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  ■6月アジア共同行動の成功へ向け奮闘しよう

  反失業・反貧困、反戦・反米軍の国際連帯運動の推進を

  




 ●1 恐慌下の反帝国際主義の闘い


 世界恐慌が爆発している。各国政府は、膨大な国家資本の投入や減税を金融資本や大企業へ実施している。四月のG20サミットでは、各国のGDPの約2%、総額約五兆ドル(五百兆円)の財政出動が確認された。同時に労働者の大量首切りが横行している。派遣や期間工など非正規の不安定雇用労働者の犠牲は甚大である。多くの労働者階級は、大失業と低賃金・貧困に直面している。

 他方、米帝など帝国主義諸国やBRICsの新興資本主義大国の国益・保護主義を押したてた市場争奪戦は激しい。それは戦争や出兵という軍事的覇権争いと結合し加速している。イラク、アフガン戦争を継続し強化する米帝と帝国主義列強。中東からアフリカにおける権益抗争を反映し、海賊対策と称するアデン湾・ソマリア沖への諸列強・大国の出兵が続く。日帝麻生政権もインド洋給油活動、アデン湾・ソマリア沖へと自衛隊派兵を強行した。先日の朝鮮民主主義人民共和国(以下、共和国)の二度目の核実験も、強まる軍事外交を反映している。

 恐慌情勢は失業と戦争を激発させるのだ。一九三〇年代の世界大恐慌。米帝の救世主ルーズベルト政権による救済事業や失業対策、政労使の一体化した国家主導経済、農業の国家統制など、大規模な恐慌対策が行なわれた。しかし、結局は、戦争・軍事と経済を一体化させ、帝国主義諸国の侵略反革命・世界戦争へ帰結した。当時、各国の労働者階級人民は国際主義に立って勇敢に激烈に闘った。だが、スターリン主義・一国主義路線は、国際的な労働者人民の前進を許さなかった。分断化と抑圧を強化され、その上、帝国主義者の側に立った民族排外主義・差別迫害・反革命ファシズム勢力の暴力的攻撃を受け、労働者階級・被抑圧人民の闘いは後退を余儀なくされた。

 現代世界が三〇年代と同じだと単純には言えない。今日、グローバリゼーションと多国籍企業の展開、金融資本の投機的活動は、当時と比して、すさまじく発展している。

 つまり、生産と消費の社会化・地球規模化がとてつもなく強まる一方、資本主義・帝国主義による搾取・略奪が激化し、膨大な富の専有が進んだ。その結果、失業と低賃金化が横行し、貧富の格差が激化し、地球環境を破壊し、市場と勢力圏を争奪するための戦争、過剰生産と金融の投機的活動による恐慌が爆発した。こうした資本主義・帝国主義を原因とする固有の災厄・諸矛盾は、かつてない規模と深さ、広がりで激化している。

 恐慌と戦争の時代に際して、現代の共産主義者、そして労働者・被抑圧人民の解放運動を担う者たちの任務と総路線は明らかである。それは、資本主義・帝国主義独占ブルジョアジーを打倒し、労働者階級・被抑圧人民による国際的な社会主義革命を闘いとることである。帝国主義打倒、社会主義国際革命の総路線の実現に向け、労働者階級、被抑圧人民の主体的力量を拡大強化し、各国階級闘争の国際主義的結合と相互支援を強化していくことは、今日、最大の課題である。

 我々は階級的労働運動建設を極めて重視している。全国、そして地方や地域において拠点労働運動の建設や防衛にむけ、組織力量を注ぎ、共闘を強めている。恐慌事態は労働運動の組織化を強化し、かつ社会主義革命との結合を進めていく歴史的機会にほかならない。

