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   7・29市東さん農地裁判不当判決弾劾

        裁判所に対し抗議のデモ・集会
     



 七月二十九日、千葉地裁において市東さんの農地をめぐる行政訴訟・農地法裁判の判決公判が開かれた。裁判長・多見谷は、空港会社の農地取り上げ請求を一方的に認める、不当判決を強行した。しかし、市東さんと反対同盟を先頭にした三里塚闘争をたたかう人民の怒りの前に、裁判長・多見谷は「仮執行宣言」をつけることはできなかった。
 全国から結集した労働者人民は、すぐさま不当判決弾劾のシュプレヒコールを千葉地裁に叩きつけ、抗議デモをたたかいぬいた。
 さらに、三里塚芝山連合空港反対同盟、反対同盟顧問弁護団とともに、不当判決弾劾集会をかちとり、市東さんと共に、農地を守り抜き控訴審に決起する決意を打ち固めた。そして、反対同盟と顧問弁護団は弾劾声明を明らかにした。
 (市東さん農地法裁判判決闘争の詳報は、次号に掲載)


 
■「農地明渡」反動判決に対し反対同盟・弁護団が弾劾声明

 
七月二十九日、千葉地裁・多見谷裁判長は、市東さん農地法裁判で、不当判決を言い渡した。三里塚芝山連合空港反対同盟と、反対同盟顧問弁護団は、すぐさま弾劾声明を発した。その弾劾声明を、編集局の責任で全文を掲載する。


                      二〇一三年七月二十九日

     三里塚芝山連合空港反対同盟  事務局長 北原鉱治
     三里塚芝山連合空港反対同盟顧問弁護団 事務局長 弁護士葉山岳夫

 二〇一三年七月二十九日千葉地方裁判所第三民事部多見谷寿郎裁判長は、①反対同盟員である農民市東孝雄さんが耕作する、成田市天神峰字南台と字天神峰の農地合計 七千二百八十四平方メートルを成田国際空港会社に対し明け渡せ、②天神峰土地上の共同出荷場、会議用の離れ、ビニールハウスなどを収去せよ、③市東さんが求めた千葉県知事の農地賃貸借解約許可処分を取り消せという請求は、棄却するという不当極まる反動判決を言い渡した。反対同盟と顧問弁護団は、市東孝雄さんと固く連帯してこの反動判決を満身の怒りをもって弾劾する。
 この判決は、第一に、憲法二九条、二五条、三一条に違反する判決である。空港会社の前身空港公団は、一九九三年六月収用裁決申請を取下げた結果、成田空港建設のための事業認定処分が失効し、土地収用法による農地などの強制的収用は、不可能になった。にもかかわらず本判決は、空港会社が千葉県知事による不当な農地法二〇条の解約許可処分を利用して小作農地を強奪するという法的根拠のない実質的な公用収用を容認し、かつ、市東さんの生存権を適正手続きなしに侵害するものであって、憲法二九条三項、二五条、三一条に違反する違憲きわまる判決である。
 第二に空港公団が旧地主から農地法五条、公団用地事務取扱規程に違反して、小作権者市東東市さんに無断で底地を、しかも敷地外の農地については、県知事の許可を得ることなく買収するという無効の土地売買を強行したこと、第三に、したがって、空港会社が農地所有者でないにもかかわらず二〇条を悪用して解約申し入れを行い、裁判所を法的根拠なく収用委員会代わりに利用して農地の強奪をはかろうとしたこと、第四に、千葉県知事が空港会社による偽造の同意書、確認書に基づくでたらめな許可申請について不十分きわまる審議しかせず、また、農地賃貸借契約の解約許可要件が具備されていないのにもかかわらず、許可を下すという重大な手続き違反、要件違反を犯したことなど空港会社、千葉県による違法行為のすべてを容認、追認、免責し、そのうえで農民を保護すべき農地法をもって現に耕作している農民に死を宣告したものというべきであり、一片の正当性、道理もない。
 九十年以上三代にわたって耕作してきた農地、しかも完全無農薬農業の農地は、三里塚農民市東さんの命である。
 なにものにも絶対に代えがたい農地を奪うことは、農民市東さんの命を奪うものである。多見谷裁判長は、人民に敵対する成田空港建設という国策に加担して、違憲、違法の累積した空港会社の請求を受け入れ、良心に反し、公正らしさをかなぐり捨てて、農民殺しの下手人に成り下がった。
 この判決は、裁判所が、ハブ空港の地位を羽田空港に奪われて焦りに駆られた空港会社の意を体して、安倍超反動政権による農民、労働者に敵対する新自由主義的国策の片棒を担ぐむき出しの暴力装置であることを自ら宣言したものというべきである。
 それにもかかわらず、多見谷裁判長は、仮執行宣言をつけることを断念した。反対同盟を中心として全力をつくした裁判闘争、署名運動、現地全国集会、千葉集会、デモ闘争、街宣活動は、ついに仮執行宣言を阻止した。
 この判決は、四十八年間にわたり、成田空港絶対反対、空港廃港、農地死守を掲げて闘ってきた三里塚芝山連合空港反対同盟に対する公然たる敵対攻撃である。
 反対同盟は、この攻撃を断固としてはねかえす。弁護団は、市東さんとともにこの不当極まる判決に対して直ちに控訴する。
 反対同盟は、市東さんをあくまでも守り抜き、反対同盟顧問弁護団とともに全国の労働者、農民、学生、市民と固く連帯した闘いを一層拡大強化して市東さんの農地を死守して、現地実力闘争の一環として控訴審闘争を闘い、これに勝利して、人民に敵対する成田空港を廃港にする日まで、徹底的に闘い抜くことを宣言する。



 

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