共産主義者同盟(統一委員会)






■政治主張

■各地の闘争

■海外情報

■声明・論評

■主要論文

■綱領・規約

■ENGLISH

■リンク

 

□ホームへ

   沖縄反革命的統合40年糾弾!

   普天間基地即時撤去、新基地建設阻止、

     5・15沖縄―「本土」貫き闘い抜こう





 一九七二年5・15から四十年。日帝による沖縄反革命的統合四十年、沖縄を分離強行したサンフランシスコ条約六十年という歴史的節目を迎えた今年5・15沖縄解放闘争は従前にもまして重大な位置を占めている。日米安保の重圧の中、軍事植民地状態の現実は今なお何ら変わっていない。われわれは、自己解放を闘いとる沖縄人民と固く連帯し、沖縄―「本土」を貫いて5・15沖縄解放闘争の大爆発をかちとらなければならない。


 ●1章 「日米合意」踏みしだき米軍再編粉砕しよう

 5・15沖縄解放闘争の第一の任務は、破たんした「日米合意」路線を踏み砕き、米軍再編粉砕への大進撃をかちとることである。
 日米両政府は二月八日、在日米軍再編を見直す共同文書を発表した。二〇〇六年「日米合意」=米軍再編ロードマップ(工程表)では、①米軍普天間基地の名護市辺野古「移設=新基地建設」、②在沖縄米海兵隊約八千人のグアム移転、③嘉手納基地以南の米軍六施設・区域(牧港補給地区・キャンプ瑞慶覧など)の返還を柱とし、これらを「パッケージ」(一体)で進めるとしていた。したがって、日米両帝国主義の方針は「沖縄の基地負担の軽減」と称した辺野古新基地建設攻撃がすべての基軸であった。
 しかし今回の発表では、①普天間基地「移設」・辺野古新基地建設について「唯一の有効な進め方」などとあくまで固執する一方で、これまで「パッケージ」としてきた②と③を分離して先行し、具体的な協議を「今後数週間ないし数ヵ月の間」にするとした。
 昨年六月の民主党政権下での初の日米安全保障協議委員会(2プラス2)では辺野古「V字案」を確認したものの、これまでの合意であった「二〇一四年までの移設期限」を簡単に撤回した経緯があり、〇六年「日米合意」はすでに完全な破たん状態であった。今回の「見直し協議」は、日米両帝国主義者のさらなる敗北宣言に他ならない。
 それを課したのが、一九九五年10・21沖縄人民総決起を起点に開始された沖縄人民の反基地総反攻・島ぐるみ闘争であることは言を待たない。基地の「県内移設」を前提としたSACO(沖縄における特別行動委員会)路線を粉砕し、今また米軍再編路線の破産を突き付けた沖縄人民の闘いの勝利的地平である。われわれはこの点を第一に確認しなければならない。
 もちろん今回の「見直し合意の背景には、米帝国主義の財政破たんによる新たな軍事戦略の見直しがあることも押さえておく必要がある。その引き金となったのが、二年にわたり米政府予算案のグアム移転費を下方修正してきた米上院議会が昨年十二月、ついに二〇一二会計年度の移転経費を全額削除したことにある。
 米帝は、イラク・アフガン侵略反革命戦争の敗北によって生み出された巨額の国家財政赤字で、国防費を五年間で二十兆円減らし、陸軍と海兵隊を計九万二千人削減することを余儀なくされている。そのため、米帝の世界戦力をアジア太平洋地域へ転換し、対中国との新たな軍事外交路線、とくに海軍・空軍を重視した「エア・シーバトル」(空海作戦)を展開しようとしているのだ。
 米帝は、グアム移転を当初の八千人から約四千七百人に縮小し、残りの約三千三百人はハワイ、オーストラリア、フィリピンなどに「ローテーション」で分散移転するという。しかし、そもそも在沖米海兵隊の定員は一万八千人と公称されてきたが、実数は昨年段階で二万一千人に上り、定員を三千人上回っていることも暴露された。
 3・11東日本大震災における米軍の「トモダチ作戦」では、「普天間基地の位置が、第三海兵遠征軍の災害対応に極めて重要であることが証明された」(在沖米海兵隊)と在沖米海兵隊の存在意義を盛んにアピールした。しかし「トモダチ作戦」で前線拠点となったのは米本土から派遣され仙台沖で展開した原子力空母ロナルド・レーガンであり、マレーシア・ボルネオ島で訓練中の在沖第三十一海兵遠征部隊が強襲揚陸艦エセックスとともに移動し、「救援活動を開始したのは十一日後であった。まさに、「抑止力」「地理的優位性」論は全くの「方便だった」(元首相・鳩山)のである。
