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■熊本・陸自大矢野原演習場 日米共同訓練にオスプレイ使用 抗議集会開かれる 十二月一日から十二日まで、熊本県山都町にある陸自大矢野原演習場でオスプレイを使った日米共同訓練が強行された。参加したのは陸自が四十二普通科連隊二百五十名、米海兵隊が二百五十名、総勢五百名規模である。狙撃訓練や夜間奇襲攻撃訓練など極めて実践的な侵略戦争場面を想定した日米軍事一体化を狙った演習である。このうちオスプレイが参加したのは七日から十日であり、演習場内の仮想敵陣地を迫撃砲などで攻撃し、敵を殲滅した後にオスプレイに搭乗した自衛隊・海兵隊の部隊が着陸し制圧するという筋書きで訓練は実施された。さらに八日、熊本空港に隣接した陸自ヘリ基地では、オスプレイを今後配備する予定の佐賀県や長崎県、地元熊本県下の首長たちなどを載せて体験飛行などのデモンストレーションが行われている。宣撫工作である。参加したオスプレイは当初二機の予定だったが、一機だけが岩国基地から飛来した。 これに対して地元熊本ではさまざまな抗議集会が開かれた。十一月二十一日には熊本市で「日米共同訓練に反対し、オスプレイの訓練基地化を許さない熊本大集会」が同実行委員会の主催で開かれた。夕方にもかかわらず県内外から二百名が結集し、大矢野原でのオスプレイを使った日米共同訓練に反対する声を上げた。 岩国集会が取り組まれている十一月三十日には、大矢野原演習場の地元である山都町の矢部保健福祉センターで「オスプレイ来るな!米海兵隊・自衛隊軍事演習反対九州ブロック総決起集会」が「オスプレイ配備撤回!低空飛行訓練反対九州ブロック連絡会」や地元矢部地区労などの主催で開かれ、四百名が九州各地・沖縄から参加した。 主催者挨拶は同連絡会の津留代表が行った。津留さんは最近の安倍内閣の戦争攻撃が日英同盟という集団的自衛権を根拠にして、第一次大戦に参戦した日本がアジア太平洋で領土を獲得した時代に戻りたいという願望を秘めていると批判した。次に発言した平和憲法を守る熊本県民会議の福島議長は「戦争準備のためには秘密保護法を作って真実の報道を隠すことがまず必要になる」と述べ、十二月十日から施行される秘密保護法を批判し、今回の訓練についても内容を国民に知らせない動きが強く、秘密法の先取りが始まっていると訴えた。 地元からは「暮らしに憲法を活かす町民会議」の中村さんが「九五年から日米共同演習反対を訴え続けてきた。しかしなし崩し的に地元がそれにならされてきていることも事実だ。慣らされてはいけない、演習に反対して、最後まで反対の姿勢を貫く」と発言した。 次に沖縄平和運動センターの大城さんはまず沖縄知事選勝利の報告をして、沖縄の現状を訴えた。オスプレイには「オートローテーション」機能が無く事故が起きたら即墜落する欠陥機だ。沖縄では米軍は訓練の制限事項を守らず、違反件数は年間三百件以上、夜間訓練もやり放題。これに抗議しても政府は「違反は確認できない」と開き直る始末。沖縄でも「本土」でもオスプレイも海兵隊も要らないと述べた。 そして自衛隊のオスプレイ基地にする計画が急浮上した佐賀空港の地元から参加した佐賀平和運動センターの野中さんは「七月末に急にオスプレイ配備計画が持ち上がり、八月二十五日にはもう防衛大臣が佐賀に来て、百九億円の予算をつけるという話が出た。佐賀県知事は受け入れ容認を強め、佐賀市長・市議会は反対という構図である。佐賀空港の利用便数は一日六便だが、オスプレイが来れば一日六十回の離着陸が可能という。周辺の環境破壊だけでなく、子供たちへの悪影響も心配だ。オール九州で頑張ろう」と訴えた。 集会終了後参加者は山都町の町中二キロをデモ行進した。 さらにオスプレイの訓練が始まった十二月七日には、地元の「平和ネット矢部」のメンバー十二人が演習場正門に行き、自衛隊責任者に対して抗議文を読み上げて手渡した。 |
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