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  民主党の障害者政策に抗し、

    解放運動における綱領的確信をつかみとれ

                             河原 涼



 五月二十八日に民主党、公明党の統一案としてあらたな支援法改正案が提出された。この過程において、障害者が参加する障害者制度改革推会議の議論を経ずして改正案が提出された事に対して、推進会議に参加している当事者から「障害者団体の声を無視」したとの批判が相次いだ。この改正案は廃案になったものの、推進会議の存在意義すら無視する民主党の障害者政策が浮きぼりになった。
 一方、民主党政権は六月二十二日、「地域主権戦略大綱」を閣議決定している。民主党の障害者政策は、競争原理をあおりながら格差の拡大を常態化させるものであることがいよいよ明らかになった。労働者人民の社会保障政策、生活全般は、福祉資本の利害にゆだねられ、翻弄される事となる。障害者総体は、まさにその最底辺で、生き死にを強制されるのだ。民主党の政策に断固反対し、障害者解放運動の綱領的確信を実践的に獲得しなければならない。


 ●第一章 「地域主権戦略大綱」弾劾

 四月二十七日、先の参議院選挙の前の国会、厚生労働委員会において、自民党、公明党による障害者自立支援法改正案が提出されたが、五月二十六日に民主、社民が提出した改正案とともにとりさげられた。五月二十八日に民主党、公明党の統一案としてあらたな支援法改正案が提出された。衆議院でこの法案が通過する。この過程において、障害者が参加する障害者制度改革推会議の議論を経ずして、改正案が提出された事に対して、推進会議に参加している当事者から「障害者団体の声を無視」したとの批判が相次いだ。
 六月十七日国会閉会に伴い、この改正案は廃案になったものの、推進会議の存在意義すら無視する民主党の障害者政策が浮きぼりになった。
 こうした批判に対して民主党菅政権は、六月二十九日、「障害者制度施策見直しの基本方針」を閣議決定した。
 六月二十九日共同通信(ネット版)の報道によれば、「障害者権利条約の批准に向け差別の禁止を強調し、改革の工程を明示したのが特徴」という。
 これは、民主党による障害者政策に対する批判を、「障害者権利条約の批准」をうたうことで、批判をかわすという形になったものである。
 一方それに先駆けて民主党政権は、二〇〇九年十一月、「地域主権戦略会議」の設置を閣議決定し、以来議論を重ねながら、二〇一〇年六月二十二日「地域主権戦略大綱」を閣議決定している。民主党の障害者政策は、この「地域戦略大綱」により、欺瞞に満ちたものである事が暴露されている。「大綱」は、小泉政権をしのぐ具体性をもって構造改革路線を浮き彫りにさせ、あらゆる政策の地方行政への権限委譲を推進し、競争原理をあおりながら格差の拡大を常態化させるものである。特に社会保障制度全般を市場原理の中に位置づけ、福祉政策を商品化させようとしている点が顕著である。労働者人民の生活は、福祉資本の利害にゆだねられ、翻弄される事となる。障害者総体は、まさにその最底辺で、生き死にを強制されるのだ。
