共産主義者同盟(統一委員会)
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■3・30三里塚闘争へ決起しよう 北延伸阻止! 農地強奪粉砕! 沖縄で、十四歳の少女に対する性暴力事件という許しがたい事件が引き起こされた。米側が「謝罪」しながら、その事件の直後にも、米兵による犯罪が繰り返されている。千葉県・南房総市沖では、海上自衛隊の最新鋭イージス艦あたごが漁船に激突―破壊し、漁師の父子が行方不明になるという事故が発生した。 米軍・自衛隊の蛮行を弾劾する。 米帝―ブッシュがイラク戦争を続け、日帝―福田政権が給油新法の衆議院再議決を強行してインド洋派兵を再開していることと一体に、帝国主義軍隊の犯罪が繰り返されている。軍事基地撤去! アジアから米軍総撤収! を沖縄をはじめ、全国の人民が叫び、行動に立ち上がっている。 今、派兵―参戦情勢の中で、全国の反基地闘争、反戦闘争の結合が改めて問われている。 三里塚芝山連合空港反対同盟は、日々強行される暫定滑走路延伸攻撃と対決し、現地攻防をたたかいぬいている。反戦の砦―三里塚闘争の今日的意義をしっかりと捉え返し、3・30全国集会に巨万の人民の結集を実現しよう。 ●第1章 激化する北延伸工事を阻止せよ ▼@ 東峰の森破壊―夜間工事強行の蛮行 今三里塚現地は、暫定滑走路北延伸工事との対決の只中にある。成田国際空港会社は、天神峰北部地域において国道51号のトンネル化など暫定滑走路延伸工事を本格化させている。 そして、暫定滑走路北延伸をもってジャンボ機の離着陸を狙う空港会社は、誘導路建設に踏み込んできた。そもそも、事業認定期限切れになった二期工事を、札束と恫喝で強行してきた結果が、への字に歪んだ現在の誘導路なのだ。暫定滑走路の運用そのものが危険極まりない殺人的蛮行であり、歪んだ誘導路で航空機の地上走行を行うこと自体が間違っている。その上、ジャンボ機の地上走行、離着陸を計画することなど、無謀極まりない。この自ら招いた歴史的失態を、森林の破壊と農民からの農地強奪で強行しようというのが、現在東峰地区で行われている新誘導路工事である。 空港公団―空港会社は、東峰地区農民に対して、東峰の森を伐採しないことを約束してきた。空港会社は昨年、この約束を反故にして新誘導路建設に着手した。まさに、三里塚農民の生活とたたかいを踏みにじって、東峰の森破壊を強行している。東峰地区の農道はずたずたに切断され、農地や迂回路は鉄板フェンスで囲まれている。畑地―森林、そして地下水脈などの農村の自然環境が破壊されている。農民が農民として生活する集落としての機能が破壊されているのだ。 昨年九月からは、北延伸と新誘導路建設の工事は、現滑走路の離着陸を行わない時間にしかできないという理由で、夜十一時以降の夜間工事を開始した。そもそも内陸に建設を強行した空港であるがゆえに、夜間の離着陸が制限されている。その夜間に工事を行うというのは、住民無視の蛮行である。昼は暫定滑走路の殺人的離着陸を続け、その上、夜通しの工事で騒音・振動を引き起こす。まさに、農民の生活をことごとく破壊しようとする攻撃である。 空港会社は、工事をもって、農民の生活を破壊し、たたき出しを狙っているのだ。これでもかと言わんばかりの工事強行で、農地を強奪しようというのだ。農村集落そのものを破壊する意図に貫かれた工事をただちに中止せよ! ▼A 市東さんの農地強奪攻撃に対する闘い 三里塚空港建設は、土地収用法をもって有無を言わせず農地を強奪する攻撃だった。しかし、「用地内」農民をはじめとする反対同盟は、農地死守―実力闘争によって、この攻撃の一つひとつを打ち破ってきた。そして、一九八九年十二月に土地収用法に基づく事業認定は期限切れとなり、強制収用は不可能になった。この状況下で、空港公団(現空港会社)は、成田治安法を発動して除去処分―団結小屋破壊を強行すると同時に、占有権強奪を強行して、多くの一坪共有地の違法占有を強行してきた。一方では、札束と恫喝をもっての切り崩し攻撃を繰り返してきた。 