で実施することを理解する」とも表明したという。
 米トランプは六日、ホワイトハウスで今回の首脳会談の開催合意について「世界にとって素晴らしいことだ」と述べ、また記者団からの南北対話に対して楽観的かとの質問に「楽観したい。とてもよい対話が行われている。進展があった」と評価し、共和国の姿勢は「偽りではない」とも強調したのである。
 南北首脳会談が開催されれば、〇七年に続き三回目となる。第一回目は、二〇〇〇年六月、金大中(キムデジュン)大統領が平壌(ピョンヤン)を訪れ金正日(キムジョンイル)総書記と「南北共同声明」に署名し、和解と統一、緊張緩和と平和、離散家族の相互訪問、金正日総書記のソウル訪問、さらに「統一のための連邦」へ向かうことなどを確認した。二回目は、廬武鉉(ノムヒョン)大統領が同じく平壌で会談し、平和の定着や経済協力を盛り込んだ宣言が発表された。
 今回の南北首脳会談開催の合意内容をみるならば、第一に、南北首脳会談が平壌ではなく、板門店の韓国側施設(平和の家)で行なわれること、第二に、首脳間のホットラインが設置されることが確認できたことは、極めて大きな意味がある。もし、平壌や共和国側の施設で行われるならば、韓国保守層からの反発、共和国への屈服との非難が吹き荒れるだろう。不測の事態や一触即発の事態に対してホットラインは危機回避にむけて大きな意味をもつであろう。共和国がいかに本気で南北首脳会談を成功させることを望んでいるかを今回の合意内容においてはっきりと確認することができる。
 今年、創建(建国)七〇年を迎える共和国は、年頭の金正恩委員長の「新年の辞」において、南北関係の改善にむけた決意を明確に述べていた。「現下の情勢は、今こそ北と南が過去に縛られることなく、北南関係を改善し、自主統一の突破口を開くための決定的な対策を立てていくことを求めています」「北南関係を一日も早く改善するためには、北と南の当局がいつにもまして民族自主の旗印を高く掲げて、時代と民族に対する自分の責任をはたさなければなりません。北南関係はあくまでもわが民族の内部問題であり、北と南が主人公となって解決すべき問題です」などと南北の自主的平和統一にむけた強いメッセージを発し、こうした呼びかけに対して文在寅政権が応え、トランプ政権を説得、合意のうえで発表されたのである。
 さらに踏み込んで米朝対話の用意も準備されており、政権の最重要の政策課題として南北間の関係改善と朝鮮半島全体の平和と安定を掲げていた文政権の強いイニシアチブのもと政権発足直後から周到に準備されてきたことが確認できるのである。われわれは、南北の自主的平和統一にむけた韓国、共和国両政府と朝鮮人民の決意と努力をしっかりと確認する必要があるのだ。
 さらに三月八日には米帝トランプが今年五月までに金正恩委員長と会談する意向を示し、ホワイトハウスがこれを公式に確認した。候補地として平壌・板門店・済州島(チェジュド)が挙げられている。十年かかると言われる非核化の日程作成、休戦協定の平和条約への転換による朝鮮戦争の終結、米朝国交樹立、そして南北統一へと向かう道が大きく切り拓かれた。一九七二年の電撃的な米中国交正常化とその後のピンポン外交・パンダ外交から現在に至る東アジア情勢の激変過程を想起せよ。
 今年に入り、われわれは『戦旗』紙上において「急展開する朝鮮半島情勢をどう見るか」(二月五日号)と「朝鮮半島・東アジア情勢とわれわれの当面の課題」(三月五日号)と題する二つの文章において、基本的な分析と見解、そして朝鮮戦争反対の闘いへの結集を呼びかけてきた。また、「急展開する朝鮮半島情勢をどう見るか」においては、「双方に共通するのは平昌五輪を契機に南北関係を改善し、それを通じて朝鮮半島での戦争を回避して平和を築きあげようという意思である」と新年の辞における核心を読み解いていた。
