共産主義者同盟(統一委員会)
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■「君が代」不起立への処分弾劾! 根津さんへの解雇攻撃を阻止 停職6カ月処分を許すな! 三月三十一日、東京都教育委員会は今春卒業式において「君が代」強制反対をたたかった教職員に対する不当処分を下した。 根津公子さんに対する処分は停職六カ月であった。解雇どう喝をもってたたかいを圧殺しようとした教育委員会の野望は粉砕された。しかし、免職処分は粉砕されたとは言え反「君が代」のたたかいに対する不当処分であることには間違いない。また東京都教育委員会は河原井さんに対しても六カ月の不当処分を下してきたのである! いっさいの「君が代」処分を許してはならない。教育のファシズム的再編とたたかおう。たたかう教職員に連帯して改悪教育基本法の実働化を阻止していこうではないか! ●@解雇攻撃を粉砕 東京都教育委員会は三月三十一日、今春の卒業式で「君が代」斉唱時に起立しなかったことなどを理由に教員二十人を懲戒処分にした、と発表した。 すでに停職六カ月の処分が出されている根津公子さんには、今回も停職六カ月であった。その処分理由には不起立とともに、校内での「君が代」に反対するトレーナー着用が含まれている。 昨年度都教委は根津さんに停職六カ月の処分を下した際、「停職は六カ月までですよ」というどう喝をおこなっている。すなわち、次年度の卒業式で「君が代」斉唱に反対したら免職―解雇であるというどう喝である。都教委は間違いなく、根津さんの免職―解雇を視野に入れた処分を検討していたのである。しかし根津さんはこうしたどう喝の中、今年度の卒業式でも「君が代」斉唱時に起立せず、あくまでも「日の丸・君が代」強制に反対する姿勢を貫いた。根津さんのたたかいは多くの市民・労働者、教職員の共感を呼び、「根津さんをクビにするな」という運動が巻き起こり、今年に入ってから都庁前に連日支援者が詰め掛けるたたかいが高揚していた。これらたたかいの結果として、断固として解雇攻撃は粉砕されたのである。 この解雇攻撃粉砕のたたかいの意義は大きい、それは第一に「君が代」処分に対して大きな風穴をあけたということである。少なくとも、「君が代」斉唱に反対する教職員の免職は阻止したということであり、たたかう教職員の現場からの排除を至上命題とする都教委の野望は完全に粉砕されたということである。 第二にそれは、今後「君が代」に反対する教職員に対しては「停職六カ月」以上の処分を出すことは困難になったということである。根津さんのたたかいはまさに、「前例」を切り開いたのである。 そしてそれは、東京都独自の「累積荷重」方式と呼ばれる処分方式をも粉砕するたたかいである。東京都における教職員の処分は、処分内容が蓄積され重罰化される。つまり初回は「戒告」であっても、次からは「減給」というように処分が重くなる。これはほとんど東京都だけが採用している処分方式であるが、前年度と同じ処分ということでこの「累積荷重」の限界性をあらわにさせるたたかいであった。 ●A「日の丸・君が代」強制の地平 こうした地平を切り開いたたたかいの根拠はなにか。第一に例え解雇どう喝があろうとも不退転で自己の貫いた根津さん自身のたたかいである。 第三に、根津さんのたたかいに共感し、「『君が代』強制で一人の教職員のクビ切りを許してはならない」という思いでたたかった多くの市民・労働者のたたかいである。こうしたたたかいがなければ、「根津さん個人」として表現されてしまい、個別的に撃破されてしまったであろう。 そして第三に〇六年の予防訴訟裁判や本年二月七日の再雇用裁判での地裁での勝利判決がある。両裁判とも原告側の教職員が「日の丸・君が代」の強制に反対することの正当性を訴えたものだが、これが地裁段階でことごとく勝利しているという事実である。すなわち都教委はこれら裁判闘争の結果から、解雇問題で発生するであろう裁判闘争に勝利する根拠を見失ったことは間違いない。 いわば今年度における「君が代」解雇阻止のたたかいは、当該教職員を先頭としながら市民・労働者、教職員のたたかいが結合した結果でもある。 ●B一切の「君が代」処分許さず闘おう しかしながら、都教委が根津さんに対して停職六カ月の処分を下したことは事実であり、決して許されることではない。半年間も職場から排除されることは、経済的にも精神的にも当該教職員に対して相当な重圧がかかるのである。われわれはあくまでも、「いっさいの君が代処分弾劾」という立場に立って、これら行政処分を弾劾していかなくてはならない。 そして同時に「日の丸・君が代」の強制は今後も続くわけであり、決して歩みを緩めてはならない。処分辞令発令の直前の三月二十八日、日帝―文部科学省は新学習指導要領を発表し、小学校段階での「君が代」を「指導する」から「歌えるように」と変更した。子どもを射程に入れた「君が代」強制が学習指導要領の目的となったのである。 われわれはこの「君が代」処分解雇阻止のたたかいの勝利的地平を継承し、あらためて教職員―保護者・市民の陣形をもって新学習指導要領とのたたかいに備えなければならない。そして「君が代」不起立を先頭としながら、より一層の大衆的包囲網の構築をもって「日の丸・君が代」強制とたたかっていこうではないか! 「日の丸・君が代」強制反対! いっさいの「君が代」処分を許さない! たたかう教職員と連帯して、労働者・市民の力で教育基本法の実働化を阻止していこうではないか! |
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