共産主義者同盟(統一委員会)
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■2・13あいば野現地闘争に総結集を ●1 日米合同軍事演習の危険な内容 防衛省の広報によれば、二月中旬から三月上旬にかけて、滋賀県高島市の陸上自衛隊あいば野演習場において日米合同軍事演習が行われる。これがあいば野での十一回目の日米合同軍事演習となるが、二〇〇八年度・二〇〇九年度・二〇一〇年度と三年度連続の実施になり、明らかに演習の頻度があがってきている。あいば野演習場では、都市型戦闘訓練施設が増設され、また二〇〇九年春には隣接する陸上自衛隊今津駐屯地に新型地対空ミサイルPAC3が配備されるなど、ますますその重要性が高まってきている。今回の演習には、日本側は陸上自衛隊中部方面隊第十五普通科連隊一個中隊、アメリカ側は第三海兵隊後方支援群第九工兵支援大隊一個中隊が参加する。いつものことだが、合同軍事演習の内容は事前には公表されていない。 この間、日米両国は米軍再編・日米軍事一体化を通して、共同で侵略戦争を発動できる態勢をつくりあげようとしてきた。この動きには、二つの側面がある。第一には、米軍の配置と米軍基地機能を再編・強化し、米軍基地と自衛隊基地を一体化させていくことである。沖縄における辺野古新基地建設と自衛隊との共用化、岩国基地大強化、神奈川のキャンプ座間への米陸軍第一軍団司令部の移設と自衛隊の中央即応部隊の配備などである。第二には、日米合同軍事演習を通して、実際に共同で侵略戦争を発動できるように米軍と自衛隊を一体化させ、とりわけ自衛隊を侵略の軍隊として鍛えあげていくことである。新基地の建設・基地機能の再編強化と日米合同軍事演習の実施は、米軍再編・日米軍事一体化にとって、車の両輪という関係にあるのだ。 あいば野でくり返される日米合同軍事演習は、日米ともに数百人の部隊が参加するもので、規模的には決して大きくはない。しかし、その演習は日米両軍にとって重要なものである。数年前に、演習の内容の一部がマスコミや周辺自治体の関係者に公表された。それによれば、この数年のあいば野での日米合同軍事演習の中心は、都市型戦闘訓練施設を用いた日米両軍による都市の制圧のための訓練である。あいば野演習場の都市型戦闘訓練施設とは、演習場のなかに銀行・官公庁・レストラン・民家・地下道など都市のさまざまな建物を模したコンクリートの施設をつくり、それを使って潜伏する敵を発見・掃討し、その地域を制圧していく訓練が実施できるというものである。二〇〇四年のイラク戦争の開始直後から全国各地の演習場内で建設が開始され、現在、滋賀県あいば野演習場、宮城県王城寺原演習場、静岡県東富士演習場、福岡県曽根訓練場、宮崎県と鹿児島県にまたがる霧島演習場の五カ所に設置されている。これらの経過から、イラクにおいて米軍と自衛隊が共同で敵の掃討、都市の制圧のための戦闘を行うことを想定し、都市型戦闘訓練施設の建設が開始されたことは明らかである。日米合同軍事演習では、イラク・アフガンで実戦経験を積んできた米海兵隊が自衛隊を徹底して鍛え上げ、実際に海外において米軍とともに都市での戦闘をたたかうことができる部隊へと形成していくことがもくろまれてきた。自衛隊がイラクから撤収したにもかかわらず、あいば野での日米合同軍事演習はさらに頻繁になってきている。それが、アフガン戦争や朝鮮民主主義人民共和国への侵略戦争において、日米両軍が共同で戦闘を行う事態を想定したものであることは明らかである。 ●2 反帝国際主義の旗かかげ、現地闘争を領導しよう 昨年、朝鮮半島・東アジアでの軍事的緊張が一挙に高まった。とりわけ延坪島砲撃戦は、朝鮮戦争がなお終結してないことをあらためて突きだした。このもとで、米韓・日米合同軍事演習があい次いで行われ、米日韓軍事一体化が急速に進行してきている。とりわけ、昨年十二月三日から行われた日米統合軍事演習には、日米両軍から約四万四千人、艦艇約六十隻、航空機約四百機が参加し、史上最大規模の日米合同軍事演習となった。このような第二次朝鮮戦争前夜とも言える情勢のなかで行われるあいば野での日米合同軍事演習に対して、われわれは以下のような政治的立場で断固としてたたかうことを呼びかける。 