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  ■11月岩国国際反戦闘争へ総決起を

 沖縄・岩国・神奈川の反基地闘争への連帯を強化しよう

 アジア米軍総撤収! 米軍再編粉砕!





 すべての労働者人民の皆さん!米軍再編との闘いは、自公連立政権の崩壊と鳩山連立政権の成立によって、いま極めて重大な局面を迎えている。沖縄・岩国・神奈川の反基地闘争への連帯を強化し、アジア米軍総撤収、米軍再編計画の撤回に向けて全力で闘わねばならない。このようななかで、アジア共同行動日本連絡会議は、十一月二十九日(日)に四回目の岩国国際集会を開催する。また、その前日の二十八日(土)には、フィールドワークや岩国住民との交流会、〇九岩国・労働者反戦交流集会などの諸企画が開催される。この岩国での二日間にわたる闘いに全国各地からの総結集を組織し、その大成功を闘いとろうではないか。



 ●1章 重大な局面を迎えた米軍再編との闘い


 日米両国政府は、二〇〇五年十月に「日米同盟:未来のための変革と再編」(米軍再編『中間報告』)に合意し、二〇〇六年五月に「再編のためのロードマップ」(米軍再編『最終報告』)に合意した。それは、「対テロ」戦争を推進した米帝・ブッシュ政権にとって、米帝の世界的な軍事戦略のもとに日米同盟を再編成し、米軍基地の再編と日米軍事一体化を推進しようとするものであった。そして、日本政府に対して、日米同盟を強化するために集団的自衛権行使の合憲化や憲法九条改悪を迫りつづけたのだった。オバマ政権は、九月二十五日の国連総会一般演説が示すように、ブッシュ政権の「単独行動主義」から転換し、帝国主義による世界支配を維持するための政治的・軍事的責任分担をEUや日本に対してより強く要求していこうとしている。このようなオバマ政権にとって日米同盟の重要性は、ブッシュ政権時代と何ら変わらない。そして、日本の自公連立政権もまた、日米同盟の強化を掲げて米軍再編・日米軍事一体化を推進し、集団的自衛権行使の合憲化、海外派兵恒久法制定、自衛隊の敵基地攻撃能力の保持、憲法九条改悪などの戦争国家化をおし進めようとしてきたのだった。

 そのもとで、米軍再編の焦点となってきた沖縄・岩国・神奈川においては、米軍再編・基地強化に反対する住民の闘いに対してすさまじいばかりの弾圧をうちおろし、「安保・外交は国の専管事項」だとして、各地の地方自治体の首長に屈服と協力を迫ってきた。沖縄においては、辺野古新基地建設を阻止するための海上抗議行動に殺人的な弾圧を加え、海上保安庁の艦艇のみならず、二〇〇七年五月には海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」までを動員して闘いをおしつぶそうとした。岩国においても、二〇〇六年三月十二日の岩国住民投票において、圧倒的多数の住民が厚木基地の米艦載機移駐に反対する意思を表明したにもかかわらず、移駐に反対する井原市長に対して新市庁舎建設への補助金を停止するなど、あらゆる手を尽くして屈服を迫った。そして、二〇〇八年二月の市長選挙では、すさまじいばかりの選挙介入を行い、ついに井原市長を引きずりおろしたのだ。神奈川においても、同様の事態がくり広げられ、米軍再編・基地強化に反対していた周辺の自治体首長に屈服と協力を強いていった。いかに住民が反対しようとも、その声と闘いをおしつぶし、あめとムチを総動員して地方自治体の首長に屈服と協力を迫り、米軍再編を強行してきたのである。まさにその過程は、地方自治と民主主義を絞殺していく過程でもあったのだ。

 だが、八月三十日の総選挙における自民党・公明党の歴史的な惨敗と民主党の圧勝、鳩山連立政権の成立という事態は、米軍再編・基地強化を阻止するための闘いにとって大きな局面の変化をもたらした。民主党もまた日本の資本主義・帝国主義を擁護するということでは自民党と共通の基盤に立つ保守政党であり、この政権交代の主要な性格は自民党と民主党という保守二大政党間の政権交代に他ならない。われわれは、民主党に対していささかも幻想を抱くことはできない。しかし、民主党・社民党・国民新党は、社民党の強い要求を受けて、その連立政権合意書に「沖縄県民の負担軽減の観点から、日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」ことを盛り込んだ。民主党に対してこのような連立政権合意を強制したものは、何よりも沖縄・岩国・神奈川をはじめとした米軍再編・基地強化に反対する住民の闘い、これに連帯する全国各地の労働者人民の闘いにほかならない。

