共産主義者同盟(統一委員会)

 

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 ■2010年共産同・政治集会基調
  
 ※以下の文章は、二〇一〇年共産主義者同盟(統一委員会)政治集会で明らかにされた基調報告です。




●1章 深化する恐慌情勢

 〇八年に引き起こされた米国発の金融危機は、実体経済をも直撃し、全世界を恐慌の波で覆った。それは、資本の動きに対する規制を徹底的に取り払おうとしてきた新自由主義グローバリゼーションの必然的な帰結であった。そのために全世界で無数の労働者が一挙に失業と貧困を強制され、生存の淵に叩き込まれた。利潤追求を第一義とする資本の動きを野放しにしたとき、いかに破滅的な結果をもたらすのかを、このかんの事態は赤裸々に示した。
 帝国主義国をはじめとした各国政府は、莫大な規模の財政出動による内需拡大策を打ち出し、公的資金の投入による金融機関・大企業の救済策をおし進めてきた。にもかかわらず、恐慌情勢は依然として深まり続けている。景気が「回復基調」にあるとか、「底を打った」などというのは裏付けのないブルジョアジーの淡い期待に過ぎない。
 こうした状況のなかでとりわけ深刻なのは、各国において資本がその生き残りのために大リストラや賃下げをはじめ労働者人民に犠牲を押し付け、その結果として労働者人民の内部で失業と非正規雇用化、貧困と無権利状態がますます拡大していることにある。人民からの「変革」への期待を背負って登場したオバマ政権下の米国においては、雇用減少が今日まで継続し、失業率は10%を超えるに至っている(〇九年十月で10・2%、約千五百万人)。しかもこの数字は失業保険の受給者を基準にしたものであり、実質的な失業率は20%に達すると言われている。オバマはさる一月の一般教書演説で、今後五年間で二百万人の雇用増を打ち出したが、大統領就任当時にあった人民のオバマへの期待は今や急速に冷めつつある。日本においては、〇九年七月の完全失業率が過去最高の5・7%(三百五十九万人)に達し、その後も高水準で推移している。さらにデフレによる低価格競争・内需の低迷のなかで、企業収益の悪化、労働者への賃下げ・長時間労働・解雇攻撃にはいっそう拍車がかかる状況である。自公政権のもとでは隠されていた相対的貧困率が公表され、日本の貧困率は二〇〇七年度で15・7%であり、OECD加盟国で第二位であったことが明らかになったが、この数値がさらに高いものになっていることは疑いない。
 現在の恐慌、現在の危機が何か二大保守政党による政権交代や小手先の政策によって解決できるものではないことは明らかだ。米帝を先頭とした帝国主義が、資本の延命のために推進してきた新自由主義グローバリゼーションは破産したが、帝国主義はそれに代わるできあいの対案やモデルをもっているわけではない。そのような意味で資本主義が歴史的な危機にあるということだ。そしてこの危機は、世界的な規模での労働者人民の闘いの前進、全世界で帝国主義、ブルジョアジーを打倒し、資本主義というシステムそのものを根底から変革していく道のなかでしか解決できない。
 今日、米国発の世界恐慌に加えて、人民の頑強な武装抵抗闘争のなかで強制されたイラクやアフガニスタンにおける「対テロ」侵略戦争の泥沼化のなかで、米帝の歴史的没落の趨勢はますますはっきりとしたものになってきている。巨額の景気刺激策・金融安定化策および膨大な「対テロ戦争」戦費によって膨れ上がった財政赤字と構造化した貿易赤字は、ドル暴落への圧力を強めながら、基軸通貨としてのドルの位置をより不安定なものにしている。同時に、EUなどの地域共同体の形成と強化、中国の資本主義的台頭、他方での中南米での反米左派政権の相次ぐ誕生など、世界の不安定性は増し、新たな国際情勢が現出している。
 当面する国際情勢は、いよいよ未曾有の激動期に入ろうとしている。こうした状況のなかでわれわれに必要なことは、イラク、アフガニスタンをはじめとした帝国主義の侵略に対する人民の抵抗闘争に連帯して闘うこと、そして新自由主義グローバリゼーションに抵抗して前進してきた世界各地の労働者人民の闘いと連帯して帝国主義と資本の攻勢への反転攻勢を組織していくことである。また資本主義の歴史的な危機に対して、資本の救済ではなく、帝国主義・資本主義を打倒し、労働者階級・被抑圧人民の解放をかちとっていくために闘い抜いていくことにある。世界各地で搾取され抑圧されながらも抵抗し、たたかう労働者階級・被抑圧人民と連帯し、その希望を共にして、帝国主義の世界支配を打倒して、新たな世界・社会を築きあげていくためにたたかっていこうではないか。

