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   被爆68年、核兵器・原発・戦争・差別の無い世界の実現を!

  8・6広島青空式典に集まれ

          
侵略反革命と闘う被爆二世の会



 

 我々は、「8・6広島青空式典から9・6『山口のヒロシマ・デー』へ!連続行動実行委員会」の呼びかける8・6青空式典を断固支持する。広島・長崎へ原爆が投下されてから六十八年の歳月が経とうとしている今、生存被爆者の平均年齢は七十八歳を超えた。原爆被爆者や被爆二世(三世)にとって原爆被害は決して過去のものではない。現在もそれぞれの人生に心身両面で大きな影響を与え続けている。
 われわれは日本帝国主義に二度と侵略戦争を起こさせないために闘うことを改めて死者に誓う。また、これ以上原発や核兵器による核の被害を生み出さないために世界の民衆と連帯して断固として闘う。そして差別・排外主義者の妨害を許さず闘いぬく。
 以下、二〇一三年8・6広島青空式典の意義を提起する。

 ●1章 被爆の過小評価を許さず、全ての被爆者に国家補償に基づく援護を

 一九四五年八月六日広島、八月九日長崎に米軍が投下した原子爆弾によって、広島・長崎の街は一瞬にして破壊された。人々は熱線と放射線による被害を受け、爆心地付近にいた人のうち50%がその日のうちに亡くなったといわれている。生き残った被爆者も火傷や放射線障害で苦しんだ。翌月五日、英国のデイリー・エクスプレスは「最初の原子爆弾が街を破壊し世界に衝撃を与えた三十日後の広島では、人がなおも死んでゆく。無傷だった人さえもが、何か原因不明の理由で死んでいる」という記事を発表した。その翌日、米軍准将トマス・ファレルらは東京で海外の報道陣を対象とする非公式の説明会を開き「原爆で死ぬべき者は全員死んだ。現時点で放射能に苦しむ者は皆無だ」と述べた。しかし実際に米軍が被爆地を調査したのは説明会以降だ。また、米帝は同月十九日、「プレスコード(報道規制)」を敷き、原爆報道を厳しく取り締まった。プレスコードは、サンフランシスコ講和条約発効(一九五二年四月)まで続いた。米帝は、原爆被害の実相を隠蔽し、被爆の影響を過小評価しようとする一方で、「被曝退役軍人補償法」(REVC法、一九八八年に成立)により原爆投下から翌年の七月一日までに広島・長崎に駐留した軍人に補償している。
 原爆投下から十二年を経た一九五七年、日帝―厚生省(当時)は原爆医療法を制定する。一九六八年原爆特別措置法を制定。原爆被爆者はその後も、国家補償に基づく被爆者援護法の制定を求めて立ち上がるが、国家補償は骨抜きとなり、その二つを統合して一九九四年に被爆者援護法が制定された。その後も被爆者は何度も裁判を繰り返し、被爆者の現状に沿った被爆者援護法に改正させようとしている。今も長崎では被爆地の拡大を求める裁判が闘われている。長崎の被爆地は爆心からほぼ南北に半径十二キロ、東西に同七キロに設定されている。同じ十二キロで被爆していても東西側だと、被爆者とは認められず「被爆体験者」とされる。この裁判の争点は内部被爆や低線量被爆を国に認めさせることである。また広島では黒い雨を浴びた被爆者達が対象地域を現行の六倍に拡大して欲しいと求めている。原爆が投下された後、放射性物質を含む雨が広範囲で降った。現在、広島市の爆心地から東西約十一キロ、南北約十九キロで大雨が降ったとして無料の健康診断が受けられる援護対象地域に指定している。二〇一〇年七月、広島市や広島県などは独自調査に基づき現在の援護対象地域の約六倍の広さで黒い雨が降ったとして、対象地域の拡大を政府に要望した。しかし日帝-厚労省は黒い雨地域の拡大を見送り、国負担の相談事業を実施することでごまかそうとしている。在外被爆者は世界中のどの国に住んでいようとも、被爆者援護法の完全適用を求めて闘い続けている。被爆二世(三世)は日本―韓国を貫いて立ち上がり、被爆二世(三世)の健康不安を認め第五の被爆者として被爆者援護法を適用しろと、日帝―厚労省に要求し続けてきている。
 一九八〇年、厚生省(現厚労省)は「これ以上、もう被爆者は作らない。戦争の被害は等しく受忍せよ」という基本懇答申(原爆被爆者対策基本問題懇談会答申)を出した。この答申は日帝の被爆者棄民政策の表れだ。そのため、長崎の「被爆体験者」、広島の黒い雨の被爆者、被爆二世などへの援護が阻まれ続けている。しかし、われわれはこの壁を必ずや突破する。なぜなら、それが原爆被害の全体像を明らかにする闘いであり、二度と核の被害を繰り返さないために核兵器や原発を阻止していく力となるからだ。