 今回の南北首脳会談開催にむけた動きをたどりながら、改めてわれわれのとるべき態度と闘いを訴えたい。

 ●2章 米トランプ政権の戦争挑発と核体制

 トランプ政権は、昨年一一月、九年ぶりに共和国を「テロ支援国家」に再指定し、一二月には、安全保障政策の指針となる「国家安全保障戦略」を発表し、中国とロシアを米国の国益や国際秩序に挑む「修正主義勢力」と断じ「強国同士の競争が再び戻ってきた」との危機感を表明した。そして、国防予算の拡大などを通じて「米軍の力を再建する」と明記した。中国などへの関与によって信頼関係を築けるとの前提に基づいた過去二〇年の安保政策は「見直しが必要」とも指摘し、この中で共和国に関しては、同国が加速させている核や弾道ミサイル開発を「グローバルな対応が必要なグローバルな脅威」と非難。イランとともに「ならず者国家」と位置づけた。そして、政権二年目の施政方針を示す今年一月三〇日の一般教書演説でも、異例の長さで共和国に対して体制を強く非難するとともに、最大限の圧力をかけ続けることをあきらかにしていた。
 二月二日には、今後五~一〇年間の米国の核戦略の指針となる「核体制の見直し(NPR)」を発表した。核攻撃への抑止と反撃に限らず、通常兵器への反撃にも核の使用を排除しない方針を打ち出した。爆発力を抑えた核兵器の開発方針も明記し、オバマ前政権の方針から転換し、核兵器の役割を広げた。核の使用について「米国や同盟国の極めて重要な利益を守るための極限の状況に限る」と前政権の方針を継続することを表明しつつ、ただ、その極限の状況には「国民やインフラ、核施設などへの重大で戦略的な非核攻撃」もあてはまるとし、通常兵器の攻撃に対しても核の使用を辞さない方針を鮮明にしたのである。

 ●3章 南北閣僚級会談の合意と米朝韓の外交交渉

 今年に入り、一月一日金委員長は「新年の辞」において、去年行われた六回目の核実験とICBM=大陸間弾道ミサイル級の「火星一五型」の発射について「国家核武力完成の歴史的な偉業を成し遂げた。アメリカはわが国を相手に決して戦争を起こせない」と強調し、「アメリカ本土が核攻撃の射程圏内にあり、核のボタンが私の事務室の机の上にいつも置かれている」と述べた。これに対してトランプは二日、「私のボタンは彼のものよりはるかに大きく、より強力で、実際に機能する」とツイッターに投稿し、金委員長を強くけん制した。
 こうした中、金委員長の「新年の辞」に応えるかのように、同二日には韓国の趙明均(チョミョンギュン)統一相は記者会見を開き、共和国に対し、一月九日に板門店の韓国側の施設、「平和の家」で南北の高位級会談を開くことを提案するとともに、「時期、場所、形式などにこだわることなく北と対話する用意がある」とも述べ、共和国側の希望にも耳を傾ける姿勢を示した。また、そこでは「平昌オリンピックへの北の参加の問題について協議するとともに、南北関係の改善のため、互いの関心事について虚心たん懐に議論したい」とも述べ、幅広い議論を行いたいという考えを示していたのである。
 五日には、文大統領とトランプによる電話会談がおこなわれ、二月に開かれる平昌オリンピックの期間中、定例の米韓合同軍事演習を実施しないことで合意したのである。こうしたトランプ政権への説得と確認を取り付けたうえで一月九日、韓国と共和国の閣僚級会談は、軍事境界線にある板門店で一五年一二月以来、およそ二年ぶりに行われたのである。会談は、およそ一一時間にわたって断続的に行われ、三つの合意内容をまとめた共同報道文を採択して終了した。