●2章 日帝・鳩山政権と対決するわれわれの基本的任務

 こうした情勢のなかで、日本においては自公連立政権に代わって、民主党を中心とした鳩山連立政権が発足した。恐慌情勢と貧困・生活危機の深まりのなかで、犠牲を集中されてきた圧倒的多数の労働者人民の怒りは、昨年の八月三十日の総選挙において、ついに半世紀におよぶ自民党支配を打倒した。それは、とりわけ小泉「構造改革」を通し加速してきた新自由主義政策、そのもとでの貧困と格差の拡大に対する労働者人民の明確な拒絶のあらわれであった。こうして日本階級闘争に新しい条件が形成され、新たな政治流動が開始されるなかで、鳩山連立政権と対決するわれわれの闘いの基本方向をここであらためて明確にしたい。
 新たに登場した鳩山連立政権とはいかなる政権なのか。そもそも民主党の階級的性格は日本の大独占・多国籍資本の利害を代表する「もうひとつの保守政党」であり、民主党は日本資本主義・帝国主義を擁護する政党である。その最大基盤である連合は、帝国主義労働運動として、ブルジョア政党としての民主党を支えている。その点について労働者人民は一片の幻想も持つことはできない。その意味で、今回の政権交代の主要な性格は、その根幹においては違いのない二大保守政党の間の政権交代であった。
 しかし同時に民主党は、まさにブルジョア政党として日本帝国主義の延命方向を自民党とは異なる道のなかに見出そうとしている。それは「緊密で対等な日米同盟」「東アジア共同体の構築」などのスローガンに示される「米帝からの相対的自立」と「アジア重視」の志向である。それは、中国・アジア市場をめざして急速に資本投下を進めている日帝ブルジョアジーの動向と密接に結びついたものであり、米帝の歴史的没落と中国の資本主義的台頭という情勢のなかで、その双方との新たな関係を形成しながら自らの帝国主義としての生き残りを図ろうとする志向のあらわれに他ならない。このような鳩山連立政権の動向は、米帝からの反発を拡大し、日米同盟関係の動揺とそれによる国内政治流動をもたらす可能性を内包している。同時に、こうした民主党の志向が日帝による独自の軍事力・海外派兵体制の強化の意思を含んだものであることに留意すべきだ。鳩山がそもそも改憲論者であることを片時も忘れてはならないだろう。
 鳩山連立政権の性格のもうひとつの側面は、自公政権に対する労働者人民の批判と不満を糾合するために、その要求の一部を選挙公約のなかに取り入れ、そのことによって政権を獲得したという点にある。それゆえ鳩山連立政権は現在、労働者人民からその公約の実行を迫られている。鳩山連立政権は日帝ブルジョアジーや米帝から強い圧力と反発を受けながらも、その政権成立の根拠の制約から、労働者人民の要求をあからさまに無視することはできず、それをいかにごまかし懐柔していくかに汲々としている。労働者人民はすでに立ち上がり、インド洋での自衛隊の給油活動の停止を実現し、後期高齢者医療制度や障害者自立支援法についても廃止を勝ち取ろうとしている。労働運動においては、製造業派遣や登録型派遣の禁止などを内容とする労働者派遣法の抜本改定、国鉄闘争の勝利的解決に向けた闘いなどが全力でおし進められている。そして米軍再編の見直しをめぐる闘い、とりわけ11・8県民大会から一月名護市長選勝利に至る沖縄人民の闘いは、日米帝国主義間の矛盾を拡大させつつ、辺野古新基地建設阻止に向けて鳩山連立政権を追い込んでいる。
 われわれは労働者人民の政治参加を促進し、その階級的利害を実現するために、これらの闘いを徹底して推進し、発展させていく。そしてまた、民主党がその政権公約を投げ捨てブルジョア政党として日帝の基本政策を公然と推進する動きへと転換するならば、労働者人民の広範な怒りを組織し、政権打倒の全人民的闘争を組織していかねばならない。われわれは労働者人民の現実の闘いに根ざし、その経験と総括を通して労働者人民が日本階級闘争の新たなうねりと新たな構造をつくりだしていくために立ち上がっていくように全力を挙げる。権利と要求は労働者人民の実力での闘いによってのみ勝ち取られることを忘れて民主党に幻想をもったり、逆に労働者人民の現実の闘いから切り離された地点で民主党のブルジョア的性格の確認に終始するような誤りに陥ってはならない。
 われわれは鳩山連立政権と対峙しつつ、あくまでも現実の階級闘争のなかから、日本における社会主義革命の大道を切り開いていく。今回の政権交代は二大保守政党のあいだの政権交代であり、労働者人民の利害を真に代表する革命的労働者党建設の途上性ゆえに、労働者人民の自公政権に対する怒りはいったん、根幹においては違いのないもうひとつの保守政党に糾合された。ここを主体的に総括し、社会主義革命に向けた日本階級闘争の新たなうねりをつくりだしていくために全力で闘おう。

