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 ■韓国海軍艦船沈没事件を口実とした

  日米帝の朝鮮侵略反革命戦争策動を打ち破れ!




 五月二十日、韓国の民軍合同調査団が、共和国の魚雷爆発を沈没の原因と断定する発表を行った。他方、共和国はこれを「韓国政府による捏造」とし、国防委員会検閲団(調査団)の派遣を表明した。しかし韓国政府はこれを拒否した。
 二十二日、韓国軍は、西海(黄海)で「北の挑発」があった場合、共和国軍の発信基地に軍事的打撃を加えることで意思統一した。民軍合同調査団の一人であるシン・サンチョル委員(民主党推薦)が主張する座礁説(艦船沈没の原因は魚雷ではなく座礁)に対して韓国海軍が名誉毀損容疑で告訴していたが、二十二日、検察が本格的捜査を開始した。反対意見は「流言蜚語」としてすべて取り締まる方針だ。
 二十四日には李明博が「国民に対する談話文」を発表した。内容は、@天安艦沈没は「大韓民国を攻撃した北朝鮮の軍事挑発」であり、朝鮮半島情勢は転換したA今後の対北措置として、共和国船舶の韓国領海通航禁止、乳幼児支援と開城工業団地を除く南北間の交易と交流の中断、領海・領空・領土への武力侵犯に対する即時の自衛権発動、国連安保理への事件の回付を行うB共和国の謝罪と関連者の処罰を求めるC究極的目的は軍事的対決ではなく朝鮮半島の安定と平和と共同繁栄と平和統一、というもの。発表は通常の大統領官邸ではなく、朝鮮戦争にちなむ戦争記念館で行った。戦争も辞さないという決意表明だ。
 韓国の労働者民衆勢力はしかし、調査団発表には多くの疑いがあり信用できない、上記の大統領談話文は六月二日に行われる地方選挙用演説に過ぎないと批判している。五月二十四日には仏教とキリスト教の宗教四団体も「政府と軍当局は最初から真実を恐れているのではないかという危惧を感じる。真実を明らかにしろ」と要求した。実際、「北朝鮮の魚雷」と決め付けた調査団発表には決定的証拠がなく、すべて状況証拠ばかりなのだ。
 アジア共同行動日本連絡会議が五月二十一日に出した声明「韓国海軍哨戒艦『天安』沈没に関して、韓国政府と米国政府はすべての情報を公開せよ!朝鮮民主主義人民共和国に対する敵視と制裁強化は許されない!」は次のように主張している。
 @魚雷爆発であれば当然起こるべき諸現象(巨大な水柱や死んだ魚の群れ、船体切断面と遺体の激しい損傷など)が何一つ確認されていない。沈没艦船の切断面には爆発による痕跡がない。発見された火薬からは西欧や米国で使用されている成分が検出された。
 A韓国政府と韓国軍は、さまざまな疑惑に答えず、逆に韓国海軍戦術資料体系(KNTDS)レーダー映像、熱像観測装備(TOD)映像、事故前後の航跡記録、生き残った乗組員の陳述書を公開していない。
 B専門家からは座礁説と米潜水艦衝突説が提起されている。実際、事故当日は韓米合同軍事演習が行われていた。
 調査団の発表に対する疑問点をさらに挙げてみよう。
 @そもそも共和国の小型潜水艇は一・七トンの重魚雷を搭載できない。
 A事故現場にはイージス艦二隻があったが、潜水艇の侵入経路と退却経路が分かっていない。
 B発見された魚雷の破片も、そのさび付き具合からかなり古いものであることが予想され、また「発見場所」の海流の速さから他地域から流された可能性も否定できない。
 C艦船の発見にも約一ヶ月かかったのに、なぜこの魚雷が捜索開始からわずか数日で発見されたのか理解できない。
 D発見された「魚雷破片」にマジックのようなもので書かれていた青色の「1番」という字だが、共和国では「○番」という用語は使わない。「○号」と表記するのだ。「番」の字を使うのは韓国だけだ。しかも爆発にもかかわらず、まるで発見後に書いたかのように鮮明だ。
 E魚雷爆発時の水柱に関する韓国軍の発言が何度も変更されている。当初、沈没艦船の乗組員は「水柱はなかった」と証言。ところがその後、「水柱を見た。顔に水しぶきがかかった」と証言内容を百八十度変更した。しかし水しぶきは数十メートルに及ぶはずで、本当に水しぶきが上がっていれば乗員が全身しぶきを浴びたはずだがそのような証言はない。水柱が映っているはずの映像を韓国軍は「軍事機密」として公表を拒んでいる、などなどなど。
 つまり、艦船沈没が共和国の攻撃だとはとても言い切れないのだ。調査団の発表は何一つ証明されていないのだ。当の共和国自身が強くこれを否定している。
 しかし日米帝は調査団発表を断固支持し、日米韓一体で今回の事件に対処すると明らかにした。朝鮮半島情勢は共和国の核疑惑を口実とした朝鮮侵略反革命戦争勃発直前にまで行った一九九四年以来の、極めて高い軍事的緊張状態に入った。六月には西海で蟹漁が最盛期を迎えるが、韓国の民衆は、艦船同士の銃撃戦にとどまらず、局地戦が勃発するかもしれないと憂慮している。
 ところが、沖縄米軍基地問題で窮地に立たされた「ほら吹き王子」鳩山はこれ幸いと飛びつく体たらくだ。鉄槌が下されるべきだ。
 われわれはこうした動きに反対し、打破しなければならない。イラク侵略戦争における「大量破壊兵器の証拠」なるものを思い出そう。そんなものはどこにもなかった。嘘だった。嘘だったのに居直った。居直って人民を殺し続けている。それでいて「世界平和」などと平気で吹き回っている。それが煉獄の炎で焼き尽くされるべき帝国主義者なのだ。
 艦船沈没事件を口実とする日米帝の朝鮮侵略反革命戦争策動を阻止しよう。

 

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