 六月二十三日「地域主権戦略大綱を閣議決定」と題するニフティニュース(インターネット版)によれば、「政府は六月二十二日、国から地域に対する自治事務の義務付け・枠付けの見直しや基礎自治体への権限移譲を盛り込んだ地域主権戦略大綱を閣議決定した。戦略大綱は、当面講じるべき必要な法制上の措置などを定めており、向こう二―三年の改革の取り組みの方針が示されている。政府はこれに基づく改革の成果を踏まえ、二〇一二年夏をめどに「地域主権推進大綱」(仮称)を策定する方針だ」という。これは職員の人件費を地方自治体が負担するということを考えれば一目瞭然、地方自治体の経済体力差による社会保障格差が確実におきる。先にあげた「制度改革推進会議」の理念の形骸化がはっきりしていることとあわせ、民主党の社会保障政策における市場原理の導入のさらなる徹底が進み、構造改革化が進む事になる。社会保障制度は空洞化する。
 地域主権戦略大綱の大枠は、「第一地域主権改革の全体像」「第二義務付け・枠付けの見直しと条例制定権の拡大」「第三基礎自治体への権限移譲」「第四国の出先機関の原則廃止(抜本的な改革)」「第五ひも付き補助金の一括交付金化」「第六地方税財源の充実確保」などとなっている。最後に「別紙一」「別紙二」として、権限委譲などの具体的な法律別に振り分けられた項目があげられている。別紙一には「義務付け・枠付けの見直しと条例制定権の拡大の具体的措置(第二次見直し)」とあり、「施設、公物設置管理の基準の見直し」と称して二十七項目があげられている。
 そのなかでの社会保障関係を抜粋すれば、医療法関係において「病院等の病床数算定に当たっての補正の基準」、あるいは、「病院及び診療所の既存病床数を算定する場合の介護老人保健施設に係る入所定員数に関する基準(七条の二第五項)」「病院の従業者に関する基準のうち、医師及び歯科医師以外の従業者の配置に関する基準(二一条一項一号)」並びに「病院の施設に関する基準(二一条一項一二号)」などを、都道府県が制定する条例に委任するとしている。
 これらは、いずれも医療法において定められた基準であるが、医療法二一条は病院などの設置基準の最低基準をうたっているものだ。厚生労働大臣が定める最低基準の実体的な運用において、都道府県の条例にその基準を移す事により、複数の基準が都道府県によって生じる可能性があるという事である。「生活保護法管轄下の設備、運営に関する基準」は、都道府県、指定都市、および中核市の制定する条例に委任するとされるが、これらも生活保護法第三九条において、保護施設の基準が「厚生労働大臣の定める最低の基準以上のものでなければならない」とされているものを、あえて地方自治体の基準にゆだねている。社会福祉の施設の運営なども同様である。
 障害者自立支援法においては、「施設、公物の設置管理の基準の見直し」「協議、同意、許可・認可・承認の見直し」として「指定障害福祉サービス事業者の指定に関する基準のうち、申請者の法人格の有無に係る基準(三六条三項一号)」を都道府県条例に委任するとされている。さらには、「基礎自治体への権限移譲の具体的措置」として都道府県知事が処理していた「有料老人ホーム設置の届出受理、立入検査、改善命令」、「指定居宅サービス事業者等の指定等、報告命令、立入検査等」「指定障害福祉サービス事業者等の指定、報告命令、立入検査等」については、「指定都市及び中核市へ移譲する事務」としている。
 いままで、都道府県の長、あるいは指定都市及び中核市の長が処理していた「身体・知的障害者相談員への委託による相談対応、援助」について「すべての市町村へ移譲する」としている。「社会福祉法人の定款の認可、報告徴収、検査、業務停止命令等」の事務については、「すべての市へ委譲する事務」とし、「都道府県知事並びに指定都市及び中核市の長」から権限を委譲することをあきらかにした。