 日米両国政府による米軍再編「ロードマップ」合意から三年を経て、自公連立政権によるすさまじい圧力と対峙しつつ、米軍再編・基地強化に反対する各地の住民の闘いは大きく前進してきた。沖縄においては、辺野古新基地建設を阻止するための闘い、高江ヘリパット建設に反対する闘いが断固として組織されつづけ、嘉手納・普天間爆音訴訟など基地被害に対する闘いもさらに広がってきている。これらを反映して、昨年六月の県議会選挙において野党勢力が過半数を制し、普天間基地の辺野古移設に反対する県議会決議が昨年七月十八日に採択された。そして、今回の総選挙においても、沖縄のすべての小選挙区において自民党は敗退し、辺野古移設に反対する候補が当選した。さらに自民党は、比例区においても沖縄から一人の議員も当選させられず、文字通り壊滅的な敗北を喫した。その結果は、沖縄の労働者人民の要求が何であるのかを余りにも鮮やかに示すものであった。岩国においても、二〇〇八年二月の市長選挙での惜敗を乗りこえ、愛宕山米軍住宅建設に反対する地元住民の闘いが大きく発展してきた。また岩国爆音訴訟や愛宕山訴訟の提訴など、岩国基地大強化と対決する四つの訴訟が並行して推進されてきている。今回の総選挙でも、岩国市を含む山口二区においては、米艦載機移駐に反対する民主党候補が勝利した。神奈川においても、原子力空母ジョージ・ワシントンの横須賀母港化、キャンプ座間への米陸軍第一軍団前方司令部の移駐や戦闘指揮訓練センターの新設など、相次ぐ基地強化に対して粘り強い闘いが組織されてきた。まさにこのような米軍再編・基地強化に反対する闘いこそが、米軍再編「ロードマップ」を大きく揺るがしてきたのだ。

 民主党は、沖縄ビジョン(二〇〇八)において普天間基地の県外・国外移設を提起し、今回の総選挙においても鳩山は「最低でも県外移設」と主張した。しかし、マニフェストには県外・国外移設とは明記せず、連立政権協議においてもぎりぎりまで社民党の要求を拒否しつづけた。そして、日米同盟に亀裂をもたらすことを恐れ、オバマ政権に正面から県外・国外移設を提起することすらできずに、動揺をくり返してきた。「緊密で対等な日米同盟」の強化を「東アジア共同体」の創設とともに外交の基軸とする民主党には、普天間基地の県外・国外移設や米軍再編の見直しを推進する立場も路線もない。民主党がこれまで県外・国外移設を唱えてきたのは、自公連立政権に反発する労働者人民を民主党のもとに引きつけるためであった。また、沖縄選出の民主党議員が、沖縄の人民の闘いに突き動かされて県外・国外移設を主張してきたからであった。オバマ政権は、このような民主党の動揺を見透かしたように、鳩山政権に対してこれまでの辺野古移設案がベストだとして、「ロードマップ」にもとづく米軍再編の推進を迫ってきているのだ。

 このようななかで、十月二十日・二十一日にゲーツ米国防長官が来日、十一月十二日・十三日にはオバマ大統領が来日し、日米首脳会談が開催される。これらの会談において、オバマ政権は日米同盟の強化を改めて鳩山政権と確認し、インド洋での自衛隊の給油活動の継続、普天間基地の辺野古移設を含む米軍再編の推進などを迫ってくるであろう。まさにこの十月から来年度予算案の編成が終了する年末にかけて、米軍再編との闘いは決定的に重要な局面を迎える。沖縄では、九月十八日に「普天間基地の即時閉鎖・辺野古新基地建設反対!9・18県民大会」が開催され、十月二十二日・二十三日には「基地の県内移設に反対する県民会議」の代表団が鳩山政権への要請行動を行った。そして、オバマ来日直前の十一月八日には、「辺野古への新基地建設と県内移設に反対する県民大会」を数万人規模で開催する準備が進められている。岩国や神奈川の反基地運動もまた、鳩山政権に自らの要求を突きつけ、米軍再編・基地強化を阻止するために攻勢的な闘いにうってでようとしている。沖縄・岩国・神奈川をはじめとした各地の反基地運動への連帯を強化し、米軍再編・日米軍事一体化を阻止するために全力で闘わねばならない。労働者人民の闘いこそが一切の鍵を握っているのであり、新たな情勢を切りひらくことができる。