 さらに、「日米のアジア侵略支配に反対するアジアキャンペーン」(AWC)、並びにその構成団体であるアジア共同行動日本連絡会議を発展させることが決定的に重要である。一九九二年以降、反戦反米軍、反グローバリゼーション、反帝国際連帯運動を営々と推進してきたAWC運動。恐慌、戦争、差別、民族排外主義と闘い、労働運動や被差別大衆の解放運動の強化を推進していく大衆的反帝闘争と国際主義の政治統一戦線である。六月二十一日―七月二日、アジア共同行動日本連は、韓国民主労総活動家を招き、韓国やフィリピンなどアジアの人民闘争との連帯を訴え、反失業・反貧困、反戦・反米軍の国際連帯集会・デモを各地で闘おうとしている。六―七月アジア共同行動をぜひとも成功させよう。



 ●2 AWC日本連の09年闘争方針に連帯しよう


 六―七月アジア共同行動の成功に向け、AWC日本連の〇九年方針について、簡単に押さえておこう。我々はAWC日本連の〇九年方針を断固支持する。そしてこの方針の実現のために全力をあげて支援していく。活動方針の軸は、第一に、反戦反基地闘争、すなわち米軍再編粉砕闘争を沖縄、岩国、神奈川の闘いを結合し、闘うこと。第二に、世界金融恐慌―大不況のなかで、労働者民衆への大量失業・低賃金・貧困化の攻撃と闘い、反貧困・反失業闘争、労働運動・民衆運動の前進を支援していくこと。第三に、アジア米軍総撤収をかちとるために、労働者民衆運動の国際的な交流と相互支援、共同闘争を組織することである。主な活動計画として、五月にフィリピンISA(国際連帯集会)派遣、沖縄現地闘争をすでに闘い、次いで六月のアジア共同行動各地集会、8・6広島闘争、八月(二十二・二十三日)全国反戦合宿、九月二十六―二十七日には「日米のアジア侵略支配に反対するアジアキャンペーン」(AWC)第三回国際総会と各地連帯集会、十一月には韓国労働者大会派遣、二十八―二十九日の岩国反基地支援の現地行動が予定されている。AWC日本連の運動と組織を拡大し強化することも意識的に方針化されている。会員拡大にむけ、会則が新たに改訂された。組織拡大方針の下で、左派労働運動、学生運動、青年運動、女性運動、被爆者解放運動、障害者解放運動、部落解放運動、市民、人士、そしてAWC各地実行委などが参加・賛同する。

 〇九年初頭から、アジア共同行動日本連は、米軍再編攻撃が煮詰まる沖縄・辺野古新基地建設阻止や岩国基地強大化・愛宕山米軍住宅の反対闘争へ支援を拡大してきた。辺野古新基地建設阻止の闘いでは、首都圏を中心とした辺野古実が呼びかけた「沖縄県議会決議を尊重し、辺野古新基地の断念を求める国会請願署名」運動を推進し、総計十四万数千筆を提出した。防衛省による普天間代替施設(辺野古新基地建設)環境影響評価準備書に対して、五千八百以上の反対意見の組織化も支えた。米軍再編実施条約となった「グアム移転協定」反対闘争では、連続した国会抗議行動の一翼を担い、参院否決をかちとる。「民意」のひとかけらも無い衆院優先によるグアム協定「強行」を徹底的に弾劾した。岩国闘争では愛宕山米軍住宅反対五万人署名を支援し、約十一万五百筆という広範な組織化の一端を担った。約二千名結集の4・12「米軍住宅NO!」愛宕山大集会や、5・5岩国基地オープンデーの反基地行動にも取り組んだ。

 四月上旬、共和国の衛星発射にたいして、日帝は迎撃ミサイル態勢を取り、民族排外主義と朝鮮戦争準備を全面化した。AWC日本連は、各地で防衛省とその分局へ抗議行動を組織し、在日諸団体やAWC韓国委員会とともに闘った。フィリピンISA派遣では、日比治安当局から派遣メンバーが入国拒否・強制送還の暴挙を受ける。これに共同反撃を組織し、ISA二十五周年参加を貫徹。十七カ国地域の参加した「反帝闘争を担う労働者階級国際連帯」のマニラ・メーデー参加や本会議・エキスポージャー参加を行なった。