このような違法・不当な攻撃でも奪取できなかった土地に対して、新たに仕掛けてきたのが、農地法を逆手にとった耕作権強奪攻撃である。市東東市さん、ときさんの遺志を引き継ぎ、「用地内」天神峰で農業を続ける市東孝雄さんに対する集中攻撃として、この耕作権強奪攻撃はかけられている。国策空港会社が、一人の農民―市東孝雄さんが現に耕作している農地を、あろうことか農地法を「根拠」にして奪い取ろうというのだ。 空港会社は市東さんに対する裁判と同時に、天神峰現闘本部強奪裁判、一坪共有地強奪裁判をも強行している。暫定滑走路および誘導路建設の用地をなんとしても確保しようという攻撃だ。「訴訟」とは言いながら、どれも全くでたらめな「根拠」と「論理」で、およそ立証と言える代物ではない。ただただ国策空港建設だから、その主張を司法権力が認めるに違いないという、官僚―権力者の発想でなされているのだ。 現在、市東さんの裁判は二つ行われている。一つは、空港会社が、市東さんの耕作地の一部を「不法耕作」とでっち上げて「明け渡し」を要求している裁判である。もう一つは、市東孝雄さんが、「耕作権解除申請」を「許可相当」とした千葉県知事に対して、この決定を違憲として起こした行政訴訟である。 「不法耕作」でっち上げ裁判においては、空港会社は、市東さんが「不法耕作」していると主張している土地の境界確認すら行っていないことが、明確になっている。そもそも、空港会社(空港公団)は、土地を取得したとしている一九六九年に、隣接耕作権者であった市東東市さんに境界確認をしてはいない。また、旧地主や隣接地地主に対する聞き取り調査も行っておらず、その相続人に現時点での聞き取り調査をして「証拠」にしようとしている始末だ。これらは署名捺印すらなく、そもそも四十年前に怠った手続きに替えることはできない。訴訟を起こした原告側が土地の確定すらできない裁判で、法的に耕作権を奪うことを絶対に許してはならない。 県知事堂本を相手取った市東さん農地取り上げ違憲訴訟では、市東さんの代理人弁護団は、旧空港公団が耕作権強奪要求の「根拠」としている「八八年四月の土地の取得」が違法であること、そして、「農地法二十条に基づく申請」、「千葉県農業会議の決定」が違法であること、さらには、土地収用法ですら強制収用が困難になった農地を民法で収用しようなどということが違憲であることを、明確に主張している。 安倍政権―福田政権、堂本千葉県知事も、国策―成田空港建設だから、どんな超法規的な手段を用いても構わないという発想で、農地法を「根拠」に市東さんの土地強奪手続きを進めている。しかし、これは、農政の根幹を覆してしまうような重大な攻撃である。市東さんを守るたたかいは、ブルジョア法をすら踏み外した日帝の攻撃との対決である。ここからの反撃こそ、農民の闘争の拠点、全人民の闘争の拠点としての三里塚闘争の意義を鮮明にする。 ●第2章 侵略反革命の拠点―ナリタ ▼@ 年間「30万回飛行」方針粉砕! 昨年十二月二十六日、成田国際空港会社が空港の発着枠を現在の年間二十万回から一・五倍の三十万回に引き上げる方針を固めたことが報道された。 現在、A滑走路と暫定滑走路は騒音対策のために同時離着陸ができない。空港会社は、暫定滑走路の離陸コースを東側に十五度旋回させ、一方で着陸時には現在より高度を下げることで、二本の滑走路の同時離着陸ができるようになるとしている。さらに、一日の離着陸回数制限を緩めて、年間離着陸回数を大幅に拡大して三十万回にするというのだ。 空港会社は、暫定滑走路の離着陸の十五度東旋回によって騒音が拡大する地域との協議に入るとしている。 しかし、これは、地元自治体の首長との「協議」で済む問題ではない。現行の暫定滑走路の離着陸そのものが、民家の上空四十メートルで強行されている危険極まりない事態なのだ。この着陸高度をさらに下げることで、A滑走路との同時使用を行うなどというのは、直下の農民を全く無視する所業である。現在でも、離着陸時にはどなっても会話をすることができない。これを二十万回から三十万回に増やすというのだ。