 そこでは、①共和国が平昌オリンピックに選手団をはじめ、高位級の代表団、それに応援団や芸術団などを派遣すること、②朝鮮半島の緊張を緩和するため、南北は軍の当局者会談を開き、幅広い分野での往来や協力を活性化させる、③さらに、南北関係をめぐるすべての問題を一つの民族としての対話を通じて解決するとし、今後もさまざまなレベルの会談を行うことが確認されたのである。
 この南北閣僚級会議を受けて一〇日、文大統領は年頭の記者会見を行い、九日開かれた南北の閣僚級会談をきっかけに、共和国との対話を加速させていく姿勢を示し「条件が整って成果が担保されなければならない」と断ったうえで、金委員長と首脳会談を行う可能性にも言及したのである。
 今回、確認された南北首脳会談の開催は、先にも述べたように文政権のイチシアチブによるものといえるが、「想定」を超えた内容となったのは、金委員長の「新年の辞」で発せられたメッセージであったことによるところは大である。
 また、こうした合意がトランプ政権の「承認」の上になされていることもすでに述べた通りである。そうした中で「軍事的脅威が解消され、体制の安全が保証されれば、核を保有する理由がない」「非核化問題の協議と米朝関係の正常化のため、米国と虚心坦懐に対話する用意がある」とする九日の南北閣僚級会談の合意内容を南北首脳会談を通していかに実現していくのかがきわめて重要になってくることは言を待たない。
 共和国側の合意内容を踏まえるならば、朝鮮半島における非核化は実現可能である。そもそも今日の朝鮮半島の分断と軍事的緊張と対立の責任は、休戦協定のまま放置されてきた朝鮮戦争の平和条約の締結を一貫して拒否し、在韓米軍、在日米軍を配置し、圧倒的軍事力をもって包囲と威嚇を行いつづけてきた米帝にこそある。こうした圧倒的核軍事力を背景に共和国の体制転覆を含む戦争圧力が共和国をして核開発と弾道ミサイル開発へと追い込んできたのである。そうした中でも最大限の譲歩を示した共和国の今回の合意内容をトランプ政権は誠実に受け止めなければならない。軍事的対立から緩和へと転換できる局面への扉は開かれた。この流れを滞らせることなく、南北朝鮮の自主的平和統一、米朝の直接対話から平和協定締結、日朝の国交正常化へと向かう流れへと発展させていかなければならない。

 ●4章 自主的平和統一に敵対する安倍政権打倒

 こうして切り拓かれた歴史的転換点において、米日帝国主義による朝鮮戦争に反対する立場からわれわれに求められる態度と闘いを改めて訴えたい。
 まずなによりも、南北両国の朝鮮半島での戦争回避と平和にむけた真摯な外交努力に対して、敵対する安倍政権を打倒する闘いを強めることである。安倍は、一月九日の南北閣僚級会議後に行われた「北朝鮮」問題を話し合う関係国外相会合(カナダ・バンクーバー)に外相河野を派遣し、「北朝鮮は、核・ミサイル開発を続けるための時間稼ぎをしたいだけだ」、「北朝鮮が核・ミサイル計画に執着しているという事実から目を背けるべきではない」として、「北朝鮮の微笑外交に目を奪われてはならない」と強調したのである。これは南北関係改善の動きを牽制、妨害し、関係改善に動こうとする韓国に「待った」をかけたに等しいのだ。そもそもこの外相会合は、中国、ロシアを除き朝鮮戦争で国連軍に部隊を派遣した国々と日本や韓国などを合わせた二〇か国によるものであり、決して認められるものではない。
 安倍自身も平昌オリンピックの開会式に乗り込み、オリンピック開催国の大統領に向かって「慰安婦」問題での「日韓合意」の履行を迫り、米韓合同軍事演習実施を迫るという場をわきまえない行動をとったのである。