●3章 2010年のわれわれの基軸的な闘争任務

 新しい条件のなかで開始される今年二〇一〇年の闘いは、今後の日本階級闘争の発展にとってきわめて重要なものとなる。われわれは鳩山連立政権と対峙する労働者人民の闘いの大攻勢を組織していかねばならない。政府・資本と対決し生活と権利を防衛する闘いを、階級的労働運動を基軸として圧倒的に強化していかなくてはならない。そして、反戦・反基地闘争や反貧困闘争をはじめとする闘いを労働者階級人民の対政府闘争として全面的に発展させ、それを日本階級闘争の新たなうねりの形成と新たな構造の建設へと結実させていかなくてはならない。この点を踏まえつつ、われわれは以下のような闘いを全力をあげて推進していく。
 第一に、反戦・反基地闘争、とりわけ米軍再編粉砕闘争を全国的に推進していくことである。沖縄・岩国・神奈川をはじめとする現地住民の闘いによって、鳩山連立政権のもとで米軍再編の見直しが全人民的政治課題へと押し上げられてきた。その闘いはいま日米軍事同盟を揺さぶる闘いとして大きく発展している。とりわけ本年前期においては、沖縄人民と連帯し、普天間基地即時閉鎖・無条件撤去―辺野古新基地建設阻止を実現するために全力をあげてたたかおう。「パッケージ」として提示された米軍再編計画がその一角で破綻することは計画全体に影響し、米帝の東アジア戦略と日米関係を大きく揺さぶるものとなる。さらに、現地住民と結合してアジア共同行動日本連や労働者反戦交流集会実行委が推進してきた岩国基地大強化反対の闘いを支持し、その成功を勝ち取ろう。沖縄・岩国・神奈川の反基地闘争と連帯を強め、米軍再編計画の白紙撤回に向けて全国で闘おう。安保改定五十周年の今年を日米安保―日米軍事同盟体制に対する人民の闘いの新たな爆発の年へと転化しよう。
 第二に、本年の反帝国主義政治闘争の重要な課題として、十一月横浜APEC粉砕闘争に立ち上がっていくことである。APEC(アジア太平洋経済協力)はアジア太平洋地域における新たな支配秩序の編成をめぐる帝国主義間の利害対立とヘゲモニー争奪戦の一舞台である。と同時にそれは、この地域における貿易と投資の全面的な自由化を推進することによって各国・地域の労働者人民に貧困と抑圧、権利剥奪をさらに強制していこうとするものである。アジア太平洋地域の人民はこのかん、WTO・IMF・G8などグローバリゼーションを推進する国際会議・国際機関に対する闘争の一環としてAPEC会議反対闘争を組織してきた。この国際的な地平を継承し、反帝・反戦・反グローバリゼーション闘争として横浜APEC粉砕闘争に立ち上がろう。さらに、この闘いを直前の韓国でのG20に対する闘いを引き継ぐ国際的な連続闘争として闘い抜こう。
 第三に、昨秋のAWC第三回総会の成功という地平を踏まえ、国際連帯運動のさらなる前進をかちとっていくことである。アジア共同行動日本連およびフィリピン、韓国、台湾、インドネシア、米国の反帝勢力およびふたつの国際組織が参加して開かれたAWC第三回総会は、世界恐慌の到来という新たな情勢のもとでアジア太平洋地域における人民運動による反帝国際共同闘争と相互支援の課題を共同で練り上げた。AWCは本年十一月の横浜APECを粉砕する国際共同闘争を組織することをすでに決議している。こうしたAWCのたたかいを支持し、その闘いの成功をかちとろう。また、各地での米軍再編粉砕闘争を、韓国やフィリピンをはじめとするアジアにおける反米軍闘争と結合し、アジアからの米軍総撤収に向けた共同闘争の前進を勝ち取っていこう。