 まさに、「日米合意」=米軍再編で強調された「沖縄の負担軽減」など全くのお題目にすぎない。しかも米海兵隊のプレゼンス(存在)を「抑止力の維持」とする根拠もガタガタに崩れかけている。
かかる状況の中で、米帝は普天間基地・飛行場の補修工事を明らかにし、驚くべきことに二〇一二年度から八年間、総額約二百億円を日帝に要求している。全面改修の計画である。一九九六年十二月のSACO合意以降、約十六億円もの「思いやり予算」で普天間基地の補修・補強工事を行っているにもかかわらず、さらに推進しようというのだ。その反面、「普天間基地の固定化を回避するため」と称して、普天間基地返還が実現しないのは辺野古新基地建設を拒絶する沖縄の責任とばかりに論理をすり替え、新たなキャンペーンを展開し始めている。
 在沖米海兵隊の一部を米軍岩国基地へ移転する米帝案を、日帝側が山口県や岩国市の反発を理由に拒否したとされる問題は、沖縄に対するこの「普天間基地固定化」の恫喝であり、米軍再編粉砕と愛宕山売却反対を闘いぬく岩国市民との分断攻撃であり、本質的には日帝の沖縄に対する歴史的構造的差別=差別軍事支配の野望を自己暴露したものである。
 なお、二〇一〇年読谷村会場に九万余が結集して開催された4・25「県民大会」以降、沖縄人民の要求(スローガン)が「普天間基地を国外・県外へ」という形で総称されるようになった。これは鳩山・民主党が政権奪取した際の「普天間は国外、最低でも県外」という公約にその出自がある。
 戦後六十七年、軍事基地の重圧と人権無視の基地被害と闘いぬいてきた沖縄人民にとって、「基地の痛みを他の人々に押し付けない」という、この「命どぅ宝」「肝心(ちむぐくる=心の底から相手の痛みを自分の痛みとして感じ取る)」の思いを根底に、「普天間基地の即時撤去」と「基地のたらい回し反対」「基地の県内移設反対」を同時一体的に闘いぬいてきた。4・25大会が「米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と県内移設に反対し、国外・県外移設を求める県民大会」とあるように、「国外・県外」要求は沖縄人民の自己解放闘争の根源的要求の今日的表現であることと同時に、鳩山・管・野田の歴代民主党政権の裏切りと日帝の沖縄差別軍事支配を糾弾する要求であることを確認しておかなければならない。「『県外・国外移設』論という安保と戦争を容認するスローガン」だと短絡的に断定することは、沖縄労働者・人民の獲得してきた勝利的地平を何ら理解しようとしない没階級的主張である。
 同時に、それは当然にも、「沖縄に対する構造的差別だ」「日米安保が大事というなら、全国で負担を共有すべきだ」という形で、「本土」労働者・人民の決起を強く促す血の叫びであることに無自覚であってはならない。まさに「国外・県外」要求に内包された問題は、沖縄―「本土」を貫く階級的団結の中身と実践が問われているのだ。
 一方で、「県」知事・仲井真を筆頭に沖縄の自民党・公明党を含めこれまで辺野古新基地推進派も一斉に「国外・県外」を主張し始めている。二〇一〇年十一月の「県」知事選挙で仲井真は「公約」を「国外・県外」へと変更し再選を果たした。ただ仲井真は、「事実上、辺野古は無理」と繰り返すだけで「辺野古新基地建設反対」の明言は一切ない。今年二月の宜野湾市長選でも、従来の辺野古推進派候補が「国外・県外」で初当選した。選挙戦におけるプロパガンダ戦術の側面が色濃く現れているが、しかし実際的には階級的制動を果たす役割と比重も大きく占めている。
 沖縄基地問題は、日米両帝国主義―日米安保軍事同盟の根幹を揺るがす第一級の政治課題である。今後想定されるオスプレイ配備および「辺野古埋め立て申請」を巡る階級攻防の中で、われわれは沖縄―「本土」・アジア、沖縄―岩国・神奈川―韓国を貫く労働者・人民の固い連帯の闘いをAWC運動との連携で構築し、アジアから米軍基地を総撤収させ、安保粉砕―米軍再編粉砕! 普天間基地即時撤去・辺野古新基地建設絶対阻止! を闘いとろうではないか。


