共産主義者同盟(統一委員会)
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■被爆63年を迎える8・6広島現地に、反戦・反核・ 被爆者解放を掲げて闘う全ての仲間は集まれ! 侵略反革命と闘う被爆二世の会 この間の米軍再編は、日本帝国主義の軍隊である自衛隊を世界中のどこへでも、米軍と一緒に侵略反革命戦争に参戦できるようにするものだ。そのために、沖縄の米軍新基地を辺野古沖へ建設しようとし、山口の米軍岩国基地を大拡張して極東最大の基地にしようとしている。また、神奈川の横須賀米軍基地に原子力空母ジョージ・ワシントンを配備しようとしている。侵略反革命戦争のための米軍再編を、絶対に許してはならない。また、自衛隊恒久派兵法の制定を目論む日帝―福田政権は、六月三十日スーダン南部への自衛隊のPKO派兵を決定するなど、その攻撃を着々と推し進めている。我々被爆者、被爆二世、三世はこれを絶対に許さない。侵略戦争は一握りの帝国主義者の利益のために、他国の民衆を虐殺し、自国の民衆をも虐殺するからだ。それは、沖縄戦や、広島・長崎の惨劇を見ても一目瞭然だ。沖縄では、日本の軍隊が沖縄民衆に「集団自決」を強制した。そして、日帝が国体護持のために敗戦を遅らせたが故に、米軍による原爆投下をまねき広島・長崎の民衆が無差別に虐殺された。そして六十三年を経た現在も被爆者・二世・三世はその被害に苦しんでいる。日帝―福田政権は、この侵略戦争の歴史を再び繰り返そうとしているのだ。これを、絶対に許してはならない。 こうした侵略戦争を推し進める姿勢は、被爆者問題にも貫かれている。第一に、原爆症の認定を巡る問題だ。全国で、原爆症の認定却下取り消しを求めて、被爆者は集団訴訟に立ち上がっている。原爆症認定制度とは、被爆者援護法により被爆者健康手帳の交付を受けた被爆者が病気になった場合に、厚生労働大臣の「認定」を受けることによって、医療の給付を受けたり、医療特別手当の支給を受けられる制度のことだ。〇八年四月までは、被爆者健康手帳所持者の約0・8%の被爆者しか「認定」されていない。被爆者は、この認定基準があまりにも厳しく、被爆者の実態にそぐわないと集団訴訟に立ち上がった。この集団訴訟は、二度と核兵器を使用させないために、原爆被害を過小評価する日本政府の戦争責任を追及し、その姿勢を糾すものでもある。これに対して、日帝―福田政権は二〇〇八年四月より新たな原爆症認定基準を作った。このことにより集団訴訟に立ち上がった被爆者が、認定される被爆者とされない被爆者に分断された。すでに裁判に立ち上がってから五年が経過しており、原告の中には亡くなった被爆者も少なくない。今生き残っている被爆者も入院を余儀なくされている人もおり、残された時間は多くない。そんな中での分断攻撃は被爆者に新たな怒りを植え付けている。なぜなら、今月になってやっと大阪高裁と仙台高裁の判決に対し、国は控訴しなかったが、長崎地裁判決には控訴をしているし、他の裁判も控訴を取り下げていないからだ。本当に被爆者の補償をしようと考えているのなら、全ての裁判の控訴を即刻取り下げ、原告全ての認定を行うべきだ。 この原爆症認定集団訴訟を断固支持しよう! 第二に、在外被爆者の被爆者援護法の全面適用の問題だ。昨年十二月末時点で海外で暮らす被爆者健康手帳所持者は約四千三百人になる。内訳は韓国約二千九百十人、米国約九百七十人、ブラジル約百六十人などである。この数字からも、日帝がアジア侵略戦争を行った結果、多くの韓国人被爆者を生み出したことがわかる。これまで、韓国などの被爆者が数々の裁判をおこし、居住地での健康管理手当ての取得や申請などを勝ち取ってきた。しかし、問題はまだまだ残っている。日本に住む被爆者は、被爆者健康手帳を医療機関に提出すれば、医療費の自己負担分は助成される。しかし、在外被爆者の場合、医療費の助成は年間十四万五千円の上限が決められている。最も問題だったのが被爆者健康手帳の申請が日本に来なければできなかったことだ。日帝はこれまで、病気で寝たきりの被爆者に、日本に来なければ被爆者健康手帳を渡さないと言い続けてきた。それが六月十一日、被爆者援護法改正案が参議院本会議で可決され、来日しなくても被爆者健康手帳を取得申請できるようになった。年内にも施行される見通しだ。しかし、喜んではいられない。なぜなら、被爆者健康手帳を申請するには二名の承認か公的な証拠が要るからだ。その要件を緩和するよう韓国の被爆者は求めていたが未だ受入れられていない。朝鮮民主主義人民共和国にも多くの被爆者がいるが国交が無いため放置されている。日帝が起こした侵略戦争の結果、多くの在外被爆者を生み出したのだから、本来なら日本政府が、韓国や中国、台湾、朝鮮民主主義人民共和国に行き、被爆者を探し出し、被爆者援護法が受けられるよう手配しなくてはならない。全ての在外被爆者に居住地での被爆者援護法の全面適用を勝ち取ろう! 第三に、被爆体験者の問題だ。