 薩摩侵略四百年、琉球処分百三十年という節目に差別軍事支配への怒りが充満する五月の沖縄現地。沖縄現地闘争として、5・15―16の沖韓民衆連帯の取り組み、5・15牧志公園での集会・デモ、5・17県民大会などに参加した。東京の沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックによる5・15集会にも取り組んだ。

 そしてAWC日本連に参加する労組の工場閉鎖・解雇攻撃に抗議し、当該労組への支援や各種の激励行動も闘っている。このような日本連の〇九年前半活動の集約としても、六―七月アジア共同行動が各地で開催される。



 ●3 反失業・反貧困を闘おう


 六―七月アジア共同行動の集会と関連企画は、二十一日北九州、二十七日名古屋、二十八日東京、二十九日大阪、三十日京都、七月一日神戸、二日福山で行なわれる。これに対して、我々は次の獲得目標をもって、闘うよう呼びかける。

 第一には、労働者民衆の反失業・反貧困闘争の一環として組織し、闘うことである。世界恐慌のもとで、日本経済も完全に大不況へ突入した。〇八年の貿易収支は、統計上七千二百五十三億円の赤字となった。〇九年一月―三月のGDPはマイナス15・2%(実質年率)。戦後最大の減少を記録。需給ギャップは、少なくとも二十兆円、今後も五十兆円規模になるという。三月、完全失業率4・8%、完全失業者が約三百六十六万人(前月六十七万増)となる。今年末には7%台、五百万人以上の大失業が予想されている。厚労省発表の非正規職労働者の失職者(昨十月―六月)は約二十万人、実際は、百万を超える労働者の大量解雇が行なわれている。大量首切り攻撃は、いまや派遣・期間工・パート・アルバイト・請負・外国人労働者などの非正規職から、正規職労働者へと及んでいる。「派遣切り」・中途解約、職場閉鎖・リストラ、倒産、退職強要、時間短縮・賃下げなど、失業と貧困化の攻撃がほとんどの労働者階級に下されているのだ。

 他方、約二百三十兆円(〇八年三月)の巨額な内部留保金を溜め込んだ独占資本には、膨大な公的資金(税金)が投入される。総事業費七十五・五兆円(財政出動十二兆円)の緊急対策に続き、総額五十六兆円(財政出動十五兆円)の補正予算がぶち上げられ、産業再生法や金融安定化法が改正され、膨大な税金によるブルジョアジー支援はますます強化される。「環境対策」を口実とした自動車・家電への支援や住宅費補助、六千億円の雇用調整金が企業支援のために注がれるのだ。これらのツケは、数年後の消費税大増税や医療・教育・福祉の切り捨てや個人負担増となり、将来の人民大収奪へ転化される。茶番そのものの定額給付金、雇用保険の加入・受給の条件を一年から六ヵ月へ「緩和」した不十分な法改正、住居喪失に直結する失業者を対象とした職業訓練と住居・生活費支援、これらが進めているが、まったく焼け石に水である。雇用・失業対策の総額は、米軍支援予算三千億円と比べ、約千二百億円しか当てられていない。

 労働者の怒りの叫びが沸騰している。「仕事をよこせ」「首切るな」「モノとちがうぞ」「生きさせろ」「金持ちや資本家優遇の社会をかえろ」。噴出する反失業・反貧困、そして反資本主義の労働者要求を組織し、闘おう。解雇・職場閉鎖、失業・貧困化を許さない労働者の抵抗と団結を組織し、左派労働運動とともに、六―七月アジア共同行動を勝ち取ろう。



 ●4 反戦反核、米軍再編粉砕を進めよう


 第二には、朝鮮民主主義人民共和国の核実験後と朝鮮戦争危機、およびイラク・アフガン・ソマリア沖への日米軍事一体化による戦争攻撃、これらを阻止する反戦反核闘争を組織すること。さらに岩国、沖縄、神奈川の米軍再編粉砕―反基地闘争をいっそう支援することである。