 ●第二章 自立支援法をめぐる情勢

 自立支援法の本質的な性格は、支援費制度の施行以来進められてきた障害者福祉事業に市場原理を導入し、障害者福祉政策を確実な収益を上げられる福祉事業として細分化して創出し、福祉資本の参入をはかりながら、民営化することにある。本紙二〇〇九年五月五日号の記事「日帝の構造改革路線を粉砕せよ!戦時障害者抹殺攻撃を打ち砕こう!」の中で、その事を明らかにした。それは、小泉政権以来押し進められてきた構造改革、民営化路線を踏襲するものである。
 民主党の政権下おしすすめられようとしている「地域主権」の名を借りた構造改革路線は、小泉政権のそれを遥かにしのぐ具体性をもった政策として、着実に地方行政の財政政策に浸透している。地方行政を破滅的な生き残りをかけた競争の場に陥れようとしている。
 「地域主権戦略大綱」のなかで明らかにされた障害者政策は、施設運営、管理の権限を都道府県別にふりわけ、福祉サービス事業者の指定、(選別)立ち入り検査等の権限を地方に委譲して細分化し「福祉商品の細分化」を図ることである。そうすることで「福祉事業者への細かい配慮」を売りにしながら、行政が与えられた厳しい財政事情の中で、福祉産業と結託して、社会保障ビジネスを推進していく構造へと押しやられていくのである。
 必然、障害者は、社会の主人公としての位置を剥奪せんとする階級的攻撃の激化にさらされる。福祉ビジネスの中での商品の一部としての位置を強制され、「障害者の生き死に」を商品の一部として差し出されるのである。
 地方の経済力格差を前提に、生まれた地域、生活する場によって、質の違う福祉サービスを受けさせられ、事業者の採算の範囲内で提供されるサービスに甘んじなければ、介護すら受けられないような現実が、既に強制されているのである。
 二十四時間介護が必要な重度障害者でも、十二時間の訪問介護の提供しか決定しないような市町村はいくらでもあるが、そうした自治体の意向に添った事業者を指定し、昼は通所、夜は数時間の介護しか提供しないプランを作成し、それをもとに支給決定をすれば、障害者が相談員にいくら交渉しても、「プランは専門家が作ったのだから」と足蹴にする、という事が現実におこっているのである。
 東京の大田区の鈴木氏の介護保障をめぐる訴訟は、その一例である。
 自立支援法は、障害者が作業所の工賃だけでは元々生きていけないとわかっていながら、なおかつその工賃すら「自己負担金」で相殺し、かつそれにあきたらず、支給された年金をむしりとる。そして障害者の生活総体を介護サービスの市場に売り出し、障害者に「商品」に付随する位置に甘んじることを強制するものである。
 二〇一〇年四月以降、通所サービス、ホームヘルプサービスを利用する障害基礎年金一級、二級の障害者に対しては、自立支援法の見直しの動きの影響のなかで、サービスに対する自己負担がなくなり無料となった。しかし、障害者にとって自立支援法は、依然過酷で理不尽なものであり、反人間的、反労働者的、反障害者的な差別法以外ではない。
 二十四時間介護を要する重度障害者の介護についても一貫した介護体制をとるのではなく、昼と夜のサービスを組み合わせ、それぞれのサービスは別の事業者への委託として行われる。
 福祉事業者の商品としての福祉サービスが、障害者の地域生活を切り刻む。障害者自身が何を訴えているのか、何を必要としているのかということは全く考慮されず、その「商品」に合うか否かでしか障害者の生活は評価されない。
 民主党の障害者政策の欺瞞性、差別性を明らかにし、徹底して弾劾していかなければならない。


 ●第三章 医療観察法施行五カ年弾劾

 医療観察法は、二〇〇三年七月に国会において成立が強行され、二〇〇五年七月十五日に施行された。殺人や放火など六つの「重大な犯罪」をおかしたとされる者の中で、刑法三九条により心身喪失、あるいは心身耗弱とされ不起訴処分をうけた者のうち、裁判所の決定により入院処分あるいは通院処分がくだされる法的根拠とされるものが医療観察法である。しかし実際の決定状況をみれば、家族内のけんかや、到底起訴になるとはおもえない軽微なものも相当数あり、医療観察法は、まさに「精神障害者は何をするかわからない」という理由だけで隔離、収容する精神障害者に対する差別法である。これまでの全国の医療観察法反対運動の盛り上がりの中で、指定入院医療機関においては、七百二十床の予定のうち五年たった二〇一〇年三月一日現在の厚労省発表のデータですら、建設準備中を合わせても三百八十二床しか稼働していない。
 厚労省は、そうしたなかで、既存の劣悪な差別医療が蔓延する閉鎖病棟に、精神障害者を強制的に入院させている現状を開きなおり、従来の閉鎖病棟に新たに医療観察法保安病棟を建設する場合、施設整備費、設備整備費、運営費、地域共生事業費のすべてを国が百パーセント補助するということまで言ってきている。省令によって「本来は一施設三十床という基準だが一施設一床でもいい」「既存の一般病棟を転用しても良い」と通達している。
 「手厚い医療」とは名ばかりである。さらには自立支援法とあわせて、「医療観察法の地域処遇体制の強化が図られるよう、障害者自立支援対策臨時特例交付金による事業(医療観察法地域処遇体制強化事業)や障害福祉サービス報酬改定による対応を実施する」としており、「法の目的である継続的な医療の提供と社会復帰の促進に努めているところである」(部局長会議資料)としている。
 これは、いいかえれば、医療観察法、自立支援法、精神保健福祉法などを駆使しながら、精神障害者に対する法的な差別包囲と、地域保安処分、監視体制の法制度的完成をめざす、差別的、治安弾圧的な性格を有していると言わざる得ない。
 入院、退院、通院、地域生活すべてにわたってその時々で医療は切断されるが、精神障害者にたいする重層的な監視網だけは継続して張り巡らされ、刑法、医療観察法、そして自立支援法を連動させた地域保安処分体制が強化されているのだ。
 〇七年佐賀県肥前病院での自殺、〇八年十一月には熊本県の菊池病院で入院中の人など十四名もの自殺者をだしながら、法務省も厚生労働省もこの自殺の真相を語らない。差別精神医療が蔓延しているなかで、医療観察法の既成事実化が進んでいる。
 医療観察法は、こうした現状にすべて開き直り、五年後の見直しを迎え、すべてをなし崩しにしようとしているのだ。断じて許してはならない。