 ●2章 岩国集会の大成功をかちとろう


 このような重大な局面において、アジア共同行動日本連絡会議は十一月二十八日(土)・二十九日(日)の両日、岩国へ全国から総結集し、二日間にわたる取り組みを成功させることを呼びかけている。現在までに公表されている予定によれば、十一月二十八日(土)午後二時からアジア共同行動日本連と〇九岩国・労働者反戦交流集会実行委員会(以下、労働者実行委員会)の共催によるフィールドワークおよび岩国の四つの訴訟の原告団を中心とした住民との交流会が開催される。そして、夕方からは労働者実行委員会の主催による〇九岩国・労働者反戦交流集会、「軍事基地と女性」ワークショップ、あすじゃによる前夜祭などの諸企画が開催される。翌二十九日(日)には、午前十時から午後二時までアジア共同行動日本連の主催による「アジア米軍総撤収!米軍再編計画の撤回を!基地強化―愛宕山米軍住宅建設反対!岩国国際集会」が開催され、その後岩国基地へのデモが行われる。そして、この全過程に韓国の反基地運動の代表、労働運動の代表が参加する予定である。われわれ共産主義者同盟(統一委員会)は、この十一月岩国集会の開催を断固として支持し、その成功のために全国の闘う労働者人民の総結集をつくりだしていくことを呼びかける。そして、十一月岩国集会を通して以下の闘いを大きく前進させていくことを提起したい。


 ▼1節 岩国基地大強化―愛宕山米軍住宅建設を阻止しよう


 第一の課題は、岩国住民との連帯を強化し、岩国基地大強化―愛宕山米軍住宅建設阻止に向けた闘いを全国の労働者人民の課題へとさらにおしあげていくことにある。厚木基地からの米艦載機移駐によって、岩国基地は朝鮮半島―全世界への米軍の出撃拠点として一挙に強化されようとしてきた。それは、岩国住民にとって巨大な米軍基地との「共存」を子供や孫の代に至るまで強制され、米軍機による騒音、性暴力事件などの米軍犯罪に苦しめられ続けることを意味する。とりわけ、愛宕山開発跡地における米艦載機移駐にともなう米軍住宅建設は、フェンスに囲まれ米兵が警備する「第二の米軍基地」を住宅地の真ん中に建設しようとするものであり、岩国基地の大拡張そのものである。

 このような岩国基地大強化に対して、岩国の住民は決してひるむことなく、大きく闘いを前進させてきた。そこには、戦後、長期にわたって岩国基地の存在に異議を唱えることができなかったことがこのような事態を招いたのだという住民の痛切な総括、そして子供たちや孫たちに基地の無い、平和な岩国を残したいという切実な願いがこめられている。米艦載機移駐に反対するという住民の意思を圧倒的な賛成票をもって表明した二〇〇六年二月の岩国住民投票を転換点として、岩国基地大強化に反対する闘いは、全国各地の反基地運動においてもまれに見る広がりと大衆性をもっておしすすめられてきた。とりわけ、この一年間の闘いの前進はめざましい。

 昨年末から今年一月にかけて、山口県都市計画審議会での米軍住宅建設につながる「愛宕山開発事業中止」に反対する数次にわたる申し入れ・抗議行動が取り組まれ、審議会委員のうち五人が中止決定に反対するというところまでおし込んだ。並行して開始された愛宕山米軍住宅建設に反対する署名運動は、岩国市分だけで五万筆を越え、他地方からの分を含めて実に十一万二千筆に達した。四月七日には、「愛宕山を守る市民連絡協議会」の代表団が上京してこの署名と要望書を防衛省・外務省に提出、愛宕山米軍住宅建設を絶対に許さないという意思を麻生政権に突きつけた。四月十二日には愛宕山地区で初めて米軍住宅建設に反対する住民集会が開催された。愛宕山米軍住宅建設は、米艦載機移駐のために不可欠のもので、これを阻止できるならば艦載機移駐そのものを破綻させていくことにつながっていく。愛宕山地元住民、岩国住民との連帯を強化し、何としても愛宕山米軍住宅建設を阻止するために全国からの支援を集中していかねばならない。

