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   全国から3・27三里塚集会へ

    
市東さんの農地を守りぬけ
  
     


 全国で闘いぬいている同志・友人の皆さん!
市東さんの農地をめぐる決戦局面を迎えている三里塚現地から、3・27全国総決起集会への結集が呼びかけられている。
 三里塚芝山連合空港反対同盟(以下反対同盟)は、五十年にわたって国家権力の暴力的な空港建設と対決し、反戦反権力の人民闘争の砦を守り抜いてきた。現在も「農地死守・実力闘争」の原則を堅持し、国家権力―成田空港会社に立ち向かい、空港完成を阻み続けている。
 三里塚闘争は現在、「用地内」天神峰において国家権力・空港会社のたたき出し・農地強奪攻撃と対峙し、営農を続ける市東さんに対する農地法裁判が最高裁段階に突入している。空港会社は、市東さんに対する農地強奪策動と並行し、空港周辺地域を現在よりもさらにひどい騒音被害にさらす空港の「二十四時間化」や「第三滑走路建設」を打ち出し、周辺地域で空港利権に依拠する部分とともにこれを推進しようとしている。地域を分断し、騒音被害を拡大し、農業を破壊する空港の「機能強化」「第三滑走路建設」を強行しようとしている。絶対に粉砕しなければならない。反対同盟とともに、第三滑走路粉砕、農地強奪阻止、裁判闘争勝利に向けて、3・27三里塚全国総決起集会に起ちあがろう。
 同時に3・27総決起集会は、安倍右翼反動政権打倒のたたかいでもある。3・27総決起集会には、福島、沖縄からたたかう人民が結集する。人民闘争の砦として、国家権力と実力攻防をたたかいぬいてきた三里塚闘争は、時代や場所を超えて国家権力とたたかっている人民との共感・連帯を生み出すのだ。3・27総決起集会を安倍政権の戦争国家攻撃と真正面から対決し、福島、沖縄と連帯するものとして闘おう。
 3・27全国総決起集会から、五月伊勢志摩サミット粉砕闘争、沖縄現地闘争へと決起しよう!

 ●第1章 市東さんの農地強奪を許すな

 市東さんの農地法裁判は最高裁段階に突入している。昨年六月十二日東京高裁小林裁判長は、控訴棄却の不当判決を出した。「農地の明け渡し」「建物の収去」を命じた千葉地裁多見谷判決をほぼまるごと追認した判決である。旧空港公団が、市東さんの底地を買収しておきながら、十五年間も登記をせず秘密にしてきたことに対しては「空港反対闘争があったから仕方なかった」と空港会社を擁護している。空港会社の数々の違法行為は不問にし、空港建設を容認する許しがたい反動判決だ。
 市東さんは、高裁判決に対し「農民である私への死刑判決だと受け止めている。私は絶対に認めない。最高裁でこの判決をくつがえす」と決意を述べている。反対同盟は、高裁不当判決を打ち砕くべく、七月には「最高裁・緊急五万人署名」の方針を明らかにして、全国へ呼びかけを発した。
 市東さんと反対同盟弁護団は、最高裁に上告し、八月十日に不当判決を批判しつくす上告理由書を提出した。反対同盟は、最高裁の反動判決を許さない陣形を強化している。
 二〇一六年一月二十一日に、この間進めている緊急五万人署名で全国から集められた署名のうち一万千百二十六筆を最高裁第三小法廷(大谷裁判長)に提出した。
 農法裁判は、土地収用法による公用収用(公共事業のための強制力を伴う収用)ができなくなった空港会社が、それでも農地を奪うために、「小作権の解約」で明け渡しを求め、農地法で農地を収用しようという暴挙だ。
 そもそも農地法は、戦後の農地改革を保証するために作られた法律で、農地の所有は農業に従事する者でなければできないように規制している。売買時に、小作の場合は小作権者に買い取ってもらうか、同意を得なければならない、と小作権を保護している。小作権者である市東さんの同意のない農地の売買や解約許可など、本来あり得ないことなのだ。
 空港会社が、明け渡しを要求している農地は市東さんが耕作する農地の約73%を占め、農地だけではなく農作業のための作業場や農機具置き場、育苗ハウスが含まれている。まさに市東さんの農民としての生活を奪う犯罪行為そのものだ。
 空港会社は、市東さんの農地を奪い、現在への字に曲がっている暫定滑走路('B滑走路)の誘導路を直線化するとともに、滑走路の南側への延伸を策動しているのだ。
 農民と農業を踏み潰して空港を建設しさらに拡張を続ける五十年間変わらない空港建設を徹底的に弾劾し、市東さんをはじめとする反対同盟とともにたたかいぬかなくてはならない。
 市東さんは、「私は親が百年以上続けた土地に、そこでどう生きて行くかと決めて帰ったきて、それを守り抜いています。ここが自分のいるべき場所だと考えています。ですから体の続く限り、ここで農業をやっていきます」と決意を語っている。何としても農地強奪を阻止しよう。裁判闘争に勝利し、空港会社の策動を打ち砕こう。
 市東さんにかけられているもう一つの裁判である耕作権裁判は昨年六月十五日、千葉地裁で二年八カ月ぶりに再開された。耕作権裁判は、空港会社が市東さんの天神峰南台の農地を不法耕作だと決めつけ明け渡しを要求している裁判だ。
 しかしこの空港会社の主張は、まったくデタラメだ。空港会社が本来の契約のうちだと主張する南台41―8と41―9のうち、41―9は市東さんがまったく耕作したことのない農地で、不法耕作だと決め付けた農地こそ市東さんの正当な賃借地であることが裁判のなかで明らかになってきた。そして空港会社の主張の証拠として提出した「境界確認図」「同意書」が筆跡鑑定の結果偽造文書であることが判明し、空港会社は窮地に追い詰められている。偽造文書の作成にかかわるすべての資料の提出が裁判所から命令されても「存在しない」と逃げ回るばかりだ。
 耕作権裁判は、勝利的地平から再開された。契約農地の特定の誤りの問題とともに、南台の農地を空港会社が取得すること自体が違法であり、提訴そのものが無効であるという弁護団の主張に空港会社はまともな反論もできない。耕作権裁判の勝利から、農地強奪攻撃を打ち砕こう。

