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■南スーダンでの PKO「駆け付け警護」許すな 日帝―安倍政権は、戦争法十一法強行成立を受け、来年三月までの法施行にむけた準備を開始した。その初の適用を、南スーダンPKO派兵に「駆け付け警護」任務を追加して強行することを画策している。 現在南スーダンには、自衛隊三百五十名がPKO派兵されているが、防衛省は来年五月予定の隊員交替時(次の派遣予定は陸上自衛隊北部方面隊・札幌)に合わせた任務追加の検討に入っているのだ。 この「駈け付け警護」は、戦争法十一法の一つ、改悪PKO協力法に新たに付け加えられた。離れた場所にいる他国部隊や民間人などを、自衛隊員が武器を持って助けることを可能としたのだ。 具体的には、危険な状態に置かれたNGOなど民間人や他国軍を自衛隊が警護し、「武装勢力」が設置したバリケード破壊や発砲などが可能になるということだ。 もしこれが交戦中であったなら、自衛隊の「駈け付け警護」は「武装勢力」にとって、は「敵の援軍」として認識されることは間違いない。ここから自衛隊と「武装勢力」との本格的な交戦へと至る可能性は高いといえる。 日本国際ボランティアセンター(JVC)スタッフとして、南スーダンで難民支援施設の運営に関わっていた今井高樹さんは「駈け付け警護は日本のイメージを覆し、日本のNGOの安全も脅かしかねない」と人道支援活動への深刻な影響を危惧している(十月二十六日『東京新聞』)。 また南スーダンでは、政府軍・反政府軍ともに、兵員不足を補うために、少年を誘拐して強制的に兵士として戦闘に従事させている。国連児童機関(ユニセフ)は昨年一万二千人の少年が兵士にされたと推計している。南スーダン人民に対して、自衛隊が直接銃を向ける事態が訪れようとしている。 さらに今回の南スーダン派兵では見送られたものの、改悪PKO協力法改悪によって、「治安維持」のために監視や巡回、検問などを行う「治安維持活動」が業務として新たに加わっている。自衛隊が反政府勢力への鎮圧作戦に直接参加していこうとしているのだ。 これまでのPKO協力法において、自衛隊は「小型武器」を、自分自身や近くにいる者を守る場合に限り携行・使用することとされていた(自己保存型)。 しかし戦争法「成立」によって、武器使用基準が緩和され、任務遂行のため積極的に武器を使用する「任務遂行型」へと変更されたのだ。防衛省はこれに対応した部隊行動基準(ROE)改定作業に着手している。ROEは、敵国からの攻撃や緊急事態の際の武器使用の手順や権限などをマニュアルとして定めたものだが、公表されることはない。 さらには自衛隊法改悪によって、国連が主導するPKO以外の場合でも「任務遂行型」武器使用基準を適用されることになった。国外における誘拐、大使館占拠、ハイジャックなどへの対応が具体的に想定されているのである。 これらは、日帝が敗戦帝国主義としての制約を取り払い、自衛隊を帝国主義軍隊(外征軍)として派兵しようとするものに他ならない。地理的制約を取り払い、米帝など有志連合とともに、中東やアジアをはじめとしたあらゆる地域への「対テロ」戦争に参戦しようとする安倍政権の策動を粉砕していかなければならない。 今夏の戦争法案成立阻止闘争の地平を引き継ぎ、来年三月の戦争法施行を阻止しよう。 来年五月の陸上自衛隊北部方面隊(札幌)の南スーダン派兵を阻止せよ。 |
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