 第四に、階級矛盾の激化のなかで、このかん各地で活動を活発化させている排外主義・差別者集団との攻防が大きな課題になっている。「在特会」や「主権回復を目指す会」などに代表される排外主義・差別者集団が在日朝鮮人・韓国人や移民労働者に対する憎悪を組織し、朝鮮学校に対する襲撃をはじめとした攻撃を繰り返している。また、日本軍「慰安婦」問題の解決を求める市民運動や反天皇制運動への攻撃もおこなわれている。こうした勢力と断固として対峙し、大衆的に包囲してその社会的孤立を図り、解体していく闘いを強めねばならない。われわれはそのための最も広範な統一戦線の形成のために努力する。同時に、各地で在日朝鮮・韓国人や移民労働者との連帯実践を強めていこう。
 第五に、階級的労働運動のさらなる前進を全国・各地で切り拓き、それを基軸として貧困と失業の拡大、権利剥奪に対する労働者人民の闘いの発展を勝ち取っていくことである。労働者人民の生活と生存をめぐる状況は、闘わなければ何も変わらず、それどころか悪化するばかりである。階級的労働運動はこの状況を変革するための先頭に立ち、職場・地域で原則的な組織化を進めるとともに、派遣法の抜本改定、最低賃金の引き上げ、均等待遇の実現など非正規労働者をはじめ相対的下層の労働者の利害に立った闘いを全力で進めていかなくてはならない。また、労働法制改悪に対する闘い、国鉄闘争をはじめとするすべての争議の解決と勝利のための闘いを進め、階級的労働運動派の全国的な闘いと構造を強化していこう。さらに、労働運動のこのかんの地平を踏まえ労働者反戦闘争をおし進めていこう。
 第六に、農地強奪攻撃を許さず、三里塚闘争の勝利に向けて闘うことである。成田空港会社は昨年七月に東峰の森を破壊して建設した新誘導路の供用を開始し、十月には北延伸滑走路の供用開始を強行した。さらに市東さんの家と畑を取り囲む第三誘導路の建設を画策している。そしてまた、天神峰現闘本部裁判や農地法を「根拠」にした市東さんに対する土地の明け渡し裁判などあらゆる手をつくした農地強奪―三里塚闘争破壊攻撃を繰り広げている。こうした攻撃をゆるさず、「用地内」農民をはじめとした反対同盟を支え、現闘・行動隊の同志を先頭にして反帝闘争の拠点としての三里塚を防衛し、空港廃港まで実力闘争で闘おう。3・28三里塚全国集会に決起しよう。
 第七に、被差別大衆の自己解放闘争をはじめ、諸戦線・諸階層の運動を推進していくことである。女性解放運動、障害者解放運動、部落解放運動、被爆者解放運動などの闘いの前進を全国でかちとっていこう。戦争・軍隊がもたらす性暴力に対する闘いや均等待遇を含む女性労働者の要求と闘いの組織化、保安処分攻撃を粉砕する闘い、狭山差別裁判を糾弾し再審の実現と狭山闘争勝利に向けた闘い、反戦・反核・反原発―被爆者・被爆二世への国家補償を求める闘い、改悪入管法体制に対する闘いなど、全国各地で取り組まれてきた闘いの地平を踏まえ、さらなる前進をかちとっていこう。学生戦線における組織的前進をさらにおし進め、反帝国主義と国際主義に立脚した全国学生運動の発展をかちとろう。