 ●第2章 二十四時間空港化攻撃粉砕!

 空港会社は、市東さんの農地強奪とともに、「第三滑走路建設」キャンペーンや空港の機能強化のための早朝・夜間飛行時間帯の緩和、さらには空港の二十四時間化に乗り出してきている。
 羽田の国際化の拡大、中国、韓国等アジア諸国との空港間競争の劣勢の挽回策として空港会社は、「第三滑走路」を地元自治体を巻き込みながら画策してきた。昨年十一月に開催された成田空港の機能強化を話し合う「四者協議」(国交省、空港会社、千葉県、地元九市町)において、空港会社は、「首都圏空港機能強化技術検討小委員会」が示した新滑走路案三案についての比較検討結果を明らかにした。三千五百メートルの「第三滑走路」を「B滑走路南側」に建設する案が有力とする説明を行なっている。今後は、この案をもとに騒音地域の住民への説明や騒音対策の検討などを進めるとしている。
 「第三滑走路建設」キャンペーンは、空港会社の焦りを如実に表わしているが、具体的な場所すら決まっておらず建設時期も二〇三〇年以降で、まさに反対同盟が言うように「荒唐無稽」な計画である。しかし航空機の騒音に苦しむ周辺住民の生活や、「第三滑走路」が作られることになれば移転を強制され、あるいは農地を失う地域住民の苦しみについて一顧だにしない空港会社は、徹底的に弾劾されなければならない。「第三滑走路」キャンペーンそのものが暴挙だ。
 空港会社と一体となって、空港利権にしがみつく千葉県、地元自治体の首長らの住民を無視したキャンペーン便乗も批判しなければならない。芝山町長相川や多古町長菅澤らは、早速滑走路の誘致を言い出し、地元振興策の要求を始めている。しかし騒音直下で日常的に航空機の騒音に苦しむ地域住民からは怒りの声があがっている。
 第三滑走路とともに、空港の機能強化策として、早朝・夜間の飛行禁止時間帯、午後十時台の発着回数制限の緩和が策動されている。空港会社はいずれは二十四時間化を狙っている。特にLCC(格安航空会社)の誘致に力を入れる空港会社は、早朝・夜間の発着枠を拡大し、さらにLCCの乗り入れを画策している。まさに地域住民を無視した「空港の機能強化」だ。
 空港の機能強化のために騒音被害が拡大するなか、反対同盟への共感が広がっている。反対同盟自ら地域に出かけていき、住民と交流し話をすることでたたかいの輪は広がっている。
 反対同盟とともに新たな空港反対運動を推進し、空港機能強化策を打ち砕こう。空港廃港に追い込もう。

 ●第3章 安倍政権打倒! 五月政治闘争に決起せよ

 3・27総決起集会への決起は、安倍政権打倒、辺野古新基地建設粉砕、原発再稼動阻止・福島連帯のたたかいと一体だ。3・27から連続した政治闘争に断固として立ち上がっていこう。
 第一に、五月伊勢志摩サミット粉砕闘争に立ち上がろう。サミット首脳会合は、帝国主義の首脳が集まって支配政策と利害を調整する場である。今回の伊勢志摩サミットの最大のテーマは「対テロ」戦争だ。世界各地で帝国主義の支配と搾取に対してたたかう労働者人民・被抑圧民族人民との連帯にかけて、サミット粉砕を高々と掲げて、国家権力の弾圧体制を打ち破って現地闘争に決起しよう。反帝国際共同闘争としてたたかおう。
 第二に、辺野古新基地建設を粉砕しよう。安倍政権の問答無用の基地建設強行に対し、沖縄人民は島ぐるみの闘争陣形を作り、キャンプシュワブゲート前での座り込み、海上での抗議行動、政府との裁判闘争をたたかっている。安倍政権の総力を上げた基地建設と真正面から対峙し、沖縄の誇りと未来をかけて立ち上がる沖縄人民に連帯し支え、たたかいぬかなければならない。辺野古派遣を全国で推進しよう。埋立工事を阻止しよう。
 第三に、原発再稼動を阻止しよう。安倍政権は、昨年鹿児島・川内原発の再稼動を強行し、今年一月にも福井・高浜原発を再稼動させた。原発の危険性を無視し、核武装と原発輸出のために原発を維持しようとしている。除染の終了を宣言し、帰還を推奨し放射能に汚染された福島で苦しむ人々を切り捨てる政策と一体に再稼動は今後も強行されてくるだろう。福島の事故を隠蔽し、原発の安全性をでっち上げる安倍政権を打倒しよう。再稼動を阻止し、改めて全原発停止―廃炉に向けてたたかおう。



 

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