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  ■被爆65年、アジア人民と連帯して

  8・6広島反戦・反核・被爆者解放闘争に立ちあがれ!

                   侵略反革命と闘う被爆二世の会



 ●@ 広島反戦・反核・被爆者解放闘争に立ち上がれ

 被爆から六十五年、未だ世界中には約三万発の核兵器が存在し、核兵器保有国は更に増え続けようとしている。何故、このような事態が続いているのか。それは、帝国主義者が現在もイラク戦争やアフガニスタン戦争などの侵略反革命戦争を起こしているからだ。帝国主義者達が参加し五年に一度開催されるNPT(核拡散防止条約)の再検討会議が今年五月ニューヨークで行われた。会議では、核軍縮への決意を示しながらも、核廃絶に向けた具体的な工程表は示されなかった。そもそもNPTとは核を持てる国と持てない国を作る条約である。このような条約の下で核兵器廃絶などできるはずもない。世界中から核兵器を廃絶させるためには、まず、八月六日広島、九日長崎へ原爆を投下した米帝に謝罪をさせなければならない。そして、世界中の九割の核兵器を保有している米帝とロシアにこそ、核兵器廃絶を行なわさせていかなければならない。そのためにも、八月六日、広島で行う青空集会に集い、被爆地から世界に向け「反戦・反核・被爆者解放」を発信しようではないか!


 ●A アジアから全ての米軍基地を撤去しよう

 一九六〇年代から七〇年代にかけて全人民の反対闘争にあいながら成立した「日米安保条約」は五十年目を迎え、日米同盟は変質しながらますますその侵略反革命性の内実を強めている。第二次世界大戦後、敗戦帝国主義として成立した日帝は、日米核安保体制の下でアジア太平洋への経済侵略を行いながら、あわせて軍事大国化への道を歩み、朝鮮戦争・ベトナム戦争・湾岸戦争・アフガニスタン戦争・イラク戦争とアメリカ帝国主義のアジア侵略反革命戦争を一貫して支え、積極的に担ってきた。実際に、沖縄や佐世保や岩国や神奈川にある在日米軍基地から戦闘機が飛び立ち、軍艦や原子力潜水艦が出港し、朝鮮やベトナムや中東やアフガニスタンの民衆を虐殺してきた。米帝国主義は、アフガニスタンにおいても、化学兵器や劣化ウラン弾を使用しており、多くの民衆が犠牲となっている。世界の平和を求める民衆の「戦争も核の被害も二度と許さない」という願いが何度も踏みにじられてきたのだ。また、沖縄の鳥島においても、劣化ウラン弾を使用した軍事演習が行われており、嘉手納弾薬庫や岩国基地には劣化ウラン弾が保管されていた。また現在も、米帝の軍事力の主力は核兵器であり、実戦配備されている。米帝が、神奈川の横須賀を米原子力空母ジョージ・ワシントンの母港にしたのは、日本の非核三原則を空洞化させ、民衆の核廃絶の運動を押し潰すためだ。こうした事実を知っているからこそ、沖縄や佐世保や岩国や神奈川の民衆は米軍再編に反対しているのであり、基地撤去を求めているのだ。アジアから全ての米軍基地を撤去する闘いは、日米両帝国主義のアジア侵略を許さない闘いであり、日米核安保体制を打ち破る導水路である。広島のすぐそばにある米軍岩国基地の大強化を許さず、岩国市民と共に米軍再編反対・愛宕山の米軍住宅建設阻止の闘いに立ち上がろう。


 ●B 上関原発建設を阻止しよう!

 日帝は原子力発電所の新設と増設を目論んでいる。労働者や周辺住民の被曝を隠したまま、地球温暖化防止の有力な手段と喧伝しているのだ。六月十七日、運転中の福島第一原発二号機が事故を起こした。タービン建屋内の主発電機を制御する「界磁遮断機」が故障し発電機とタービンが停止。タービンを回す蒸気の発生を止めるため、原子炉も停止した。原子炉が止まった場合、外部の送電線から発電所内の電力を供給するが、切り替え装置が機能せず、原子炉内に冷却水を給水するポンプが動かなくなった。そのため、原子炉の水位が約二メートル低下する深刻な事態だった。これは臨界事故寸前の状態で大変危険だった。五月十日には高速増殖炉「もんじゅ」で、制御棒が一時挿入できなくなるトラブルがあり、六月十日には敦賀原発で放射能を含む冷却水が漏れる事故があった。中国電力では島根原発の点検漏れや機器の未交換が五百十一カ所、点検実績と計画表が合わないものが千百六十カ所見つかった。七月八日、経済産業省原子力安全・保安院は中国電力の商業原発の評価を最低評価の「1」とした。にもかかわらず、中国電力は山口県上関町田ノ浦に新規の原子力発電所を建設しようとしている。それを二十八年間阻止し続けているのは、地元住民をはじめ瀬戸内海を守ろうとする多くの民衆の力だ。現在も、上関現地では、体を張った田の浦の海の埋立てを阻止する闘いが続いている。これを断固支持し、共に闘う。日帝ブルジョアジーは、「問題は着実な建設をどう実現するかだ。計画は二十年までにまず九基の増設をめざしているが、中国電力の上関原発などで地元の反対が強く、早くも黄信号がともる。電力会社だけに任せず、国が関与を強めて立地を後押しすべきだ」(日本経済新聞)と危機感をあらわにしている。
 現在、自民党も民主党もマニフェストの中で原子力発電所の国際展開をうたっており、経済の活性化のため、原発を他国に輸出しようとしている。これを絶対に許してはならない。その上、原発の技術を教える代わりに、高レベル放射性廃棄物の処分もアジア諸国に肩代わりさせようとしている。日本に要らないものをアジア民衆に押し付けさせてはならない。
 また、本年開催される横浜APECでは、日帝ブルジョアジーの核(原発)技術の輸出によるアジア侵略が地球温暖化の防止を旗印に公然と目論まれている。これを許さず、日帝の原子力政策そのものをストップさせよう。


