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   2015岩国行動の成功をかちとろう
  

   
  岩国労働者実に結集し反戦反基地闘おう

  


 「岩国米軍基地の大強化を許さず、戦争への道と対決しよう! 」と、来る十一月二十八日~二十九日に、今年で十回目となる「15岩国行動」が呼びかけられている。
 岩国・労働者反戦交流集会実行委員会とアジア共同行動日本連絡会議の共催による「岩国国際集会」と岩国米軍基地への抗議デモ、またミュージシャンの協力のもと沖縄のように岩国を平和の発信基地にしようと今年二回目となる「岩国☆希望の祭」も開催される。たたかう岩国住民に連帯して、15岩国・労働者反戦交流集会実行委員会とともに現地結集されるよう訴える。

  ●1章 岩国行動とは何か

 二〇〇五年十月の日米安全保障協議委員会による在日米軍再編計画によって空母艦載機移駐はじめ岩国基地大強化が発表された翌年二〇〇六年三月に、岩国住民投票がおこなわれた。投票率58・68%のうち反対四万三千四百三十三票・賛成五千三百六十九票と反対89%の圧倒的多数で「基地強化NO!」の民意が示された。
 そしてこの二〇〇六年の秋、岩国住民に連帯して全国各地から、そして沖縄やアジア各地から反基地活動家が集まり、アジアからの米軍基地総撤去を求める「国際集会」が開催された。これ以来、地元岩国の運動の高揚や困難局面にかかわらず、毎年十一月にはアジア各地や沖縄はじめ全国から結集して「岩国行動」が取り組まれ、今年で十年目を迎える。また、岩国・労働者反戦交流集会実行委員会は、最初の国際集会に参加した労働者・労働組合の呼びかけで、翌二〇〇七年から労働者反戦闘争の再生をめざし現地一日共闘として結成された。毎年呼びかけ人を募り実行委員会を結成して「岩国行動」に参加し、交流集会は今年で九回目となる。

  ●2章 岩国米軍基地と愛宕山を守る会の闘い

 岩国米軍基地は、山口県岩国市にある。旧日本海軍飛行場を戦後に米軍が接収したもの。いま自衛隊の海軍基地のある広島・呉に隣接し、面積五百七十五ha(甲子園球場百四十五個分の広さ)、日本本土で唯一の米海兵隊の航空基地であり、この間の米軍再編で二〇一四年普天間基地からKC―130空中給油機十三機が移駐配備され、二〇一七年には艦載機部隊五十九機が移駐すれば極東最大規模の米軍基地になるとされている。
 岩国基地を見おろす愛宕山を切り崩して、基地の沖合を埋め立てて新滑走路をつくり沖合移転することで、米軍機の爆音や事故被害を軽減するという名目で、またその後の新しい街づくりの中心にするとして愛宕山地域開発事業が始められた。ところが、沖合滑走路が完成するや、二〇〇八年五月に開発事業の突然の中止に続き、米軍再編による基地機能強化と愛宕山開発跡地への米軍住宅二百七十戸建設が発表されたのだ。
 これに対し、同年七月九日地元の自治会長ら十二名が中心となって「愛宕山を守る会」をつくり、米軍再編・米軍住宅を造らせない運動を開始した。同十四日には、これを支援するものとして「愛宕山を守る市民連絡協議会」が結成された。米軍住宅反対署名には岩国市民の三分の一が賛同し、大きな反対集会を開催した。
 しかし安倍の地元で保守県と名高い山口で、国・県・市を相手に困難な状況が続き、四つの裁判闘争をおこしてたたかいを続けてきた。それは、①二〇〇九年七月地元住民十九人が国を相手に、米軍住宅建設のために愛宕山開発事業を取り消した処分が違法として、「愛宕山開発事業認可取り消し処分取り消し請求訴訟(通称は山の裁判)」を提訴した。新住宅市街地開発法には中止の規定がないのにもかかわらず、愛宕山開発事業許可を取り消した処分は違法である。この裁判は、二〇一三年十一月に広島地裁が国土交通省の言い分を認める不当判決を下し、控訴審が今秋十月七日判決予定である。
 ②二〇〇八年には、「沖合移設事業埋め立て承認処分取り消し請求訴訟(通称は海の裁判)」を提訴した。防衛省による艦載機移駐を前提とした「埋め立て変更承認申請」を県が承認したことが、墜落と騒音の軽減という沖合移設事業の目的を逸脱しており、県を相手にその取り消しを求めた。この裁判は、国は悪いことはしないという前提で審理を避けた広島地裁判決を広島高裁が破棄し、最高裁で本年一月に確定した。
 ③二〇〇九年に、うるささ指数75W値以上の地域住民六百五十四名が国を相手に、飛行差し止め、損害賠償、厚木からの艦載機移駐差し止めを求めた「岩国爆音訴訟(通称は空の裁判)」。その後オスプレイの飛行禁止も求めている。今秋十月十五日には地裁判決が予定されている。
 ④「愛宕山開発等に関わる市長協議報告書非開示決定取り消し請求訴訟(通称はテーブルの裁判)」は、県と市が愛宕山再開発事業の跡地を国に売るにあたって、国側から民間空港と引き替えに愛宕山に米軍住宅を受け入れるように提案があったことについて、市民からの情報公開請求を拒否し全面非公開とした決定の取り消しを求めた裁判である。この行政訴訟は二〇一〇年十月一部開示の判決で確定した。
 このように、今秋十月七日に山の裁判の高裁判決、十月十五日に空の裁判の地裁判決が、連続して予定されている。さらに、来年一月には岩国市長選が迫っている。なんとしても勝利をかちとらねばならない。
 また、「守る会」は長期戦を見据え、二〇一〇年八月から、沖縄・辺野古の闘いに学び、愛宕山神社前での抗議・見守りの座り込みを毎月一のつく日におこない、現在もその集いを続けている。こうした岩国基地強化を許さない守る会と岩国市民の闘いを全国から支え連帯していこう。