 そして、今回の合意に対しても六か国協議を構成する中国、ロシアが歓迎の意を表明する中にあって「北朝鮮との過去の対話が非核化につながってきていない教訓を十分踏まえて対応すべきだ。対話のための対話は意味がない」「日米韓が協力し、核・ミサイル計画を放棄させるために、圧力を最大限まで高めていく方針は揺るがない」(官房長官菅)と述べ、圧力と制裁一本槍の姿勢を明らかにしたのである。今回の合意形成の経緯を見るならば安倍政権がいかに「蚊帳の外」にあったということが明らかである。加えて米朝首脳会談開催方針が発表され、鉄・アルミニウムにアメリカが一方的に関税を課す貿易戦争が勃発し、米帝の制裁リストに日本が入り、安倍政権は茫然自失状態だ。アメリカと足並みを揃えていたつもりが、いつのまにか梯子を外された形である。共和国に対して圧力と制裁しか方針をもたない安倍政権は外交政策全般で窮地に追いやられ、真意を質しに四月訪米を慌てて発表したが、南北首脳会談の成功にむけては阻害物以外の何物でもない。
 憲法の九条改悪と自衛隊の強化をもくろむ安倍政権は、この間、共和国の核とミサイルの「脅威」を最大限に利用してきた。南北の和解が進み共和国の「脅威」が減少すれば、九条改憲の論拠は一挙に失われる。「脅威」を維持するために南北対話による平和的解決の可能性を潰すことに躍起になっている。こうした安倍政権は、南北首脳会談の成功にとっては阻害物、敵対物以外の何物でもない。打倒あるのみだ。
 第二には、あくまでも米韓合同軍事演習に反対し、闘いぬくことである。先に触れたように共和国は、三月一八日の平昌パラリンピック閉幕後に予定される米韓合同軍事演習の中止を求めてきたが、「四月に例年通りの水準で実施することを理解する」と表明したという。
 アメリカの政府高官は今月六日、「定例の防衛訓練が再開されるのは当然のことだ」と述べ、合同軍事演習を予定どおり再開する方針を明らかにした。これに対し、韓国の軍消息筋は「米朝対話の流れ次第では調整もあり得る」とする認識を示しており、現在、米韓両国は、一八日の平昌パラリンピック閉会後に軍事演習の具体的な日程を公表することにしている。一方、軍事演習の再開時期について、AFP通信は七日付報道でアメリカ政府筋は、南北首脳会談後の五月中旬が有力とする見解を示した、としている。いずれにせよアジア全域からの米軍の撤収を求めてきたわれわれは、あくまでも予定されている米韓合同軍事演習の中止を求めて闘いぬかなければならない。
 われわれは、一九九二年以降、アジア共同行動の闘う仲間たちとアジアからの米軍の総撤収にむけてフィリピンや韓国の闘う人民との連帯、強化を図りながら沖縄における米軍基地撤去や辺野古新基地建設阻止を闘いぬいてきた。そして反戦・反基地を闘う労働者、市民、学生とともに一〇年前からは米軍岩国基地反対、撤去の闘いに立ち上がってきた。とりわけ米軍再編攻撃が進む中で今日、岩国基地が東アジア最大の航空基地として沖縄とならび共和国への戦争出撃拠点と化していくことに強く反対してきた。米韓合同軍事訓練には、沖縄に配備されたオスプレイをはじめ、昨年岩国基地に配備されたばかりのF35Bをはじめとする多数の攻撃機が佐世保に新たに配備されたワスプ級強襲揚陸艦とともに参加するであろう。絶対に合同軍事演習を許してはならないのである。こうした在日米軍、在韓米軍基地の撤去を実現していく上で、今回の南北首脳会談の成功から南北の自主的平和統一にむけた動きは、決定的に重要である。南北の分断と対立があるがゆえに、米軍は韓国、日本に居座り続けているのである。朝鮮半島全体の対立が解消され、統一が進むのであれば、在韓米軍や在日米軍の存在根拠は一挙に消失する(ただ、そうした場合でも米、日は中国の台頭やロシアの脅威を煽りながら駐留し続けるであろうが)。そうした意味からも、全国で米軍基地の撤去を闘う人々が今回の南北首脳会談の成功にむけて支持・連帯を強め、米韓合同軍事演習反対、さらには自衛隊の参加反対の闘いを強化していくことが求められているのである。