 ●2章 オスプレイ配備阻止、普天間基地撤去、新基地建設阻止

 5・15沖縄解放闘争の第二の任務は、現実的な闘争課題であるオスプレイ配備阻止・普天間基地即時撤去・辺野古新基地建設阻止・高江ヘリパッド建設阻止の闘いの勝利を決定的に刻印することである。

 ▼(一) 「埋め立て申請」提出を阻止しよう

 日帝―沖縄防衛局は、「県」庁が年末休業が翌日に迫った昨年十二月二十八日早朝四時、辺野古新基地建設に係る「環境影響評価書」を搬入する暴挙を強行した。「年内提出」の緊迫した情勢の中で、二十六日から連日多くの労働者・人民が「県」庁入口を包囲し、「評価書」提出を阻止する闘いを展開していた中でのまさに奇襲攻撃であった。怒りに満ちた沖縄人民は、「評価書」残部の提出を阻止するため年末・年始を返上して監視行動を継続し、また「県」知事・仲井真との大衆団交を実現し、仲井真をして「県外移設を求める立場に変化はない」との言質を引き出したのだ。
 沖縄人民の怒りと闘いを背景にした環境影響評価審査会での答申を基に「県」知事・仲井真は、二月二十日「飛行場」、三月二十七日「埋め立て」に関する意見書を出した。「飛行場」二十五項目百七十五件、「埋め立て」三十六項目、四百四件もの「不適切な事項」を指摘し、「評価書で示された措置では生活、自然環境の保全を図ることは不可能」とし、「移設は事実上不可能」とした。
 この辺野古アセスは、アセス法自体を空洞化させる違法なもので、「事前調査」「事後調査」「後出し」と、当初の過程から不当性を指摘弾劾されていた代物であった。特に隠し続けてきたオスプレイ機の配備については、在ハワイ海兵隊基地でのアセス実施とも比較され、日米での『二重基準』も暴露された。そもそも現行のアセス手続きに事業を止める効力(ゼロオプション)はなく、日帝国家権力にとってはアリバイづくりの一環でしかなかった。
 まさにその本音を露呈したのが、昨年十一月二十八日、「評価書」の提出時期を巡って「こらから犯す前に犯しますよと言いますか」と暴言を言い放った沖縄防衛局長(当時)・田中聡の女性差別・沖縄差別発言である。日帝は早期「更迭」で問題の鎮静化を図る一方、年末の提出強行という形で、日帝国家権力の本質を全面的に自己暴露し、その犯罪性を上塗りしたのだ。どうしてこのような横暴を許せるか! 辺野古断念要求をさらに突き付け、「日米合意見直し」の詭弁性を糾弾するとともに、年内にも予想される「埋め立て申請」提出阻止への大進撃をかちとろう。