  ●3章 「戦後七十年談話」を許すな!

 安倍は、戦争法案の強行採決に向けて八月十四日「戦後七十年談話」を閣議決定し発表した。これには、「積極的平和主義」のスローガンのもと改憲と戦争に国民動員する狙いがある。この談話の断罪されるべきことの第一は、「先の戦争」が侵略戦争であったことを否定していることである。「事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならない」として、談話全体の中で一箇所「侵略」の語句を並べているだけだ。これまで安倍は、侵略の定義は学問的にも国際的にも定まっていないとうそぶいてきたが、朝鮮・中国をはじめとするアジア・太平洋の民族人民に対して明確な謝罪や反省を一切明らかにしていない。
 第二は、「歴史の教訓」は、「敵として熾烈に戦った、米国、豪州、欧州諸国をはじめ、本当にたくさんの国々から、恩讐を越えて、善意と支援の手が差しのべられたおかげ」で「未来をつないでいくことができる」と言っていることである。
 安倍は、米国はじめ欧米帝国主義には降伏して国体護持と戦後の繁栄ができたという感謝の気持ちを明らかにしている。しかし、アジア太平洋地域の民族人民の抗日闘争への敗北は決して認めたくないのだ。
 第三は、「私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」と、謝罪の歴史に終止符をうち、侵略責任・戦後責任の清算を宣言していることである。
 第四は、談話の最後に、「積極的平和主義」を主張していることだ。戦争法と改憲を成し遂げ、「価値観を共有する国々と手を携えて『積極的平和主義』の旗を高く掲げ、世界の平和と繁栄にこれまで以上に貢献」すると言うが、それはかつての「大東亜共栄圏建設」「八紘一宇」「自存自衛」に替わる新たな戦争動員スローガンに他ならない。

