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■オスプレイの横田基地配備を阻止せよ 2021年までに十機の配備計画 五月十二日午前、中谷防衛相は、米軍横田基地へのCV22オスプレイ十機の配備を正式発表した。二〇一七年後半に三機を配備し、二〇二一年までに七機を追加配備する計画だという。われわれは、この暴挙を弾劾し、配備を絶対に阻止しなければならない。 CV22オスプレイは、米空軍の特殊作戦機だ。すでに、アフガニスタン侵略戦争などで実戦に使用されている。レーダー監視網をくぐりぬけるため、高度数十メートルの低空飛行で敵地に潜入し、兵員をロープ伝いで降下させ、作戦を実行。その後に兵員を回収するのが主な運用形態だ。輸送機として使用される海兵隊仕様のMV22オスプレイと比較しても、CV22はより過酷な条件下で使用される割合が高いことは明らかだ。 また米軍は、CV22を嘉手納基地所属の米空軍第353特殊作戦群や、キャンプ・トリイの米陸軍第一特殊部隊群など、沖縄に配備されている特殊部隊の空輸に使用するとしている。 これは沖縄配備の特殊部隊と組み合わせた訓練のたびごとに、沖縄の米軍基地へと飛来するということを意味する。政府は今回初の「本土」配備決定が、「沖縄の負担軽減」であるかのように主張しているが、まったくのデタラメであることは誰の目にも明らかだ。 ●1 またも墜落・死傷事故 中谷防衛相は、「安全性は十分に確認されていると判断した」「首都圏にオスプレイが存在することは、わが国全体の安全保障に資すると同時に、首都圏直下型地震や南海トラフ地震などの大規模災害にも対応できる」などと五月十二日の記者会見で主張した。 しかし、この発表直後の五月十八日、米ハワイ州オアフのベローズ空軍基地で、オスプレイが訓練中に墜落し、一名が死亡、二十一名が病院に搬送された。のちに病院で一名が死亡し、死者は二名となった。 開発段階から事故つづきの、欠陥機オスプレイの危険性が改めて明らかとなったのであるが、中谷は、五月十九日の参院外交防衛委員会で、米政府から「設計に根本的欠陥があると疑う理由はなく、通常運用を停止させるべき理由は発見されていないとの説明があった」と発言。さらに同日の記者会見においても、機体の安全性を「現時点で政府としては保証する状況だ」などと言っている。 日本政府は、事故原因が明らかになっていないにもかかわらず、米軍の発表を追認し、「安全性」を強調することしかしていないのだ。機体の安全性は「政府が保証」などといっているが、具体的根拠を示していない。こんな口先だけの「保証」など一体誰が信じるというのか! 最新の事故率はMV22が十万飛行時間当たり二・一二であり、CV22は七・二一で約三倍の高さである。 かつて日帝政府は、沖縄・普天間基地へのMV22配備強行の際に、「CV22よりも事故率が低いから安全」だと主張し、配備を「正当化」したのだった。それでは今回のCV22横田配備は一体どう「正当化」するというのか! 説明などつくはずもない。 このことからも日帝政府が「保証」するオスプレイの「安全性」などは、その場しのぎの詭弁でしかないということが明らかである。 日米政府が否定するオスプレイの構造的欠陥は、すでに多くの専門家から指摘されている。同機は機体が重く翼が小さいため、エンジン異常停止時にヘリが用いる軟着陸機能(オートローテーション)がない。そのため、エンジンなどのトラブルは即墜落を意味する。 また、プロペラの回転軸を傾けた「転換モード」での事故も多発している。これは水平の飛行機モードと、垂直に離着陸する際のヘリモードとを切り替える途中のモードで、機体が不安定になり、急な気流変化などによって簡単に揚力を失ってしまうのだ。 つまり、オスプレイは操縦が複雑で難しく、一旦異常事態が発生した場合には、墜落してしまう危険性が非常に高いということだ。 横田基地は、東京都福生市など五市一町にまたがっており、滑走路の中心から半径三キロ以内には、小中学校など三十四校がある住宅密集地である。 沖縄普天間基地に配備されているMV22は、基地の上空以外でのモード切り替えをしないという約束を無視しつづけている。横田でも、同様の事態が起きることは火を見るよりも明らかだ。 また、中谷防衛相は十九日に「米軍と自衛隊との間で、CV22を利用した共同訓練が可能となる」と述べている。すでに米軍はCV22配備後に、低空飛行訓練や夜間訓練をする方針を明らかにしており、危険度がさらに増すのは必至だ。住民を爆音と危険にさらすオスプレイ横田配備を絶対に許してはならない。 ●2 沖縄―「本土」貫き米軍再編粉砕せよ 横田基地周辺の労働者・市民、自治体などにおいて配備反対の意志表示が開始されている。羽村市、立川市、福生市においては、配備反対決議があげられた。 六月二十日には、労組などが中心となり、オスプレイ横田配備阻止の闘いに起ちあがっている。 横田基地へのCV22オスプレイ配備強行策動は、日米政府による日本全土の軍事化に他ならない。戦争法案と一体に強行されている米軍再編攻撃を断固阻止していかなくてはならない。 沖縄(辺野古)―「本土」―アジアを貫く反戦反基地闘争として、オスプレイの横田基地配備阻止闘争を、現地闘争への決起を軸にたたかおう。 そして、京丹後Xバンドレーダー撤去闘争や、岩国基地大強化反対闘争など、全国の反米軍基地闘争を結合してたたかおう。 最後に、オスプレイ横田配備阻止の闘いを、安倍右翼反動政権による戦争法案阻止のたたかいと一体の反戦・反安保闘争としてたたかっていこう。 戦争国家へと強引につきすすむ安倍政権に、人民の憤はかつてないほどに高まっている。戦争法制反対闘争と米軍再編阻止闘争を一体のものととらえ、全人民的政治闘争としてたたかいぬいていこう。 戦争法案成立絶対阻止―日米安保粉砕をかかげ、オスプレイ横田基地配備阻止闘争に断固として決起しよう。 |
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