 これらの愛宕山米軍住宅建設に反対する闘いに加えて、岩国では現在、四つの「岩国基地訴訟」が並行して推進されてきている。昨年来の岩国基地の新滑走路建設のための埋立をめぐる「公用水面埋立承認取消訴訟」に続いて、三月二十三日には岩国爆音訴訟が四百七十六人の原告団によって提訴された。この爆音訴訟は、午後八時から翌朝八時までの飛行やエンジン作動の差し止め、それ以外の時間帯について騒音を六十デシベル以下に抑えること、市街地上空での旋回・急上昇訓練の差し止め、損害賠償などだけではなく、厚木基地からの米艦載機の移駐そのものの差し止めまでも請求するもので、まさに岩国基地大強化と正面から対決し、岩国基地の機能を大きく制限するものである。さらに、七月三十一日には、愛宕山開発計画の中止を認めた国に対して開発事業の継続を求める愛宕山訴訟が提訴された。こうして、岩国では埋立承認取消訴訟、爆音訴訟、愛宕山訴訟という空・海・陸の訴訟が同時に闘われている。これに加えて、岩国市に対して米軍住宅建設にかかわる市長協議報告書非開示決定取消訴訟が取り組まれている。このような「岩国基地訴訟」への支援を強化していくことはますます重要な課題となってきているのだ。

 このような昨年末からの過程はまた、岩国基地大強化―愛宕山米軍住宅建設に反対する闘いが全国的な課題へとおしあげられていく過程でもあった。昨年十一月二十九日・三十日の岩国集会において、愛宕山を守る会との交流会が開催された。全国からこれに参加した労働者人民は、大きな感銘を受けるとともに、愛宕山米軍住宅建設に反対する闘いへの支援に全力で取り組むことを確認した。これを出発点として、昨年末から今年一月初めにかけて取り組まれた山口県都市計画審議会への共同申し入れ賛同団体署名には、九州・山口や関西を中心に多くの労働組合・大衆団体が連名・協力した。また、愛宕山米軍住宅建設反対署名は、まさに全国的な取り組みとして組織された。これらを受けて、六月十三日には〇九岩国・労働者反戦交流集会実行委員会が結成されるとともに、愛宕山を守る会代表の岡村寛さんを招き、労働者実行委員会とアジア共同行動日本連の共催で「愛宕山に米軍住宅はいらない 岩国基地大強化反対 6・13関西学習交流集会」が約百七十人の結集で開催された。このようなアジア共同行動日本連と労働者実行委員会の闘いは、岩国基地大強化―愛宕山米軍住宅建設に反対する岩国住民への連帯と支援を全国におし広げていく闘いに大きく寄与するものであった。

 今年十一月の岩国集会は、このような一年近くをかけた闘いの上に開催される。米軍再編との闘いが重大な局面を迎えるなかで、全国的には普天間基地撤去・辺野古新基地建設阻止という課題が大きく焦点化してきた。岩国基地大強化―愛宕山米軍住宅建設に反対する闘いにとっても、現在の局面はきわめて重要である。鳩山政権・防衛省による米軍住宅建設のための愛宕山開発跡地の購入を絶対に許さず、「岩国基地訴訟」の勝利をかちとり、米艦載機移駐を中心とした岩国基地大強化を破綻させていかねばならない。十一月岩国集会への全国からの総結集を実現することによって、闘う岩国住民との連帯をしっかりと打ち固め、岩国基地大強化を阻止する闘いをさらに大きく発展させていこう。


 ▼2節 アジア人民の国際共同闘争で米軍総撤収を実現しよう


 第二の課題は、沖縄・岩国・神奈川の反基地闘争の結合によって米軍再編と対決し、アジア人民の反帝国際共同闘争でアジアから米軍を総撤収させていくための闘いをさらに前進させていくことにある。二〇〇六年十一月の第一回の岩国国際集会以来、アジア共同行動日本連は岩国国際集会に沖縄や神奈川の反基地運動の代表を招請し、沖縄・岩国・神奈川の反基地闘争の結合を促進していくことを重視してきた。米軍再編との闘いが重大な局面を迎え、普天間基地の岩国基地への移設案までが一部で報道されるという流動状況のもとで、このことがますます重要な課題となってきている。今回の十一月岩国集会にも、沖縄・神奈川の反基地運動の代表が参加を予定している。沖縄・岩国・神奈川の反基地闘争の結合をもって、米軍再編計画そのものを撤回させていくために全力で闘おうではないか。