  ●4章 新ガイドラインに基づく戦争法強行採決

 二〇一五年四月二十七日、日米安全保障協議委員会(2プラス2)で「二〇一五ガイドライン(日米防衛協力のための指針)」合意と「共同声明」が発表された。十八年ぶりのガイドライン改定について、カーター国防長官は「日米同盟を一変するものだ」と評価した。新ガイドラインには、二〇一四年七月一日集団的自衛権行使の閣議決定の中の「切れ目のない(シームレス)対応」のため、五段階の日米共同対処が明文化された。それは、①平時からの協力措置、②日本の平和及び安全に対して発生する脅威への対処、③日本に対する武力攻撃事態への対処行動、④日本以外の国に対する武力攻撃への対処行動、⑤日本における大規模災害への対処における協力、以上の5段階だ。その中でとくに、②において、一九九七年ガイドラインの周辺事態法の地理的概念を削除して、「重要影響事態」を想定すること、③において「存立危機事態」を新しく想定し、自衛隊法を改訂して集団的自衛権の行使を方針化した。こうして米側が「日米同盟のグローバル化」の実現と評価するように、自衛隊活動の地理的制約を取り払って地球規模での展開に踏み込んだ。この安倍政権の攻撃は、画歴史的な犯罪と言わなければならない。
 安倍は、新ガイドライン実施に必要な国内法改正を八月までにおこなうと米大統領オバマに密かに約束した。だからこそ、安倍は「戦争法案」の国会審議中「国民の理解は進んでいない」と認めながらも、怒りの抗議の全国百万人と国会包囲十二万人を前に「国民の理解は広がるだろう」と言い放ち、クーデター的に法案を成立させたのだ。
 岸田外務・中谷防衛の両大臣とケリー国務・カーター国防の両長官の「2プラス2」会合では、自衛隊任務の拡大とともに、在日米軍の強化が論議され、その具体的な増強計画が示された。その中においては、米海軍におけるP―8哨戒機の嘉手納基地配備、米空軍グローバル・ホーク無人機の三沢基地へのローテーション展開、改良された輸送揚陸艦グリーン・ベイ配備、及び二〇一七年に米海兵隊F―35Bの日本配備、また、二〇一七年までに横須賀海軍基地にイージス艦の追加配備、そして原子力空母ロナルド・レーガンの交代配備を、日本側は歓迎したと言っているのだ。
 そもそも日米安保条約は、本来活動地域を限定しており、第五条の日米共同対処は日本領域であり、第六条では在日米軍の基地使用は日本の安全に寄与する日本及び極東(フィリピン以北)とされている。しかし、米軍の一九九一年湾岸戦争に続く二〇〇三年イラク戦争では、横須賀を母港とする巡洋艦カウペンス・駆逐艦マケインが開戦時から巡航ミサイル七十発を発射している。空母キティホークの艦載機はペルシャ湾から五千三百七十五回出撃している。このように横須賀母港の艦艇は地域的制限を無視して地球規模の軍事展開をしてきた。その根拠は、一九九七年ガイドラインで極東からアジア・太平洋へと活動エリアを拡大し、今回の二〇一五年ガイドラインでは「アジア・太平洋地域及びこれを超えた地域」にさらに拡大して、日米安保条約の地域的制約は新ガイドラインによって有名無実化されてしまった。

  ●5章 「再均衡戦略」による在日米軍の再編強化

 米国オバマ政権は、二〇一二年一月「米国の世界的リーダーシップの維持:二十一世紀の国防の優先事項」と題する新たな「国防戦略指針」を発表した。これまでの「二正面戦略」を放棄して、台頭する中国への軍事的な包囲・対抗を基軸に、朝鮮民主主義人民共和国の軍事的挑発を抑止するために、アジア太平洋地域における米国の軍事プレゼンスの増強を図るという、世界支配の戦略的転換をおこなった。米国の利益は、西太平洋および東アジアからインド洋および南アジアに至るこの地域の発展と一体不可分とし、「米軍は…必然的にアジア太平洋地域に向けてリバランス(再均衡)を図る」とした。
 この「再均衡戦略」にもとづき、二〇一四年三月「四年毎の国防体制の見直し」で二〇二〇年までに海軍艦船の60%を太平洋地域に配備するという計画を確認したように、本年十月一日原子力空母ロナルド・レーガンが横須賀に交代配備され、海軍兵力の基軸である原子力空母十隻の配備体制は太平洋六対大西洋四となった。また、沖縄および日本「本土」では、沖縄の辺野古新基地建設や高江ヘリパット建設、普天間基地へのオスプレイ配備と沖縄―全国での飛行訓練、岩国での米軍住宅建設、京丹後のXバンドレーダー基地建設などが強行されてきた。米軍の再均衡戦略と15ガイドラインと対決して、沖縄と岩国-京丹後-神奈川を貫いて反基地闘争を全国で闘い抜こう。