「被爆体験者」という言葉をはじめて聞く人も多いと思うので説明する。国は長崎の爆心地から十二キロメートル以内で被爆した被爆者(母親の母体内にいた胎児=胎内被爆者を含む)が申請すれば第二種健康診断受診者証を交付している。しかし第二種健康診断受診者証を所持しているだけでは、「被爆体験者」とはならない。第二種健康診断受診者証を所持し、現在も長崎県内の区域に住んでいる被爆者で、被爆体験がありなおかつ精神症状がある被爆者を国は「被爆体験者」としている。つまりこの基準では被爆体験を持たない胎内被爆者は「被爆体験者」には含まれないことになる。「被爆体験者」と認められると、被爆体験者精神医療受診者証が交付される。第二種健康診断受診者証も被爆体験者精神医療受診者証も被爆者健康手帳ではなく、健康管理手当などは支給されない。そればかりか、医療費の助成にさえ制限がある。被爆体験者はあくまで、被爆体験による心の傷により病気になった人であり、放射線との因果関係は認めていないのだ。ガンなどに罹っても助成はしない。原爆の閃光や爆風を受けたにもかかわらず被爆者援護法に基く被爆者と認められないのは不当だと、被爆体験者たちは裁判に立ち上がった。原告の数は現在三百人を超えようとしている。放射線の影響を過小評価する日帝の姿勢がここにも現れている。被爆体験者を被爆者と認めさせるために、被爆体験者の裁判を支援しよう。 第四に、被爆二世、三世問題である。被爆二世の会は全国の仲間と共に、日帝に被爆二世にも被爆者援護法を適用するよう求めて闘ってきた。今年に入り、鹿児島にも被爆二世の組織ができるなど被爆二世の活動は活発になっている。しかし、日帝は「今のところ遺伝的影響が認められない」とし、年一回の健康診断しか行っていない。その健康診断も我々被爆二世の最大の不安要素であるガンに対する検診は拒み続けている。被爆三世にいたっては健康診断すら行っていない。日帝は、被爆者問題を一世で終わりにさせようとしているのだ。ここ数年、閣僚は核武装発言や核武装論議、「原爆投下はしかたがなかった」発言などを繰り返している。そして五月五日、米軍岩国基地で行われるフレンドシップデーに、核兵器搭載可能なB52を参加させようとした。我々被爆二世の会は多くの市民団体と共に抗議し、これを中止させた。しかしこの一連の流れは被爆者が亡くなれば、すぐにでも日本に核武装させるための地ならしに他ならない。そんなことはさせない。昨年、我々の仲間が四十代半ばで亡くなった。共に8・6闘争や岩国闘争を闘ってきた仲間だ。彼の遺志を引き継ぎながら、被爆体験の継承をし、被爆二世、被爆三世への補償を求め闘っていく。それが、核兵器を使わせない世界を作り出すことになるからだ。 第五に、原子力政策と被曝の問題である。二月二十七日JCO臨界事故健康被害裁判における水戸地裁の打ち出した一審判決は、中性子線被曝を一切認めない徹頭徹尾JCOと国の側に立った許すことのできない判決だ。原告の皮膚障害の悪化や、全身の倦怠感など広島・長崎の原爆被害から見ても、急性症状とはっきりとわかる放射線被曝の問題を闇に葬ろうとしているのだ。水戸地裁は、国の原子力政策の推進のお先棒を担いで臨界事故被害者の生存権を奪おうとしているのだ。これを、絶対に許してはならない。また五月二十三日、東京地裁は福島第一原子力発電所などで働いていた労働者に対し不当判決を下した。原告は退職後、多発性骨髄腫に罹り労災認定を受けた後、「原子力損害の賠償に関する法律」に基き東京電力へ損害賠償を求めた。しかし判決では、「多発性骨髄腫とは認められない」と診断そのものを否定した上、「仮に(多発性骨髄腫と)認められたとしても放射線被曝と疾患との因果関係は肯定できない」とした。なぜなら、今の国の放射線被曝の法定限度内の被曝で多発性骨髄腫に罹ることはないからだ、というのだ。低線量被曝を認めないこの姿勢は、水戸地裁同様絶対に許してはならない。六月八日、G8と中国、韓国、インドのエネルギー相が会合を開き、青森宣言を採択した。その宣言の中で原子力発電を「多くの国が気候変動緩和とエネルギー安全保障の達成手段として、関心を示している」としている。原子力発電は温暖化対策にはならないし決してクリーンなエネルギーではない。そして日帝が、地震国であるにもかかわらず原子力発電所を作りたがる理由に核武装があることを忘れてはならない。青森宣言に抗議し、世界的な原子力発電依存をストップさせよう!新潟の柏崎刈羽原発を再稼動させてはならない。山口の上関原発建設を阻止しよう! プルサーマル計画を阻止しよう! 以上五つの課題に取り組み、要求を実現するため八月六日に広島の原爆ドーム前に集まろう! この日の広島には世界中から反戦・反核の思いを持った民衆が集まる。そうした多くの民衆に我々の反戦・反核・反原発・被爆者解放の意思を伝えようではないか! そして、国際連帯の力で、青空集会を成功させよう! |
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