 そして、アジア人民の国際共同闘争で、米軍をアジア太平洋地域から総撤収させていく展望を切りひらいていかねばならない。米軍再編は、米帝国主義の世界的な軍事戦略にもとづくものである。東アジアに駐留する十万人の米軍は、朝鮮民主主義人民共和国を軍事的に包囲し、中国を牽制するとともに、帝国主義による支配と闘うアジア各国・地域の労働者人民を抑圧するために日々展開している。そして、イラクやアフガニスタンなど世界各地での侵略戦争の戦場へと派兵されてきた。アジア太平洋地域に駐留する米軍は一体のものであり、米軍にとって国境は存在しない。このような侵略戦争のための軍隊、人民抑圧のための軍隊である米軍をアジア太平洋地域から総撤収させていくことはますます重要なアジア人民の共通の課題となってきている。韓国では、駐韓米軍の再編にともなう米軍基地強化と対決し、ピョンテク米軍基地拡張阻止闘争に続いてムゴン里演習場拡張阻止闘争などが組織され続けてきた。フィリピンにおいても、VFA(米軍一時駐留協定)にもとづいて再駐留をすすめる米軍を撤退させるための闘いが組織されてきた。米軍再編・日米軍事一体化を阻止し、沖縄と日本から米軍基地を撤去させていくためには、このようなアジア各国・地域での反米軍闘争との連帯を強化し、アジア太平洋地域からの米軍総撤収に向けた展望を切りひらいていくことがますます求められてきているのだ。

 アジア共同行動日本連は、一貫してこのようなアジア各国・地域の反米軍闘争への連帯、アジア太平洋地域からの米軍総撤収に向けた国際共同闘争を推進してきた。そして、二〇〇六年の第一回岩国国際集会以来、毎年秋の岩国国際集会に海外の代表を招請してきた。このような積み上げのうえに、去る九月二十六日・二十七日にアジア太平洋の各国・地域の代表の参加によって開催されたAWC第三回総会では、当面する重要な活動方針の一部として「アジア太平洋地域において反戦平和闘争を共同で推進する」こと、「アジアから米軍の総撤収を実現するための共同闘争を推進する」ことが決定された。また、「米軍再編計画に反対し撤回をかちとろう 岩国基地大強化に反対しよう アジア太平洋地域の米軍総撤収をかちとろう」という決議が採択された。このように、アジア太平洋地域からの米軍総撤収に向けた国際連帯と共同闘争が着実に前進してきている。今回の十一月岩国集会にも、韓国の反基地運動の代表などが参加する予定である。このような国際共同闘争はまた、米軍再編・基地強化と対決する岩国住民の闘いを大きく激励するものとなるであろう。岩国基地大強化に反対し、基地のない岩国を願う住民のたたかいは、米軍再編・基地強化と対決する全国の闘いの一部であるだけではなく、韓国やフィリピンの反米軍闘争につながっていくものである。そして、それはまた米軍総撤収を求めるアジア太平洋地域の労働者人民の共通の要求と結びついていくものである。まさに、岩国の住民の闘いにこそ正義があるのだ。十一月岩国集会を通して、このような実感と確信を岩国の闘いのなかにおし広げていくために奮闘していかねばならない。


 ▼3節 各階級層の闘いを前進させ、11月岩国集会への総結集を


 第三の課題は、労働運動・学生運動・女性運動など各階級層の闘いを大きく前進させ、十一月岩国集会への全国からの総結集を実現していくことにある。今回の十一月岩国集会では、二十八日夕方に「〇九岩国・労働者反戦交流集会」(主催・労働者実行委員会)、「軍事基地と女性」ワークショップ(主催・同ワークショップ実行委員会)、「前夜祭」(主催・あすじゃ)が開催される。われわれは、それぞれの責任団体によって自主的に準備されているこれらの諸企画の開催を支持し、その成功のために努力していくことを呼びかける。