 ▼(二) オスプレイ配備阻止に決起せよ

 同時に、沖縄―普天間基地への垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備阻止へ断固決起しよう。
 オスプレイ機の配備について沖縄防衛局は、オスプレイ配備を今回の「評価書」で初めて記載したが、すでに一九九六年段階から日米が協議しており、何と当時の防衛庁運用課長・高見沢は米側にその記録を隠ぺいするように要請していたことが暴露された。本年秋の配備について昨年六月米国防総省は公式に発表。従来国会等で「米国からの正式な伝達がない」として一切認めてこなかったことから一転、沖縄防衛局は「米政府から得た情報として」FAX文書一枚を「県」や宜野湾市、名護市などに送りつけるという茶番劇を演じた。
 オスプレイは試作・生産初期段階で重大な墜落事故を四回起こし、昨年四月にもアフガニスタンで死傷者を出す着陸事故が発生。それ以外にもエンジンカバーからの出火や故障による不時着などの事故が報告されている欠陥機だ。ところが、防衛省の事故率のデータでは、これらの事故を除外・隠ぺいしているのだ。そして、老朽化した現行のCH46ヘリより「安全で、一般的により静かで、相当に能力が高い」とし、単なる機種の「置き換え」と強調している。
 誰がこんなことを信じるというのか。辺野古新基地V字型滑走路、高江ヘリパッドはオスプレイ配備を前提としたものであることは明白だ。普天間基地の新たな危険性を倍増させる、基地機能の強化・固定化攻撃でもある。
このような中、三月三十日には普天間基地周辺の住民三千百二十九人が原告となり第二次普天間爆音訴訟に決起した。一次訴訟の約八倍の住民が原告団に結集したのだ。また、六月十七日にはオスプレイ配備に反対する宜野湾市民大会が開催されることが決定した。オスプレイ配備阻止闘争の大爆発をかちとり、普天間基地の固定化―辺野古新基地建設攻撃を粉砕しよう。

 ▼(三) 高江住民への不当判決弾劾

 三月十四日、日帝―那覇地裁(裁判長・酒井良介)は、沖縄防衛局が高江ヘリパッド建設反対運動の住民二人に対し「通行妨害禁止」を求めた訴訟の判決で、住民の一人に「将来においても妨害行為をするおそれがある」とする不当判決を下した。断じて許せない。この不当判決を満腔の怒りを持って徹底的に弾劾する。
 この裁判は、「スラップ(SLAPP)訴訟」といわれるように、国家権力が個人を相手どって正当な住民活動を弾圧する意図で起された徹頭徹尾反革命攻撃であった。そもそも、八歳の子どもを含む十四人の住民に対する「通行妨害禁止仮処分申し立て」自体からしてデタラメ不当なものであった。沖縄防衛局は、インターネット・ブログなどで抗議運動への参加を呼び掛けたことも通行妨害に当たるとする強弁していたのだ。弾圧以外の何物でもないことは当初から明白であった。
 判決は、「妨害予防請求は手段にすぎないと言うべきで、請求の内容から直ちに被告らの主張する恫喝目的がうかがわれるものではない」として反革命弾圧攻撃を擁護し、さらにあろうことか、住民が防衛局作業用トラックの通行を止めるために座り込んだことを「純然たる表現活動の範囲を超えている」としたうえ、「将来においても妨害行為をするおそれがある」として通行妨害禁止を出したのだ。
 沖縄において、反基地闘争の歴史は常に実力阻止闘争の質をもった闘いであった。恩納村都市型ゲリラ訓練施設建設阻止闘争、本部町豊原P3C通信基地建設阻止闘争、「象のオリ」土地奪還闘争、そして辺野古ボーリング調査阻止闘争等々、まさに今回の前代未聞の不当判決は、一人「高江」にかけられた弾圧ではなく、沖縄人民総体の闘いへの予防反革命攻撃である。われわれは、辺野古新基地建設阻止・オスプレイ配備阻止闘争との一体的重層的現地闘争の継続で高江ヘリパッド建設阻止闘争の大爆発をかちとり、この打ち下ろされた反動攻撃を木端微塵に粉砕しなければならない。