 ●第四章 地域での自立解放運動支持しよう

 われわれは、歴史的に東京、山口において地域での自立解放運動の一環として、「たまり場」を軸にした精神障害者の救援運動、地域保安処分との闘いをおしすすめ、交流会運動をとおした障害者の自立解放運動、地域での反戦反差別共同闘争の実践など、日帝の戦時障害者政策と真っ向から対決することを鮮明にし、社会からの排除、孤立、症状と格闘する仲間との結合、命の防衛を最重要課題として設定しながら活動をおこなってきた。
 いうまでもなくそれは、赤堀差別裁判糾弾闘争が全国的高揚のなかで勝利した地平と、宇都宮病院糾弾闘争の中で問題にされた強制入院制度への反撃―病者の救援運動の地域的実践、そして刑法改悪―保安処分新設阻止闘争の実践的な内容を地域的に実践しようとしたものである。
 具体的には、たとえば東京においては、曜日を決めた「食事会」や、日常的な生活上のあれやこれやを語り合う場を設定したりしながら、そのなかで赤堀さんの闘いの歴史、保安処分攻撃との対決をいかに構築するのかといった討論や学習を行ってきた。また病院の仲間とのつながりを追求すべく文通や面会をたまり場の中で提起したり、たまり場通信の発行、たまり場資金の設立などをおこなってきた。
 障害者が日常的に受ける差別の現実を、実は皆が同じように経験しているにもかかわらず、個別に分断された現実の中で、障害者差別の社会性、普遍的な障害者の利害を対象化できないで悶々としている状況を共通の視座で共有していく格好の場として、反差別共同闘争、地域勢力との結合は大きな意義があった。障害者自身が社会の主人公として立ち上がる事、自らの利害を代表する社会勢力を対象化する闘いを保証するものとしても、重要な闘いが行われたのである。
 われわれは、そうした歴史的な実践的教訓を今日的に継承している。山口での岩国闘争への決起や、訪韓運動、そして首都圏においては、首都圏の駅を中心とした路上生活者支援の闘いなどである。
 路上生活者支援の闘いでは、毎月一回、駅頭でのチラシ配りをしながら路上生活者に声掛けをし、住まいのこと、病気のことなどを話せる関係作りをおこなうなかで、路上生活者とのつながりを作る事に成功した。病院への入院、アパートの確保、生活保護受給などを行政交渉をとおしてかちとってきている。
 特筆すべきは、路上生活者支援の運動の過程で、地域生活支援の地方行政をうごかしつつ、福祉事務所、ハローワークへの同行を実現したり、「就職安定資金融資」「住宅手当」などの制度利用を実現してきていることである。
 特に、就職安定資金融資は、社会福祉協議会がすすめる融資制度であり、生活保護の「支給」とはちがって、貸し付けを行う制度である。生活困窮者に対する制度でありながら、住居があるかどうかや、銀行口座などをもっているかどうかについての回答を要求し、実質的には路上生活者には利用できないような条件をつけている詐欺的な制度である。このような路上生活者に不利な条件を不動産屋との交渉などの実現などでうちやぶりながら、かちとってきた。
 また、路上生活者支援の集会をなどを組織するなかで、路上生活者の「生きにくさ」をわれわれが自覚し、生活困窮や、雇用問題だけでなく、さまざまな障害をかかえる障害者の現実を対象化していくことも問われていることなどを学びとってきた。
 地域保安処分、刈り込みや襲撃の日常的な恐怖にさらされる路上生活者を、断固防衛していかねばならない。路上生活者への襲撃、あるいは地域保安処分攻撃を断固跳ね返し、命の防衛を生命線とする救援運動の地域的実践をさらに発展させていなねばならない。