極限的な生活破壊攻撃だ。 どうして、こんな殺人的蛮行を「経営方針」として打ち出し、強行しようとするのか。 空港会社は、羽田の新滑走路建設で国際便が増えても、首都圏では航空需要が増大し二〇一七年には年間三万六千回分が不足すると予想している。その不足分をナリタで受け入れる条件を作り出さないならば、羽田の本格的国際化を招き、ナリタが陥没すると捉えている。 小泉、安倍は新自由主義経済政策で経済が浮揚すると信じきって、「改革」―民営化を進めてきた。安倍政権は、この民営化政策を貫くものとして昨年六月、住友商事特別顧問だった森中小三郎を空港会社新社長に据えた。奥田ビジョンで打ち出されたアジア経済圏構想、そして、これを安倍政権が具体化しようとした「アジア・ゲートウェイ構想」。日帝資本が軸になってアジア規模での貿易、投資、そして労働力の自由な移動を進めようとする、新たな日帝のアジア侵略反革命構想である。「アジア・ゲートウェイ構想」の一つの柱として「航空自由化(アジア・オープンスカイ)に向けた航空政策の転換」が掲げられている。安倍に抜擢された森中は、羽田―成田の一体的運用をもって、ナリタを国際空港として位置づけ直していくことを打ち出している。アジア侵略反革命の新たな拠点としてナリタを位置づける森中は、騒音対策などのこれまでの「地元対策」すらすべてかなぐりすてても、この「三十万回」を強行しようとしている。 本年一月四日、森中社長は年頭のあいさつで、本年五月が「開港三十年」であることに言及し、「記念の行事は単に祝うだけでなく、この空港の進化発展をアピールしていく第一歩としてほしい」と打ち上げた。さらに「三十周年のこの年に地元とじっくり話し合って、今から空港の将来を考えていかなくてはならない」と語った。 暫定滑走路と新誘導路建設の強行、三十万回離着陸攻撃で、農民を叩き出そうとしている。南側への延伸を強行しようと欲していることは明白だ。こんな殺人的方針を打ち出して、何を「話し合」うというのだろうか。森中の頭の中にあるのは、「空港の将来」だけだ。森中は、帝国主義の国際空港会社として生き残ることに向けて猛進し、農民・労働者の生命など省みようとしない。まさに、新自由主義政策を、帝国主義資本を体現している森中の構想を絶対に粉砕しなくてはならない。森中は、成田空港建設四十一年の農地強奪―農業破壊の暴虐をすべて引き継ぎ、改めて劇的な農民叩き出し攻撃をしかけてきている。三里塚への攻撃を打ち破り、「アジア・ゲートウェイ構想」そのものを叩き潰してやろうではないか。 ▼A 空港外資規制論争が自己暴露するもの 空港会社社長―森中はナリタを「アジア・ゲートウェイ構想」の一環と位置づけており、日帝資本のアジア戦略の中枢に位置することで、暫定滑走路の延伸工事強行も国策として強行できると目論んでいる。 しかし、一方においては、小泉―安倍が進めてきた新自由主義的政策ゆえの「民営化」と国家戦略の間に亀裂が生じている。民営化、市場開放こそが資本主義の発展であるかのように主張し、「改革」を進めてきた自公政権は、日本の国際空港を運営する空港会社に関しても、全面的に民営化し株式上場を進めようとしてきた。二〇〇九年度には、成田国際空港会社の完全民営化―株式上場を行うことになっている。しかし、昨年七月、羽田の空港会社の株式の20%がオーストラリアの投資ファンドに取得された。完全民営化は外国資本を呼び込むことができるが、それは同時に、外国資本による買収を可能にすることであり、経営権まで奪われることもあり得る。 これに対して、「安全保障上の懸念」という批判が急浮上し、空港外資規制の空港整備法改正案が政府内で論争になっている。改正案は、成田、羽田、関西、中部の四空港会社に関しては、外国資本の出資比率を三分の一未満に制限するというものだ。帝国主義の資本進出の拠点であり、戦時の軍事使用の位置づけをもっている国際空港の経営権が、外国資本に握られてはならないという論理だ。 しかし、同時に、国土交通省に関与する族議員や官僚どもは、別の危機感をもっている。