 労働運動においては、二〇〇七年十月の第二回岩国集会において初めて労働者反戦交流集会が開催され、二〇〇八年十一月の第三回岩国集会においても労働者反戦交流集会が開催された。そして、昨年の労働者反戦交流集会を開催した実行委員会は、昨年末からの山口県都市計画審議会への共同申し入れ賛同署名、愛宕山米軍住宅建設反対署名に全力で取り組み、労働運動のなかに岩国基地大強化反対―愛宕山米軍住宅建設阻止という課題をおし広げていった。これらの闘いに立脚して、四月十一日には「〇九岩国・労働者反戦交流集会実行委員会」の準備会が発足し、六月十三日には全国各地の労働運動からの六十二人の呼びかけ人によって正式に実行委員会が結成された。この労働者実行委員会は、六月十三日の愛宕山を守る会代表の岡村寛さんを招いた関西交流集会をアジア共同行動日本連とともに開催し、この九月から十月にかけて三回目の岩国・労働者反戦交流集会の成功に向けて各地での基調議論や企画に取り組んできた。

 労働者実行委員会は、岩国基地大強化に反対し、岩国住民の闘いへの支援と連帯を全国の労働運動のなかにおし広げていくこと、十一月岩国・労働者反戦交流集会の成功を実現すること、このことを直接の課題とする実行委員会である。しかし、労働者実行委員会はそれにとどまらず、反戦反基地闘争をたたかう労働運動の再生、労働者反戦闘争の全国的な再生を掲げた実行委員会として形成されてきた。世界金融危機・同時不況のただなかで、労働者反戦闘争の全国的な再生は労働運動の将来、階級闘争の将来にとってますます重大な課題となってきている。労働者実行委員会は、岩国闘争を焦点にしつつ、再生すべき労働者反戦闘争の新しい質と実践を先行的につくりだしていこうとしてきたのだ。このような労働者実行委員会の闘いは、昨年にくらべて呼びかけ人が大きく拡大したことに示されるように、全国の労働運動のなかに広がってきた。そして、各地方ごとに呼びかけ人を中心とした会議や企画が開催され、労働者実行委員会が実質あるものとして形成され始めている。この昨年の岩国集会から一年をかけた努力に立脚し、全国各地の労働運動のなかから、十一月岩国集会への大結集をぜひとも実現していこうではないか。

 岩国国際集会においては、二〇〇六年十一月の第一回国際集会において「軍事基地と女性」をテーマとする分科会が開催されて以来、米軍による性暴力事件との闘いが重要な課題として掲げられ続けてきた。そのようななかで、二〇〇七年十月十四日に、広島市で岩国基地所属の米海兵隊員四名が当時十九歳の女性を集団レイプするという事件(広島事件)が発生した。これに対して広島地検は、断じて許せないことにこれらの米海兵隊員を不起訴処分とし、裁判権をアメリカに譲り渡した。そして、岩国基地の「大軍法会議」は集団レイプの事実を否定し、懲役一年から一年六カ月というきわめて軽い判決を言い渡した。岩国国際集会に参加した女性たちやともに闘う学生・労働者は、この広島事件を徹底して弾劾し、米領事館への抗議行動を組織し、広島県警・地検に対する公開質問状への回答を迫り、被害女性の尊厳の回復と正義の実現を要求して闘いぬいてきた。そして、広島事件から二年となるこの十月には、あすじゃ女性部会の呼びかけによって、「10・14米軍集団レイプ事件を忘れない!全国行動」が岩国基地正門前を含む各地において取り組まれた。十一月岩国集会においても、これらの闘いを引きついで「軍事基地と女性」に関するワークショップが開催される。この数年の米軍による性暴力事件を弾劾する闘いをともに推進してきた女性たち、青年学生や労働者の結集をぜひとも実現していこう。また、第一回の岩国国際集会から一貫して参加してきた学生団体のあすじゃもまた、十一月二十八日に全国の学生に呼びかけて岩国現地での「前夜祭」を開催し、岩国国際集会に総結集していこうとしている。 積み重ねられてきた毎年秋の岩国集会は、アジア共同行動日本連の主催による国際集会だけではなく、労働運動・青年学生運動・女性運動などが自主的に開催する企画をもって主体的に結集することによって、内容豊かなものへと発展してきたのだ。

 十一月岩国集会まで、残すところあと一カ月となった。反帝国際主義派を中心として、全国の闘う労働者人民の総結集を実現するために奮闘しよう。岩国基地大強化―愛宕山米軍住宅建設を阻止し、米軍再編計画の撤回を闘いとり、アジア人民の国際共同闘争でアジアからの米軍総撤収を切りひらいていくために、全力をあげて闘おう。

 

 

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