  ●6章 集団的自衛権行使の戦争法を弾劾する

 二〇一五年五月十五日戦争法案が国会に一括提出され、九月十九日参議院で強行可決成立させられた。解釈改憲による集団的自衛権行使容認の閣議決定から、ガイドライン再改定をおこない、「戦争法」案の強行成立までわずか一年二カ月という、安倍のクーデター的な暴挙を許すことはできない。
 「戦争法」は、新法「国際平和支援法」の他に十の法律の一括改正である。
 ①「国際平和支援法」は、これまでのテロ対策特措法・イラク特措法・補給支援特措法という時限立法から、自衛隊派兵の恒久化のために新法として、海外で自衛隊が他国軍を後方支援できるようにするもの。
 ②「武力攻撃事態法」改定は、日本有事対応を、「存立危機事態」なる概念を持ち込んで集団的自衛権行使を悪無限的に拡大解釈するもの。  
 ③「重要影響事態法」は、朝鮮半島有事対応の「周辺事態法」を改定して、新たに「重要影響事態」なる概念を盛り込み、地域的な制約を無くし地球規模での自衛隊展開を可能とするもの。
 ④「PKO協力法」改定は、PKO以外にも自衛隊による海外での復興支援活動を可能にする。
 ⑤「自衛隊法」改定は、米艦防護や在外邦人救出を可能にする。
 ⑥「船舶検査法」改定は、重要影響事態で日本周辺以外での船舶検査を可能にする。
 ⑦「米軍等行動円滑化法」は、従来の「米軍行動円滑化法」を改定して、存立危機事態での米軍や他国軍への役務提供を追加する。
 ⑧「海上輸送規制法」改定は、存立危機事態での捕虜の取り扱いを追加する。
 ⑨「特定公共施設利用法」改定は、武力攻撃事態で、米軍以外の他国軍も港湾や飛行場などを利用可能にする。
 ⑩「国家安全保障会議(NSC)設置法」改定は、NSCの審議事項に存立危機事態などへの対処を追加する。
 この十一本の法律にぶら下がっている関連法十本があり、道路交通法・国際機関に派遣される防衛省の職員の待遇に関する法律・国民保護法・原子力規制委員会設置法、等々がある。来年三月までに関連法を整備し施行するという。

  ●7章 集団的自衛権発動の三要件の欺まん

 政府は、集団的自衛権について、武力行使の新たな三要件(すなわち①他国への武力行使で存立危機事態であること、②他の適当な手段がないこと、③必要最小限度の実力行使にとどまること)に従って判断し、集団的自衛権の行使は「限定的」であることを強調した。安倍は「政府が全ての情報を総合し、客観的、合理的に判断し、ただちに国会の承認を求める」と国会答弁した。しかし問題は、誰が「事態」を認定するかである。閣議決定では「国家安全保障会議(NSC)における審議等に基づき、内閣として決定を行う」としているが、実際には新ガイドラインで常設される日米両軍の「調整メカニズム」の中で軍事的に判断され、それを内閣は追認することになる。当然、特定秘密保護法により判断内容は明らかにされることはないだろう。戦争法の廃止を、全国全人民の力を総結集して断固かちとろう。

  ●8章 労働者が反戦反基地闘争を断固闘おう!