●4章 革命的労働者党建設を推進しよう

 本年二〇一〇年は六〇年安保闘争から五十年目にあたる。六〇年安保闘争は巨万の労働者人民が参加した戦後日本最大の全人民政治闘争であり、戦後日本階級闘争の新たな出発を画した記念碑的闘争であった。これに先立ち日本共産党と分岐して結成された第一次共産主義者同盟(第一次ブント)は、この闘いの実践的・革命的な牽引者として日本階級闘争場裡に登場した。六〇年安保闘争五十周年という記念すべき年にあたり、われわれは、スターリン主義に転落した日本共産党を革命的に批判して誕生し、それに代わる新しい共産主義運動の創出をめざして闘ってきたブントの綱領・路線を継承し、プロレタリア社会主義革命に向けて日本階級闘争の新たな高揚を実現する強大な革命的労働者党建設をおし進めていくことをここにあらためて決意する。
 われわれは、プロレタリア世界革命とプロレタリア国際主義、自国帝国主義の打倒、プロレタリア独裁といったブントがその結成をもって日本階級闘争のなかに復権したすぐれた路線的諸内容を断固として継承し、今日の主客の条件のなかでそれを実践的にさらに発展させる。同時にまた、第一次ブント結成以来の五十数年におよぶ党建設と日本階級闘争の全経験を継承し、その勝利と敗北の経験を総括するなかから革命的労働者党としてのブントの再建と日本階級闘争の新たな高揚の実現に向けて闘う。今日、「五五年体制」が最後的に崩壊するなかで、保守二大政党間の政権交代に収れんされることのない、階級闘争の新たなうねりをつくりだしていくことの重要性・切実性がますます鮮明になっている。階級的労働運動を基礎にして新たな階級闘争の構造を全国と各地において建設していくこと、アジア太平洋地域における国際反帝統一戦線の形成を推進し、反帝国際共同闘争と日本における階級闘争を固く結びつけていくこと、こうした課題を実現し、日本における社会主義革命の大道を切り開いていくためにこそ、革命的左翼が戦後的な階級闘争構造のなかで規定されてきた戦術左派的・左翼反対派的な位置を最終的に脱し、広範な労働者階級人民の階級形成に深く責任を負う革命的労働者党の建設に本格的にチャレンジしていかねばならない。労働者階級人民のなかに深く根を張り、その自己解放闘争を徹底的に推進していく革命的労働者党建設の事業にぜひとも多くの人々が結集することを訴える。
 この闘いはまた、現代において共産主義を再び労働者人民の解放の希望として復権していく闘いである。今日、貧困と格差が世界的に拡大するなかで、国際的にも国内的にも資本主義というシステムに対する批判と疑問が労働者人民のなかに広がってきている。そしてまた、資本主義に代わる社会への希求を内包しながら、資本主義・帝国主義に対する闘争が様々な形態をとって広がっている。われわれは現実の労働者人民のなかに深く分け入り、そうした動きを促進し、より強固なものに発展させていかねばならない。資本主義の歴史的な危機に対して、いまこそ労働者階級人民の自己解放闘争として共産主義運動の歴史的な復権をかちとっていかなくてはならない。日本共産党は「ルールある資本主義」を掲げてすでにこの課題を投げ捨ててしまっており、「建設的野党」として日帝ブルジョアジーの政治体制を補完する役割を深め、労働者階級人民が資本主義・帝国主義の打倒、社会主義革命に向かって立ち上がっていくことを封殺している。また宗派主義の潮流は、階級情勢と切り離して自己の教条を絶対化するその姿勢をますます純化させながら、路線的破綻をいっそうあらわにしている。われわれは、日本共産党、宗派主義と分岐した革命的労働者党建設の飛躍を通して、共産主義運動の歴史的再生、労働者人民の解放の希望としての共産主義運動の復権という課題にチャレンジしていく。
 われわれはまた、革命的労働者党建設の今日的な重要な課題として、青年層のなかでの活動をより強めていく。階級矛盾が青年層を直撃し、社会を閉塞感が覆うなかで、一方では少なからぬ青年たちが「在特会」などの排外主義・差別者集団の影響を受け始めている。青年を誰が組織するのか、このことが本格的に問われている。共産主義運動は青年たちに未来の展望、解放の展望を正面から提起しなくてはならない。われわれは、青年労働者や学生による運動を促進するとともに、青年を共産主義運動へと組織していく活動をさらに強化していく。

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 闘う同志・友人のみなさん。本二〇一〇年、われわれは、鳩山連立政権と対決する労働者人民の闘いの先頭で闘うとともに、そのなかから革命的労働者党建設の前進を実現していくために全力をあげる。共産主義者同盟(統一委員会)とともに、階級闘争の新たなうねりを組織し、社会主義革命の大道を切り開いていくために共に闘おう。
 

 

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