 五月二十五日の共和国による核実験は、被爆者解放闘争をはじめとする反核反戦運動への敵対行為であり、絶対に許すことができない。だが、五十九年間つづく、日米帝国主義の朝鮮戦争態勢と大量の核兵器配備こそが、朝鮮半島危機の真の原因である。一九四五年8・15の日帝の敗戦を機に、植民地支配から解放状態となった朝鮮半島。その朝鮮民衆の民族解放闘争を粉砕するために、米帝は侵略反革命戦争を発動し四百万人以上を虐殺した。米軍の出撃拠点が日本であり、朝鮮戦争による膨大な犠牲の上に、日帝はその「特需」から復興した。その後、南北分断化と約三万規模の駐韓米軍の配備、日米韓による朝鮮戦争演習が繰り返される。共和国を包囲・解体する日米韓軍事同盟と戦争重圧を推進する日米帝と韓国支配階級という構造が、現在も続いている。我々の反戦闘争に求められる課題は明らかである。朝鮮半島の南北労働者民衆による反日米帝闘争と自主的平和統一を支持すること。そして朝鮮戦争の休戦状態を終結するために、米朝国交回復と米朝平和協定締結、日朝ピョンヤン宣言に基づく日朝国交回復を求め、民族排外主義粉砕・朝鮮戦争阻止の反戦闘争を進めていかねばならない。

 泥沼化するイラク、アフガン戦争へオバマが増派や空爆を強めている。おびただしい死者と荒廃が生み出され続けている。その悪辣極まりない米帝の侵略戦争を支える枢軸的同盟国こそ、日帝である。今年一月、麻生は米軍支援のインド洋給油活動を延長し、海自を再派兵した。日本政府はイラク・アフガン戦費として千八百二十一億円の税金を投入してきている。三月、「海賊対策」の海上警備行動と称し、ソマリア沖へ海自護衛艦二隻・四百名が派兵された。資源豊富なアフリカ・中東の海上輸送路・戦略的要衝への出兵である。船体射撃など武力行使を強める「海賊対処新法」が今国会で狙われている。5・15、海自P3C哨戒機二機・約百名、そして陸自・中央即応連隊五十名にソマリア・ジプチへの出動命令が下った。陸自・中央即応連隊は、「対テロ」戦闘を遂行する防衛大臣直属の精鋭部隊である。神奈川県・座間基地へ米陸軍第一軍団司令部が移転しているが、この米陸軍と一体化する陸自・中央即応集団の中核部隊である。インド洋給油活動とソマリア・ジプチ派兵は、総勢千名の自衛隊が派兵され、戦後最大規模の出兵となる。これは、派兵恒久法―改憲・戦争国家化攻撃にほかならず、敵基地への先制攻撃や集団的自衛権行使へと拡大しようとする武力行使の画歴史的攻撃である。自衛隊撤兵の反戦運動をいっそう強化していかねばならない。

 沖縄・辺野古新基地建設や高江ヘリパッドを阻止する攻防も激しくなった。沖縄県議会が反対決議をあげ、沖縄世論の68%は辺野古新基地建設に断固反対である。グアム協定は、日本政府が六十・九億ドルものグアム基地の拡大・整備のための資金援助を行い、辺野古新基地建設など米軍再編全体の実施をパッケージ化し、強行するものである。「沖縄の負担軽減」といわれる海兵隊グアム移転の内容はまったく具体的に示されず、むしろ基地強化である。そして陸自第一混成団の旅団への格上げや、金武町での自衛隊射撃場建設など、沖縄における自衛隊の基地と部隊は強大化している。これと連動し、右翼ファシスト勢力や文科省が沖縄戦の集団強制死の歴史的事実を消し去り、日帝のアジア侵略戦争や沖縄戦を美化・正当化する動きが強まっている。日米帝による沖縄差別軍事支配を粉砕していかねばならない。沖縄民衆と連帯し、辺野古新基地建設阻止など安保粉砕−基地撤去の闘いを強めよう。