 ●3章 沖縄の自衛隊強化・日米軍事一体化攻撃と闘いぬこう

 5・15沖縄解放闘争の第三の任務は、自衛隊の与那国・宮古派兵・配備阻止を軸とした中期防―沖縄の自衛隊強化・日米軍事一体化攻撃と闘うことである。
 日帝―民主党政権は、二〇一〇年十二月に決定した新防衛計画大綱―新中期防衛力整備計画(二〇一一年~一五年)において、中国と朝鮮民主主義人民共和国を「不安定要因」とみなし「動的防衛力」の構築をかかげ、琉球弧諸島における自衛隊の軍事展開能力の強化を打ち出した。「たとえば、島嶼部が何らかの危機に陥った場合には、陸海空の部隊を迅速かつ機動的に統合運用し、即座に対応すること」(防衛省)とされる。実際中身は、宮古島・与那国島への陸自部隊配備、航自那覇基地の二個飛行隊化、PAC3(地対空誘導弾パトリオット)配備、早期警戒機E2―C・新型輸送機C―2の配備等々である。さらには、「緊急展開能力の向上」として、統合自衛隊の「本土」からの派兵をも打ち出している。まさに自衛隊の海兵隊化であり、沖縄の侵略反革命前線基地化への反革命計画である。
 とくに許せないことは、朝鮮民主主義人民共和国の「人工衛星」打ち上げを絶好の機会とし、この中期防路線を先行させ、一挙に沖縄を臨戦態勢におき戦争遂行体制の構築を狙ったことだ。
 日帝―防衛相・田中は、「衛星」発射に対し三月三十日破壊措置命令を発令した。すぐさま防衛省と自衛隊は、弾道ミサイルを迎撃する防衛(MD)システムとして、航空自衛隊のPAC3と、海上自衛隊の海上配備型迎撃ミサイル(SM3)搭載のイージス艦の展開に着手した。MDシステムは、日米共同開発として多額の費用を投入している日米軍事一体化の象徴的代物である。PAC3と機材・関連車両は、那覇港、石垣港へは民間輸送船を徴用して四月三日沖縄島と宮古島、五日には石垣島へ搬入された。首都圏でもPAC3を市ヶ谷の防衛省、陸自習志野演習場、同朝霞訓練場に配備した。佐世保基地所属のイージス艦「ちょうかい」と「きりしま」は沖縄周辺海域で、舞鶴基地所属の「みょうこう」は日本海で展開した。
 また自衛隊を那覇基地と知念分屯基地に計二百人、宮古島に二百五十人、石垣市には四百五十人。与那国町に五十人を派兵した。自衛隊基地のない石垣市では、PAC3を設置する石垣港近くの埋め立て地「新港地区」を占拠し陣地を構築。驚くべきは、民間地では初めての小銃や拳銃で武装した自衛隊員の「警備」、化学防護車・化学除染車も配備したのである。さらには、今年夏以降に運用開始を予定していた空自与座岳分屯基地の新警戒管制レーダーFPS―5を前倒しして使用するという、まさに「衛星」キャンペーンを最大限に利用して一大軍事作戦を強行したのだ。
 同時期に米韓両軍は、「フォールイーグル」演習を実施している。三月二十九日には、沖縄駐留の海兵隊三千人を含む在日米軍六千人と韓国軍三千人を動員し、韓国南東部浦項での上陸作戦を行って、共和国への軍事挑発を展開している。
 ところで、ものものしい「警戒体制」と「ミサイル落下」キャンペーンで危機感を煽り、この臨戦態勢を正当化した日帝国家権力であるが、射程距離半径約二十キロしかないPAC3での迎撃は実際上不可能であり、自衛隊も認めているところだ。しかも、「衛星」通過予定ルート帯にある宮古・多良間島は人口が少ないからPAC3を配備しないという防衛相・田中の発言でも明らかになったように、沖縄島北部や石垣島北部も「防衛」範囲から除外されており、「市民の生命を守る」というのも全く茶番である。
 PAC3沖縄配備攻撃に対して、搬入された那覇港・平良港では、民間港の軍事化を許さないとして全港湾・港湾労働者も決起した。また沖縄各地で労働者・市民によるPAC3撤去の闘いとデモが展開され、自衛隊強化・基地強化を許さない闘いが大きく燃え上がった。
 今、中期防での与那国島への自衛隊派兵・配備阻止闘争は重大な場面にさしかかっている。防衛相・田中は、「二〇一五年度末までに与那国への部隊配置を完了する」として、一二年度予算で用地取得費などとして約十億円を計上した。排外主義的釣魚台領土キャンペーンを粉砕し、与那国島住民、宮古島住民の決起に応え、沖縄の侵略反革命前線基地化―宮古島・与那国島への自衛隊派兵・配備阻止、基地建設阻止の勝利へ闘いぬこう。