 ●2章 原発の再稼働・新増設・輸出阻止、原発ゼロの世界を実現しよう

 二〇一一年三月十一日に起きた東京電力福島第一原発事故は、今も世界中の人々に原発があってはならない悪魔の施設であることを突きつけている。そして、原子力に「平和利用」などなく、原発が常に多くの被曝労働者を作り出してきたことも多くの人々が知るようになった。もう一つはっきりとわかったことは、原発が無くても、電気は足りているということだ。原発を使い続ける理由は、一切なくなった。
 ところが日帝―安倍は、福島第一原発事故が収束したかのように振舞い、トップセールスマンとして事故を経験した日本の原発は最も安全だと、ベトナムやトルコやアラブ首長国連邦やサウジアラビアなど多数の海外の国へ 輸出しようとしている。また、モンゴルのウランを買って原子力産業を永続的に続けようとしている。しかも、日帝―安倍は、日本の原発を再稼働させ、山口県に上関原発を新設しようとしている。
 原発がエネルギー問題のために必要なわけではないことはサウジアラビアやアラブ首長国連邦といった原油産出国までもが原発を欲しがっていることからも明らかになった。原発の本質は、プルトニウムの生成、つまり核兵器の材料を作る工場なのだ。
 この間、韓国でも台湾でもフィリピンでも日本の原発反対闘争に連帯し、それぞれの国で原発に反対し原発をゼロにする闘いが取り組まれている。モンゴルの民衆は首脳会談のためモンゴルを訪問した日帝―安倍に「ウランは売らん」「私たちは福島市民と連帯します」という横断幕を掲げ、抗議行動を行った。先日、泉田新潟県知事は県議会で「福島第一原発事故の検証・総括がないまま規制基準が策定されても、安全を確保することにはならない」と発言し、柏崎刈羽原発の再稼働に反対した。東京での金曜デモを始め各地で反原発運動は定着している。
 今こそ、日帝―安倍に五十八基の原発を国策として作ってきた責任を取らせなければならない。それには、一刻も早い脱原発日本の実現と原発被曝労働者や原発被曝者に、国家補償に基づく援護を実現することだ。
 私たち被爆二世も日本の民衆やアジアの民衆と連帯して、原発の輸出も再稼働も新増設も阻止する。われわれは世界中の原発をゼロにするまで闘う。

 ●3章 日米帝の戦争責任・戦後責任追及、アジア侵略反革命戦争攻撃許すな

 五月、韓国の中央日報の論説委員が、日本への原爆投下を「神の懲罰」とするコラムを書いた。私たちは原爆投下を肯定するこの記事は決して容認できない。しかし、日本が侵略した国々では原爆投下で戦争が終わり、日本の支配から解放されたと考える人々は多い。その原因は日本政府が未だにアジア侵略を否定しようとしたり、日本軍「慰安婦」制度等に真正面から向き合っていないからだ。日帝―安倍に戦争責任・戦後責任をきちんと取らせなければならない。原爆投下を戦争犯罪として断罪できていない最も大きな理由は、米帝が広島・長崎への原爆投下を未だに肯定し戦争犯罪と認めていないからだ。われわれは、米帝の広島・長崎への原爆投下が戦争犯罪であることを告発し、日米両帝国主義の侵略戦争策動を再び許さないために断固闘う。
 日米両帝国主義は沖縄民衆の怒りの声を無視し、辺野古新基地建設を強行しようとしている。そして、「空飛ぶ棺おけ」と呼ばれるMV22オスプレイの第二陣を米軍岩国基地へ陸揚げし新たに沖縄へ配備しようとしている。こんなことを絶対に許してはならない。米軍基地強化に反対する沖縄や岩国の民衆に連帯して米軍再編を許さず、共に阻止していく。岩国での愛宕山の米軍住宅を始めとする米軍施設建設を許さず、MV22オスプレイの全国各地での低空飛行訓練に抗議し阻止する。
 韓国や台湾やフィリピンの闘う仲間と共に、アジアから米軍基地を総撤収させよう!
 昨年も米帝オバマは臨界前核実験を繰り返した。また六月十九日に発表した国防総省の新指針で「核攻撃を抑止するためにのみ核を使用する」として、朝鮮民主主義人民共和国やイランを名指しし核兵器使用を宣言した。こんなことを許してはならない。米帝オバマの言う「核なき世界」はペテンでしかないのだ。もちろん朝鮮民主主義人民共和国の地下核実験にも反対する。核兵器は開発、実験段階で労働者が被ばくする。われわれはいかなる国の核実験も許さない。
 日帝―安倍は「村山談話」について、「侵略という定義は、学界的にも国際的にも定まっていない。国と国との関係において、どちらから見るかにおいて違う」と国会で答弁した。維新の会共同代表橋下は日本軍「慰安婦」制度を肯定する発言をした。また、日帝は国連で、南アフリカやスイスなどが発表した「核兵器不使用宣言」に賛同しなかった。その理由を「米国の『核の傘』に頼る安全保障政策と整合性がとれない」としている。しかも憲法九六条の改悪をテコに、憲法を改悪して国防軍を創設し、天皇を元首とする軍事国家に再び戻そうとしている。
 われわれに「核の傘」など必要ない!われわれに必要なのは核兵器も原発も軍事基地も無い世界だ。日帝による侵略戦争を否定する発言を許さず、労働者の国境を越えた団結の力で真の平和を実現しよう。

 ●4章 右翼差別排外主義勢力許さず、8・6広島に決起を

 近年、八月六日の平和公園で日本の核武装と原発の推進を推し進める集団が現れている。われわれは、こうした集団を決して許さない。核と人類は共存できない。皆さん、私たち原爆被爆者・二世(三世)と共に世界中から核兵器と原発(核)を廃絶しましょう!
 平和を願い亡くなられた被爆者(二世・三世)を慰霊するための8・6広島青空式典へ総力をあげ決起しよう!



 

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