 岩国では、基地強大化・愛宕山米軍住宅化に反対する署名運動や現地集会・裁判闘争が進み、地元−全国を貫く闘いが大きく発展している。米軍再編反対の大衆運動の勢いは高まっている。進行中の公有水面埋立取消訴訟、それに続く、岩国爆音訴訟の開始。広がる愛宕山米軍住宅反対闘争。全国各地で岩国反基地闘争連帯を拡大し、攻防の新たな段階への支援を強めよう。秋季の岩国反基地行動をAWC日本連とともに闘った左派労働運動活動家諸氏は、本年も、岩国・労働者反戦交流集会実行委を形成して、闘おうとしている。この労働者実行委は、6・13に大阪でAWC日本連と共催した岩国反基地学習交流集会を予定している。これには「しないさせない戦争協力・関西ネットワーク」も協賛している。岩国反基地闘争の一連の支援を全国各地で拡大しよう。そして、沖縄、岩国、神奈川の反基地闘争支援―米軍再編粉砕をすすめよう。



 ●5 アジア民衆と連帯し闘おう


 第三には、強まる民族排外主義と闘い、韓国、フィリピンなどアジアの労働者民衆との国際連帯・共同闘争を組織することである。

 韓国イミョンバク政権が登場し、共和国への強硬路線や労働者民衆への抑圧・搾取が激しく進んだ。イミョンバクは、米国産牛肉自由化・BSE問題と新自由主義攻撃、雇用と生活のいっそうの破壊、駐韓米軍強化と対北対決を推進した。労働者民衆はロウソク抗議など巨万の決起を繰り広げてきた。そこに八〇年代の軍事政権に匹敵する、イミョンバク政権の大弾圧が吹き荒れた。キャンドル抗議者を不法暴力団体とレッテルを貼って取り締まり、国家保安法違反の逮捕・投獄、労組弾圧、集会への源泉封鎖などが激化している。暴力的な再開発の強制立退き・生活破壊に実力抵抗闘争を行なった撤去民の五名が虐殺された。いわゆる龍山惨事である。すでに韓国労働者の五割以上が非正規職とされ、そうした貧困・低賃金・長時間労働と無権利・不安定に呻吟する韓国労働者へ恐慌の大失業攻撃が打ち下ろされている。こうしたなかで、さる五月三日。解雇された宅配労働者の復職を要求し、労組弾圧粉砕を掲げ、パクジョンテ貨物連帯光州支部長が抗議自決した。個人請負契約で長時間・低賃金・無保険・無休日を強いられた宅配労働者の勇気ある労組への決起と三十万ウォン賃上げ合意の闘い。これを反故にする錦湖グループ・大韓通運は、携帯メールで一方的に七十八名の宅配労働者組合員を解雇した。とんでもない不当労働行為と労組弾圧に憤り、パクジョンテ烈士は命を賭して抗議した。イミョンバクと韓国・独占資本家たちによる、労働者への強搾取・大失業や労組弾圧を糾弾する象徴的事件である。以降、民主労総と民衆運動は、パクジョンテ烈士の遺志を継ぎ、「労働基本権争取と非正規職撤廃、民主労組弾圧粉砕」の総力闘争を訴えている。5・16、大田の労働者大会では怒りの実力抗議が爆発した。5・27総力闘争、さらに六月大闘争へと韓国労働者民衆闘争は突き進んでいる。粘り強い反米軍基地・南北の自主的平和統一闘争も各地で繰り広げられている。ムゴンニ演習場の拡張攻撃、ピョンテク・ウルサンの基地拡張、チェジュドの韓国海軍基地大拡張建設などに現地反対行動が取り組まれている。強制退去や騒音、環境と生活の破壊、米兵犯罪など、被害を受ける現地住民の反対闘争や労働者・学生・市民の支援運動が続いている。韓国労働者民衆の反日米帝闘争、反米軍闘争、階級的労働運動に連帯し、たたかおう。