 救援運動を実践的に進めよう

 われわれは、歴史的な精神障害者の救援運動の総括を実践的に教訓化し、自立解放―日帝打倒の総路線を内容的に深化させなければならない。
 保安処分攻撃にさらされる中で、常に精神障害者は「死」と格闘することを強制される。
 精神障害者の救援運動では、歴史的に、階級攻防が激烈に展開されているという現実の中で、精神障害者の症状との格闘がなされているということを常に念頭におきながら、活動を行う事が要求されてきた。精神障害者の症状は個々人がさまざまな傾向をもっている。しかしながら、ひとたびそうした階級攻防の現実から乖離した中で、思想的に裁く傾向に無自覚になるや否や、権力による「命の抹殺」攻撃に対して、救援すべき精神障害者の「命の防衛」を対置することができなくなった歴史的事実があった。そうした事実に対しては、精神障害者からの生死をかけた糾弾がおこなわれてきた。その過程である種、精神障害者の症状を政治的に分析すること、評価することを許さないという観点から、精神障害者の救援運動に「政治を持ち込まない」という態度を運動路線として確立させるという潮流が発生したという歴史もあった。また一方において、保安処分攻撃の凄まじさ故に「死」の恐怖にさいなまれつつ、症状を悪化させるという精神障害者の急迫せる症状がありつつも、そうした精神障害者の現実とは無関係に保安処分攻撃との対決の正当性のみを政治闘争としての貫徹の問題として精神障害者に強要していく潮流も出現していった。
 われわれは、保安処分攻撃にさらされながらそれに対する救援運動を組織することに非常な困難を強いられてしまうという教訓を教訓としてとらえつつも、しかしこれを歴史的な「負の教訓」としてとどめるのではなく、われわれはあくまで精神障害者にかけられた抹殺攻撃の質のとらえ返しの問題として、権力の差別攻撃にいかに反撃し、その中でいかに精神障害者の社会的利害を防衛していくのかという観点で総括しなければならない。
 国家権力の暴力装置による虐殺を頂点とする保安処分―差別抹殺を徹底糾弾し、命の防衛を軸にした救援運動の解放綱領的確信を実践的につかみとらねばならない。
 その際の確信こそ、赤堀さんが全国の仲間の闘いを鼓舞し、全国障害者解放運動の勝利的前進を刻印してきた事実であり、障害者解放運動がそれを軸に権力闘争として、あらゆる政治的勢力と結合してきた事実である。われわれは、そうした観点を、たまり場建設の中に構築せんとしてきたのである。もちろん首都圏における路上生活者支援の闘いを押し進めていくにあたり、そうした観点をさらに押し進めていかねばならない。
 命の防衛を最優先的課題としつつ、精神障害者の病状との闘いが、即保安処分攻撃と直結するということ。そうした観点を救援運動の路線として確立していかねばならない。救援運動における、医療問題への取り組みと同時に、救援運動の医療問題への解消、生活問題への解消という傾向と不断に闘い、解放運動へと接近していくありかたを模索しなければならない。
 すべてのみなさん、民主党の「地域主権戦略大綱」の反人民性、障害者政策の差別性を弾劾し、自立解放―日帝打倒をかちとろうではないか。

 

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