 戦争法廃止と安倍政権打倒の揺るぎない確信を、すべての労働者階級・市民のものへと組織していくことが大きく問われている。重要なのは、職場生産点における闘いと深く結びついた反戦・反基地闘争の組織化である。
 ベトナム反戦闘争以来の左派労働運動の再構築の一環として岩国・労働者反戦交流集会実行委員会の活動はある。岩国現地にたつ労働者実行委の一人ひとりの労働者は、自らの職場において生活できる賃金を要求し、使い捨て・いじめ・首切りに対して、経営・資本に屈することなくたたかい抜き、その中で連帯と団結心を作り出してきた自らの体験から、岩国住民の反基地の訴えを聞き、強い共感をもつことができる。
 岩国闘争は、住民投票に勝利したが、米空母艦載機移駐の中止ではなく、金目と嫌がらせの国家の仕打ちにあいながらも、住民は「岩国は負けない」とたたかい続けている。そして、労働者実の参加者は、貧困の出口を戦争にするな! 経済的徴兵制は許さない! 格差貧困を拡大し戦争できる国をめざす安倍政権を倒せ! 心の底からこの社会を変えたいと叫ぶことができる。
 国や資本の嘘やペテンとゴリ押し、仲間の裏切りと脱落、そして己の利己心と猜疑心を見据えたときに、分断と孤立の中から信頼と共感の団結の必要を確信できる。
 反対に、企業内でのパイの分配をめぐる賃金闘争では、生産性向上運動に容易に巻き込まれていく。制度政策要求のための選挙運動や代議士づくりに組合運動を切り縮めれば、政治活動が集票運動となり、代行主義と職場闘争の形骸化に陥る、これは歴史の教訓だ。
 首相安倍は、戦争できる「普通の国づくり」と「世界一企業が活動しやすい国づくり」は一体のものとしている。とくに、アベノミクス成長戦略の基軸が、労働者保護法制の全面改悪だ。非正規不安定雇用を全面化する派遣法改悪を強行し、労働時間規制の解体と、解雇の金銭解決の導入をめざしている。実質賃金が下がり続けている中で、増え続ける非正規労働者は、全体約四割で二千万人超、うち七割が女性労働者で、また年収二百万円以下が一千万人を超える。
 この貧困・格差の連鎖と拡大によって、閉塞感が青年学生をおおい、経済的徴兵制が現実のものとなりつつある。しかし、安倍を倒せと国会正門前に結集した青年学生の中には、沖縄・辺野古の闘いに参加しこれと一体に闘うとの実践的確信が広がっている。辺野古では、名護住民投票の勝利で示した民意が日本政府から無視され続けたが、人民は辺野古の浜に座り込み、工事強行にはカヌー隊を出し、海上工事やぐらの上に座り込み、そして基地ゲート前にとことん座り込んだ。
 同時に、名護市長選・市議選、知事選、衆議院選をオール沖縄のたたかいですべて勝利し、沖縄の総意を安倍政権に突きつけた。オール沖縄の先頭に立つ翁長知事は、九月ジュネーブの国連人権理事会総会においても「沖縄の米軍基地は戦後米軍に強制収用され沖縄が自ら望んで土地を提供したものではない、沖縄の人々は自己決定権や人権をないがしろにされている」と訴えた。
 翁長知事は十月十三日、辺野古埋め立て認可取り消しを決定した。沖縄戦と復帰運動の体験から、自分たちの未来は自分たちで切り拓く、沖縄差別は許さない基地はいらない、命どぅ宝という島ぐるみのたたかいに対して、「本土」のたたかいが問われている。
 戦争法案をめぐる議会内野党にみられる自衛隊合憲論容認、個別的自衛権賛成の「護憲」とは次元を異にするものだ。国会を包囲する青年学生のみならず、沖縄連帯と地元反基地闘争をたたかう労働組合員が、「他国の労働者に銃を向けることを犯罪とみなす」という精神を身をもって示し、たたかっていこうではないか

  ●9章 国際共同闘争で闘おう!

 岩国基地は、歴史的に朝鮮戦争・ベトナム戦争の米軍出撃基地であり、こんにちの再均衡戦略・15ガイドラインのもとで、朝鮮半島有事に対応した日米両軍の航空部隊の一大出撃拠点となる。
 二〇〇七年から始まった「岩国行動」は、「アジアからの米軍総撤収」がメインスローガンに掲げられてきた。これまで、韓国、米国、フィリピン、台湾、インドネシア、豪州などの反基地団体や反戦団体が参加している。それは、岩国基地問題がアジア太平洋諸国地域における共通の課題であるからだ。
 また、昨年より八月二十一日には「愛宕山見守りの集い」が開始された日を、毎年「岩国国際DAY」として、岩国基地問題が各国地域で広く訴えられている。
 本年第十回目の「岩国行動二〇一五」には、韓国から「平和と統一を開く人々(ピョントンサ)」やフィリピン新民族者同盟(BAYAN)」などの参加が予定されている。アジア重視を打ち出した米帝国主義は、ハワイ、グアム、沖縄―「本土」、韓国を貫く基地の再編強化を進めている。その中で、岩国基地大強化と、辺野古新基地建設は大浦湾の軍港化計画と一体であり、ともに決定的位置を持つものである。
 フィリピンでは、一九九〇年在比米軍の海空二大基地の撤去をかちとったが、いま比軍基地共同使用という形で、米軍再駐留が拡大している。アジア太平洋地域における米軍基地撤去にむけた国際共同闘争の重要性が高まっている。この共同闘争の実践の中から、侵略と植民地支配、差別抑圧と分断の歴史について学び、そして初めて真の国際連帯を作り出すことができるだろう。11・28~29「岩国行動二〇一五」へ総結集しよう!
 二〇一五岩国行動の成功をかちとろう! 労働者の団結で戦争法を廃止へ! 全国の闘う労働者の仲間は岩国労働者実行委員会に結集し、労働者の反戦・反基地闘争をともに闘おう! 働きやすい職場、生命と生活と平和のために闘う労働組合を全ての職場に作ろう!                  


 

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