 フィリピンでも米日帝が支えるアロヨ政権の労働者民衆への生活破壊と弾圧はきわめて厳しい。アロヨの約九年間の統治下で、国軍・警察軍による人民運動や合法左翼勢力への超法規的殺害、強制失踪、違法拘束、拷問が頻繁に繰り返されてきた。虐殺された活動家の人数は千名を超える。中央から地方まで権力者の腐敗汚職はすさまじい。財閥・大地主・軍官僚エリートの寡頭支配。その下で、米日欧帝国主義や中国、台湾、韓国の大企業が一日約七百円前後という低賃金労働力とその膨大な予備軍である流動的貧農を超過搾取する。「ノーストライキ、ノーユニオン」の経済特区には、トヨタ・日産・ホンダ・ヤザキ・味の素など日系の多国籍企業も多く侵出している。フィリピン・トヨタ労組(TMPCWA)やフィリピン・ニッサン労組は暗殺攻撃にひるむことなく団結を固め、解雇撤回を闘っている。失業率40%のなかで、一日に四千人が海外へ出稼ぎ労働者として出国する。フィリピン人海外移住労働者は約一千万人にのぼる。この労働力輸出政策は、アロヨ政権の国家収益の重要な構成要素とされ、多くの労働者農民が国内で生活できないほどの低賃金と貧困に叩き込まれている。一九九一年、フィリピン人民運動はクラーク、スービックの両米軍基地をたたきだした。だが十年前、米比間のVFA(訪問駐留軍協定)が施行された。約四千名を超える米軍が沖縄から常駐し、国軍・警察軍を指揮・訓練し、反帝民族解放―武装勢力の新人民軍やイスラム解放戦線、そして合法的左翼勢力や人民運動への「対テロ」戦争を行なっているのだ。繰り返される米兵の強姦事件・犯罪を糾弾する被害女性とカブリエラなど人民運動の闘いも広範化し、VFA撤廃の世論と闘争が高揚している。来年で任期満了となるアロヨは改憲を策動し、長期独裁権力を狙っている。反アロヨ・改憲阻止の闘いも活発化している。フィリピン人民の反帝民族解放闘争に連帯し、アロヨ政権による超法規的殺害を許さず、トヨタ・ニッサンなど日系労働争議の支援を進めよう。

 加えて今国会では、入管法改悪、ならびに関連する住基法改悪が狙われている。新たな在留管理制度を導入しようとしている。対象の滞日外国人労働者に住所・職場などの届出義務を課し、従わなければ刑事罰や在留資格取り消しを下すというのだ。外国人労働者の労働権・居住権が侵害され、あるいは「研修生・技能実習生制度」を「改善」して「技能実習生制度」へ統合し、国際批判をかわすことも目論まれている。在日朝鮮人、韓国人、中国人への監視と弾圧を少しもゆるめず、滞日外国人労働者の管理弾圧を強める差別排外主義・民族排外主義の制度的根幹に位置する入管法の改悪はまったく許されない。在日や滞日の労働者人民とともに入管法改悪阻止を闘おう。

 同志友人の皆さん。以上で、六―七月アジア共同行動に向け、我々の政治アピールを終えたい。麻生自公政権打倒の政治的条件は拡大している。六―七月を闘い、失業・貧困と派兵を強める麻生自公政権打倒の全人民政治闘争の高揚をつくりだそう。それは、九月AWC第三回総会と各地の国際連帯集会、十一月岩国反基地国際行動の決起と連動している。そのためにも、アジア共同行動日本連の運動支持・支援し、各地―全国の運動と組織の発展を断固かちとろうではないか。

 

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