 ●C 被爆者・二世・三世の国家補償を実現しよう!

 昨年の八月六日、日帝―麻生政権と日本原水爆被害者団体協議会の坪井直代表委員は広島において「原爆症認定集団訴訟の終結に関する基本方針に係る確認書」を交わした。内容は一審判決で勝訴した原告を原爆症と認めること、敗訴者には議員立法による基金を設けること、原告団はこれをもって集団訴訟を終結させることなどだ。それまで裁判を長期化させ、原告の分断を図ってきた日帝―自民党政権は原爆症認定集団訴訟の解決をもって被爆者問題を終焉させようとしたのだ。敗訴原告の控訴の機会を奪う姑息なやりかたに不満は残るが、一応の目途がついた。当然、一昨年策定した「新しい審査の方針」の中にある「申請者に係る被曝線量、既往歴、環境因子、生活歴等を総合的に勘案して、個別にその起因性を総合的に判断する」場合、集団訴訟の判決を参考にするものと考えられていた。しかし、確認書締結後、日帝―厚労省の原爆症認定申請却下が大幅に増えた。昨年四〜五月の却下率は五割台だったがその後、七割台後半となり、同年十一月〜今年一月は九割前後に跳ね上がった。二月は一日で六百六人を総合審査し五百十五人が却下された。集団訴訟で世論の注目を集めていた時期は、のろのろと審査し結論を先送りしたが、注目が去ると一気に却下する。あまりにも酷いやり方だ。被爆者は怒り、新たな集団提訴を起こそうとしている。原爆被爆者に対する原爆症認定基準はいずれ、原発や原発関連施設による被曝者にも適応されるに違いない。
 JCO臨界事故健康被害裁判に対する日帝―最高裁の二〇一〇年五月十三日上告棄却・不受理決定を徹底弾劾する!一九九九年九月に茨城県東海村の核燃料製造工場JCOで起きた臨界事故は、日本で起きた最大級の原子力事故で、二名の方が被曝死し、他にも住民、従業員など多数が被曝した。裁判を起こした原告は、JCOからたった百メートルしか離れていない工場で被曝した。事故による皮膚炎の悪化やPTSDの発症をJCO臨界事故の健康被害として告発し、「原子力の村・東海村」から差別や抑圧に屈することなく立ち上がったのだ。にもかかわらず、水戸地裁(二〇〇八年二月二十七日)、東京高裁(二〇〇九年五月十四日)で原告敗訴の判決が下され、本年五月十三日付けで最高裁への上告も棄却されたのだ。われわれ被爆者・二世・三世はこれを絶対に許すことが出来ない。これらの判決は、被曝と健康被害の因果関係の立証について、「高度の蓋然性」の証明を原告に求めたが、本来、立証の責任は事故を起こしたJCOと原子力政策を推進してきた日帝国家権力にこそある。高裁判決が、「本件事故がその悪化の一つのきっかけを提供したということができる」とした「下痢等の症状、これに起因するうつ状態の発現、その後のうつ病等の症状」とはまさに、広島・長崎の被爆者が体験した急性症状と被爆後の病名を付けることの出来ない症状と一緒ではないか。当時、それは、体がだるく、意欲がわかず、どうにも働けないということで「原爆ぶらぶら病(ママ)」という差別的な呼び方もされた。また、もう一人の原告の皮膚炎の悪化も急性症状そのものだ。怪我をしたり、傷があったりすると内部被曝を強く起こすからだ。もともとあった皮膚炎が内部被曝によって、血管の内皮細胞に影響をもたらしたと考えられる。一番許せないのは、裁判官が常にJCOと国の側に立って、原告の立場に立とうとしなかったことだ。日帝―国家権力は、放射線被曝が人体に与える影響を過小評価することによって、原爆被爆の影響と原子力政策で生み出された被曝者への影響を隠蔽しようとしている。この姿勢は、長崎の「被爆体験者」の被爆者認定の問題や「黒い雨」地域の被爆者認定の問題、そして、被爆二世への遺伝的影響をめぐる日帝―厚生労働省の姿勢にも貫かれている。障害者差別を許すことなく、被爆者(ヒバクシャ)・被爆二世・三世が安心して生きていける世界を作るためにも、被曝(ヒバク)の実相を明らかにして、あらゆるヒバクシャ・ヒバク二世・三世に対する国家補償にもとづく差別なき援護を実現していこう。あわせて、核兵器も原子力発電所も無い世界を実現していこう。

 

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