 
●4章 沖縄戦の清算・歴史歪曲攻撃と対決し戦争攻撃を打ち砕こう

 5・15沖縄解放闘争の第四の任務は、かかる沖縄の軍事要塞化・侵略反革命前線基地化への強化と表裏一体的に仕掛けられている沖縄戦の清算・歴史わい曲攻撃と対決し、打ち砕くことである。
昨年八月、今年度から四年間使用する中学生公民教科書採択について、教科用図書八重山採択地区協議会は、「新しい歴史教科書をつくる会」分派の「教科書改善の会」が主導する「育鵬社版」を強行選定する暴挙に打って出た。だが、竹富町教育委員会は「育鵬社版」を拒否し東京書籍版を採択した。この事態の打開に向け、九月に三市町の教育委員十三人での全員協議会が開かれ、多数決で「育鵬社版」を不採択とし、東京書籍版を採択した。
 しかし、日帝―文科省はこの全員協議を無視、竹富町への教科書無償給与を拒否する敵対を全面化した。結局今年度は住民カンパにより購入したが、竹富町教委は無償給与を引き続き要求している。「育鵬社版」教科書採択を領導した石垣市教育長・玉津は、「新しい歴史教科書をつくる会」や「教科書改善の会」なる天皇主義・新自由主義史観者どものマニュアルに沿い、当初より現場教育労働者を排除した選定委員の入れ替えや順位付けの廃止、無記名投票の導入などを強権的計画的に準備していたのだ。
 さらに他方、仲井真「県」政は、首里城公園近くにある日本軍沖縄守備隊・第三十二軍司令部壕の説明板設置問題で、説明板設置検討委員会がまとめた説明文から「慰安婦」と「住民虐殺の記述を一方的に削除する暴挙を行い、設置工事を強行した。
 歴史を歪曲し、侵略戦争を正当化していく悪らつな野望を何としても許してはならない。とくに重要なことは、高校日本史教科書検定で沖縄戦「住民集団死」で日本軍による自決命令や強要を削除させた検定意見に対して、空前の十一万六千人が結集してかちとられたあの二〇〇七年「9・29教科書検定意見撤回を求める県民大会の地平を断固として継承・発展させることである。
 とくに本年十一月一八日、「全国豊かな海づくり大会」での天皇沖縄上陸攻撃が準備されている。沖縄反革命的統合四十年の仕上げとしての天皇制・天皇制イデオロギー攻撃の全面的打ち下ろしは、「愛国心」「忠誠心」を軸に沖縄軍事要塞化での戦争動員体制・戦争遂行体制への本格的構築攻撃である。共和国「衛星」問題や魚釣台領有問題での排外主義キャンペーンや「幸福の科学」を母体とする幸福実現党なる反革命宗派主義者どもの策動を打ち砕き、5・15沖縄解放闘争の爆発で、天皇沖縄上陸阻止闘争のうねりをつくりだしていこうではないか。
 5・15沖縄解放闘争の第五の任務は、これらすべての課題を闘いとるべく沖縄―「本土」を貫く5・15闘争に総力で決起することである。
 とりわけ、沖縄解放闘争―沖縄階級闘争の反帝国際主義としての内実をさらに強化・深化させるべく、AWC運動と固く結合し、アジア人民と連帯した米軍再編粉砕闘争の発展をかちとらねばならない。同時に、反原発・福島、反基地・沖縄との結合で「国策」を撃つ闘いを展開している三里塚闘争・三里塚反対同盟との連帯を強め、日帝打倒の実力闘争の陣形をさらに拡大していかなければならない。沖縄労共闘を先頭に、反革命的統合四十年糾弾! 「5・15政府式典」粉砕!沖縄解放―安保粉砕―日帝打倒―米帝放逐! の大爆発・大勝利をかちとろう。



 

当サイト掲載の文章・写真等の無断転載禁止
Copyright (C) 2006, Japan Communist League, All Rights Reserved.