第一には、朝鮮民主主義人民共和国への侵略戦争、そのための米日韓軍事一体化に反対し、朝鮮半島平和協定の締結・米軍の東アジアからの総撤収を要求してたたかうことにある。朝鮮半島・東アジアの軍事的緊張の主要な根拠は、朝鮮戦争がなお終結しておらず、アメリカを中心とした共和国への軍事的包囲と戦争態勢が強化されてきたことにある。この事態を根本的に転換させていくには、朝鮮半島平和協定の締結を要求し、在韓米軍をはじめとした米軍の東アジアからの総撤収を実現していくことにある。われわれはこのような立場から、第二次朝鮮戦争前夜とも言える情勢に主面から対決していかねばならない。 第二には、米軍再編・日米軍事一体化を推進し、日米同盟の飛躍的強化と日本の戦争国家化の道を突き進む菅政権と正面から対決するたたかいとして組織することにある。民主党政権は、昨年五月二十八日の日米合意をもって米軍再編・日米軍事一体化の推進へと転換した。緊迫する朝鮮半島情勢をめぐっても、米韓合同軍事演習への自衛官の参加、韓国との物品役務相互提供協定(ACSA)締結の動きなど、米日韓軍事一体化を推進していこうとしている。そして、集団的自衛権の行使に大きく踏み込む「新防衛計画大綱」制定から5月菅訪米・日米首脳会談による「日米新安保宣言」の公表など、日米軍事同盟の飛躍的強化と日本の戦争国家化に向かおうとしている。このような菅政権の打倒を掲げ、民主党政権と正面から対決していかねばならない。 第三には、韓国・アジアの民衆、沖縄・岩国・神奈川の反基地運動に連帯するたたかいとして組織することにある。朝鮮半島情勢が緊迫するなかで、韓国の反基地運動や第二次朝鮮戦争に反対する韓国の民衆のたたかいとの連帯がますます緊要の課題となってきている。われわれは、昨年を通して韓国・クンサンの反基地運動との連帯を発展させ、朝鮮半島平和協定実現要求署名への取り組みを開始し、AWC・CCBの開催や岩国国際集会などを通してアジアからの米軍総撤収に向けたたたかいを大きく発展させてきた。この地平をあいば野集会のなかにおしだし、韓国・アジアの民衆に連帯する国際主義にもとづくたたかいとして組織していかねばならない。また、今回のあいば野集会には、メインゲストとして岩国から「愛宕山を守る会」代表世話人の岡村寛さんが参加する。日米同盟の飛躍的強化や日本の戦争国家化と対決するたたかいの決定的な攻防環は、沖縄・岩国・神奈川を焦点とする米軍再編・日米軍事一体化とのたたかいにある。岡村さんからの訴えと結合し、岩国基地大強化・愛宕山米軍住宅建設と対決する岩国のたたかいへの連帯をおし広げていく機会として組織していかねばならない。 日米合同軍事演習に反対するあいば野集会は、一九九七年にアジア共同行動・京都のアレンジによって京都、滋賀、大阪、兵庫、奈良の五府県共同闘争として成立して以降、全関西的なたたかいとして取り組まれてきた。二月十三日の集会は、前二回と同様に平和フォーラム関西ブロックと「あいば野に平和を!近畿ネット」の共催で開催される。この近畿ネットは、三年前に平和フォーラム関西ブロックと集会を共催するにあたって、関西の左派労働組合・市民団体などが形成した枠組みである。新たに二団体を加え、現在の近畿ネットの呼びかけ団体は、滋賀から憲法を生かす会・滋賀、全交・滋賀、京都からアジア共同行動・京都、反戦反貧困反差別共同行動(きょうと)、大阪からしないさせない戦争協力関西ネット、兵庫から兵庫社会労働運動センター、平和のための市民行動、尼崎からいやや戦争!尼崎市民の会、奈良から憲法を生かす奈良県民の会の八団体となっている。 以上の経過をふまえ、われわれは二月十三日のあいば野集会の成功のために努力し、全関西的な総結集を実現していくために奮闘する。あいば野に総結集し、反帝国際主義派としてこのたたかいを領導していこうではないか。 【闘争要綱】 名称:日米合同軍事演習反対!2・13あいば野集会 日時:二〇一一年二月十三日(日)午後一時三十分開場 午後二時〜三時十分集会 集会後デモ 会場:高島市民会館 JR湖西線近江今津駅東口から徒歩5分 主催:あいば野に平和を!近畿ネットワーク フォーラム平和関西ブロック ゲスト:岩国から 岡村寛さん(愛宕山を守る会代表世話人) |
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