運輸省―空港会社―航空運輸などの関連産業は、天下りを含めて、彼らの利権の場である。外資の参入―経営参加によって、この利権が脅かされるということだ。利権護持か、民営化―市場開放か、ということが、政府、自民党の内部で論争になっている。 結局、ここで浮き上がってくることは、帝国主義が新自由主義政策―民営化を進めようとも、金融資本は最終的に個別帝国主義が貫徹する経済政策、階級支配、外交―戦争に集約されるところで、その利害を貫徹していくということだ。帝国主義は、空港の経営、航空運輸業の展開、そして、軍需輸送と戦争出撃の根幹としての国際空港は、その国家権力の支配・統制の下に置くということだ。 ●第3章 反戦闘争の拠点―三里塚闘争 ▼@ 軍事空港粉砕 日帝のイラク派兵、インド洋派兵という参戦状況下、われわれは改めて、軍事空港粉砕の三里塚闘争の歴史的意義を確認して、3・30三里塚闘争に立ち上がっていこうではないか。 日帝は、日米軍事同盟再編を基盤として侵略反革命戦争に参戦し、戦争のできる帝国主義への飛躍を図ろうとしている。沖縄、岩国、座間、横須賀をはじめとした米軍基地の再編・強化は、新日米軍事同盟の環である。新日米軍事同盟を新基地建設を通して実体化させ、派兵―参戦を繰り返しながら、憲法九条を掘り崩していく攻撃を強めてきた。新日米軍事同盟の刷新・強化の中で、国際空港の軍事使用も強行してきた。 日帝がアフガニスタン戦争、イラク戦争に参戦してきた中で、成田空港は、自衛隊派兵が繰り返され、その侵略反革命戦争出撃拠点としての位置を強めてきた。 そして、戦争出撃拠点であるからこそ、成田空港は国民保護法制―国民保護計画の中で指定公共機関として位置付けられ、「攻撃」を想定した防備、そして治安弾圧の強化が進められている。日帝は、「対テロ」戦争の構えを、軍事基地とともに、通常は民間の使用になっている空港、港湾、原子力発電所などから開始しているのだ。 防衛省はパトリオット・ミサイルPAC3の配備を進めているが、千葉県においては習志野自衛隊基地に配備が強行されている。移動して展開するPAC3は、当然成田空港への展開も位置づけられている。「防衛」の名の下に、軍備強化を進め、戦争出撃―戦争総動員へと突き進んでいく攻撃が、軍事空港を軸にして始まっているのだ。 ▼A 3・30三里塚から08年反帝闘争を切り開け 空港建設が閣議決定した当初から、空港建設はベトナム戦争への輸送―出撃を意図したものだと見抜いた反対同盟は、軍事空港建設反対として、自分たちのたたかいを進めてきた。日帝―福田政権が給油新法再議決を強行してでも派兵を続けるという現在の状況においてこそ、日本の反戦闘争の軸心としての三里塚闘争の位置が鮮明になっている。三里塚のように、攻撃の現場でたたかい、ここから、国家権力の横暴を一つひとつ打ち破っていくことこそが、日本の反戦闘争の大きな指針となる。 昨年六月の三里塚現地闘争―東峰の森伐採阻止闘争には、韓国から反基地運動団体ピョントンサ(平和と統一を開く人々)が参加し、反対同盟と交流し、現場でたたかう者同士の国際的団結を深めた。日本帝国主義の下にあって農民の反帝実力闘争が四十年以上にわたってたたかい続けられていることが、韓国のたたかう人々にも驚きをもって確認された。三里塚闘争のような実践こそが、階級闘争の国際的な信頼関係の礎となるのである。 二〇〇八年、G8サミット粉砕闘争、沖縄―岩国―神奈川を結ぶ反基地闘争を断固進めていくにあたって、まずもって、日本の反戦闘争の拠点たる三里塚闘争の原点に立ち、国際主義を貫き、徹底非妥協―実力闘争で反帝闘争を貫いていこうではないか。 本年年頭、旗開きにおいて反対同盟が発した「二〇〇八年闘争宣言」の決意をうけ、東峰・天神峰において日々強まる農民叩き出し攻撃を断固打ち破り、延伸工事阻止、暫定滑走路閉鎖、空港廃港の現地闘争を戦い抜こう。 3・30、三里塚現地に総力決起しよう! 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