 第三には、共和国制裁と一体に強まる在日朝鮮人民に対する差別排外主義攻撃と対決し闘いぬくことである。二月二三日、朝鮮総連の中央本部に対して反共右翼ども二名による銃撃事件が発生した。こうした動きは、ヘイト・スピーチやヘイト・デモの激化さらには在日朝鮮人民に対する直接的テロの可能性も予見させる。こうした安倍政権と一体となった朝鮮人民に対する攻撃に警戒を強め、闘いを強化していかなければならない。そして、こうした排外主義的土壌を醸成させている安倍政権はもちろんのことマス・メディアを含めた反共和国煽動と闘っていかなければならない。日本のマス・メディアは相変わらずステレオ・タイプ化された分析とも言えない悪罵で、米帝が戦争を仕掛けることを是とするかのような「報道」を繰り返している。(共和国が)「今回、首脳会談開催に応じた背景には、対話に前向きな文在寅政権を利用して、制裁強化や米国の攻撃を避けたい狙いがあるとみられる」(朝日新聞)。「コーツ国家情報長官は六日の上院軍事委員会の公聴会で、『北朝鮮が核放棄に応じることを示す兆候はない』と証言。過去の米朝交渉と同様、北朝鮮が交渉を『時間稼ぎ』に使う可能性があるとの見方を示した」(毎日新聞)など「別の狙い」や「時間稼ぎ」といった文字が紙面を覆っている。朝日や毎日がこの程度であるなら、反共右翼の読売や産経は、推して知るべしである。
 さらに今後、南北首脳会談開催にむけて自称、「朝鮮問題の専門家」といわれる連中がマス・メディアに登場し、安倍政権の意思を「忖度」して南北首脳会談の破壊にむけて動きだすことは、火をみるより明らかだ。今こそ、こうした政府やマス・コミによる煽動に屈服する日本国民の意識性を改めて問いなおさなければならない。
 三六年間にわたる朝鮮植民地支配や戦争への動員(強制労働や徴用、「慰安婦」問題など)といった歴史が戦後七〇年以上がたちますます忘れ去られ、それどころか歴代の自民党政権は、戦争責任、戦後賠償を放棄したまま拉致被害問題や核・ミサイル開発に対する恐怖心を煽り、意図的に共和国人民や朝鮮民族全体に対する憎悪や敵愾心へと捻じ曲げ増幅させてきた。また、それを多くの日本人が受け入れ、今日の安倍政権やマス・メディアの論調を許すことになっているのだ。
 こうした現実を直視しなければならない。朝鮮植民地支配や戦争問題に対する正しい歴史認識を取り返し、戦争責任の清算、戦後賠償を果たさなければならない。とりわけ共和国との間においては何ひとつ清算と賠償を日本は行っていないのだ。日本全土を覆う差別排外主義攻撃を粉砕し、南北首脳会談の成功にむけた南北朝鮮人民と連帯し、日本全国に朝鮮戦争反対! 南北首脳会談断固支持の闘いを巻き起こそう。
 会談にむけては今後、米政権内部においても共和国に対する強硬派の動きやとりわけ軍内部からの制動などもあるかもしれない。また、三八度線を巡って不測の事態が発生し、開催合意が水泡と化す可能性もある。動き出した南北首脳会談の実現にむけ、支持・連帯の闘いを強化しよう! 朝鮮戦争反対! 米韓合同軍事演習に反対しよう! 朝鮮人民と連帯し、朝鮮半島の平和と統一にむけた闘いを断固として支持しよう!


 

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