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■迫り来る戦時政策の強化に抗し、 自立解放―日帝打倒をかちとれ 河原 涼 すべてのみなさん、日帝―安倍政権は、集団的自衛権の行使容認へとひた走り、改憲―戦争動員へむけた戦時統制を強引に労働者人民に強制している。 社会保障制度は、もはやセイフティネットとしての機能をもちあわせず、ただひたすら、規制緩和、目的化し、貧困、格差の拡大をさらに押し広げている。 特に、障害者総体、非正規雇用労働者、貧困層といった社会的弱者に階級的憎悪をもって襲いかかる安倍政権を、渾身打倒せよ! ●1 袴田さん釈放、再審勝利をかちとろう! 『東京新聞』(三月二十八日朝刊)によると、静岡地裁は、三月二十七日、一九六六年に起きた袴田事件の第二次再審請求で、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さんの再審開始と刑の執行、拘置の停止を決定した。 袴田さんは同日夕、釈放された。六六年八月の逮捕から約四十八年ぶりである。 静岡地裁裁判長は、拘置停止の理由を「長期間死刑の恐怖の下で身柄を拘束されてきた。これ以上拘置を続けるのは耐え難いほど正義に反する」とした。 袴田さんは、長時間の不当な取り調べの中で、嘘の自白を強要されたが、その自白させられた供述調書四十五通のうち、四十四通が証拠不採用だったが、たった一通のみが採用され、それによって、死刑判決の足がかりができたのである。 その一通の調書も、裁判所は当初から嘘の自白と認めざるを得なくなるほど、過酷な取り調べが行われたのである。 われわれは、袴田さんを犯人ときめつけた一切の根拠を弾劾しなければならない。 袴田さんは、長い獄中での生活で、拘禁性の病気を患い、獄中医療が殆どなされないまま、長期にわたり獄中にとらわれ続けたのである。 その理不尽さを断固弾劾し救援運動をつづけた多くの人々に連帯し、再審無罪をかちとろう! 三月三十一日 静岡地検は、再審開始を認めた静岡地裁の決定を不服として、東京高裁に即時抗告した。今後東京高裁に再審の審理が移る。 東京高裁に、検察側が隠し持つ、多くの証拠を一つも残さず全面的に開示させ、検察による再審開始決定に対する、抗告を退けさせよう! 一日も早く再審を開始させ、勝利をもぎとろう! ●2 「病棟転換型居住施設」のペテンを許すな 精神保健福祉法が、昨年六月に改正された。 そのなかで、厚生労働大臣が「精神障害者の医療の提供を確保するための指針」を定めることとし、その策定のために「精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会」が設置された。現在その議論が行われている。 昨年十月の同検討会で、「病棟転換型居住系施設」導入を求める声が飛び出しはじめた。 現在「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会」というかたちで議論がすすめられている。 五月十二日の段階で二回の検討会が行われている。 「病棟転換型居住系施設について考える会」の声明によれば、「病棟転換型居住系施設」とは、今ある精神科病院の精神病床を介護精神型施設、宿泊型の自立訓練施設などにしていくものである。 これは、日本における精神障害者が社会的入院という形で、精神病院に長年にわたり入院させられている実態を浮き彫りにさせるものである。 東京新聞によれば、世界の精神病院の入院患者ベッド数は約百八十五万床で、その五分の一の三十四万四千床あまりが日本に集中している。その大半が民間病院である。入院患者数は三十二万人。そして、それが民間精神病院の経営実態をささえている。病院側は、入院患者の地域生活への移行という口実で、病院をアパート等に改修して、病院の敷地内に住まわせ「退院」という大義名分を姑息に売り出そうとしている。精神病院への新しい形での隔離政策であり、地域への移行という方向性をねじまげ、精神医療とは無関係に経営の搾取の対象として精神障害者をとらえる事を、断固許してはならない。 精神障害者に差別医療を強制するだけでなく、ただ、住む場所を病院内敷地に移しただけで、「地域への移行」というペテンを弄すことを絶対に許してはならない。精神障害者を、骨の髄までしゃぶり尽くさんとするこうした差別施策を断固許すな! ●3 改悪生活保護法下、排外主義を許すな 生活保護法改悪案が昨年五月国会に提出されたが、昨年夏一旦廃案になり、昨年末政府案が再び提出され、与野党の修正合意のもとに、昨年十二月成立した。 当初の政府案は、申請時の書面提出、親戚や家族に扶養の義務を書面で通知するなど、制度の厳格化を盛り込んだものであったが、国会審議の過程で、「口頭申請も可能」と答弁するなど、かなりの修正をほどこさざるをえなかった。 しかし、そうした国会審議や大臣の認容採決を全く無視するかのように、二〇一四年二月二十七日付けで、「生活保護法施行規則の一部を改正する省令(案)」が厚労省、社会・援護局より出された。その内容たるや、与野党が合意した国会審議や政府側の答弁などを一切を無視した内容である事が、明らかになった。三月二十八日まで、厚労省の省令案に対する意見公募(パブリックコメント)が行われた。千百六十六件もの意見のうち、「国会答弁を守るべき」とか、「口頭申請が阻まれる」「扶養義務が強化される」といった危機感を表明する意見が多数寄せられ、厚労省は、省令案を大幅修正して四月十八日に公布せざるをえなくなった。 しかし、全国の自治体では、こうした省令案に先行して水際作戦を展開する事例が多数報告されており、断固許してはならない。 不正受給対策と密告奨励 二〇一四年三月、厚労省は、生活保護受給者数が過去最多の二百十六万七千二百二十人に達したことを公表した一方で、二〇一二年度の生活保護不正受給が過去最多の四万件―百九十億円に達したことを公表した。受給者数全体に占める割合としては一・八パーセント、金額は〇・五パーセントである。 しかし、厚労省はこれを口実に、「厳格な審査」キャンペーンを大々的に行い、改悪生活保護法下、「不正受給に関する通報制度」を独自に設け「密告」を奨励し、生活保護受給世帯への地域的な監視、包囲を巡らせている。 二〇一四年五月九日の段階で一二市に専用電話が引かれている。 二〇〇八年のリーマン・ショック後、片山さつき等の国会における不正受給バッシングが横行しはじめ、改悪生活保護法に「不正受給」防止と称する、福祉事務所の調査権限の拡大、扶養義務者に対する報告等が盛り込まれた。 不正受給対策と保護費抑制策が一部を除き今年七月から実施されるのも影響し、ホットラインを設置する自治体は徐々に増えている。 また、こうした密告奨励は、「資産を隠している」などの、排外主義を利用している。私有財産の保護を厳格に主張する資本主義体系の中で、保護の対象から滑り落ちた貧困層に対しては、身ぐるみを剥ぐおいはぎよろしく、凄まじい形でおそいかかる。隣組を彷彿とさせる地域監視網、排外主義的バッシングを絶対に許すな! ●4 医療介護法案審議入り断固許すな! 衆院厚生労働委員会は五月十四日、介護保険制度のサービスカットを柱とする地域医療・介護総合確保推進法案を自民、公明両党の賛成多数で可決した。 六月二十二日までの今国会中の会期内に成立させる方針だという。 医療法や介護保険法など国民の生活に深く関わる十九本の法改正を一括した法案で、野党側は「詰め込み過ぎ。審議時間が確保できない」と反発していた。 医療と介護の領域を一本化し、質の異なる分野を串刺しにして一元的に管理しようとするもので、雑な運営体系になることは間違いない。 内容は、要支援一、二の人向けの通所介護と訪問介護を二〇一五年四月から段階的に市町村に移行する。これは財政縮小を目的化するもの以外ではない。必然、地域間の格差、サービスの質の低下を誘発するもので、介護事業は、資本の側の意のままに翻弄される。 また、二〇一五年八月から、一定の所得がある人は、一割の介護サービスの負担を二割に引き上げる。特別養護老人ホーム(特養)の入所者への居住費や食費の補助も縮小する。一五年四月から、特養の新規入所者を原則として中重度の要介護三から五の人に限定する。軽度の要支援一、二のお年寄り向けの訪問・通所介護事業は国から市町村に移す。特別養護老人ホーム新規入居者は、原則として中重度の要介護三から五に集中させる、という内容が盛り込まれている。 負担を倍にし、サービスを半減して、社会保障制度の根幹を崩壊させる安倍政権を絶対に許すな! 安倍政権は、改憲―戦争国家化にむけた戦時体制づくりを、矢継ぎ早に推し進めている。 特に、社会保障制度を加速度的に崩壊させて障害者総体をはじめ、労働者人民に対する敵意をむき出しにしている。 そうした攻撃に断固立ち上がる闘いを、全国で巻き起こそうではないか! 山口における障害者解放運動の地域的取り組み、AWCを軸とした反戦反差別運動の推進、首都圏での様々な取り組みなどをさらに押し広げ、日帝打倒闘争をさらに推進しよう! |
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