共産主義者同盟(統一委員会)

 

■政治主張

■各地の闘争

■海外情報

■主要論文

■綱領・規約

ENGLISH

■リンク

■声明・論評

 

□ホームに戻る

■日帝の制裁発動弾劾! 国連安保理決議弾劾!

1、七月五日、朝鮮民主主義人民共和国(以下、「共和国」)がミサイル発射訓練を行った。これに対して、日帝―小泉政権はただちに九項目の制裁措置を決定し発動した。さらに小泉政権は五日(日本時間六日未明)、国連安保理諸国に対して、制裁を含む決議案を提示した。七日には、米英仏を巻き込み、国連安保理に制裁決議案を提出した。中国、ロシアが反対し、最終的には、国連憲章第七章への言及を削除した安保理決議一六九五が十五日に採択された。

 われわれは、独自制裁を発動し、国連安保理の非難決議を主導した日帝―小泉政権を徹底的に弾劾する!

 日帝の言動こそ、朝鮮半島―東アジアを軍事緊張に導き、朝鮮侵略反革命戦争に突進していく攻撃である。われわれは新日米同盟の本質を暴き、帝国主義の侵略反革命戦争を断固阻止する。朝鮮人民が希求する南北の自主的平和的統一の闘いに徹底的に連帯して闘う。

2、小泉政権が七月五日に発動した九項目の制裁措置は、(1)厳重抗議。ミサイルの開発中止、廃棄、輸出停止と六者協議への早期かつ無条件の復帰を要求、(2)万景峰号の入港禁止、(3)共和国当局職員の入国を認めない、(4)在日の共和国当局職員の共和国を渡航先とした再入国を認めない、(5)日本の国家公務員の渡航を見合わせ。日本から共和国への渡航自粛を要請、(6)共和国との間の航空チャーター便の乗り入れを認めない、(7)ミサイル、核兵器不拡散のための輸出管理を厳格にする、(8)不法行為に対する厳格な法執行、(9)今後の動向を見て、さらなる措置を検討、という内容である。

 七月五日午前八時半ごろに新潟港に入港しようとしていた万景峰号に対しては、十時三十五分に九項目制裁措置を閣議決定する前から根拠なく入港させず、入港禁止措置決定後に修学旅行の朝鮮高級学校生などの下船だけを認めて、即座に出港させた。

 共和国のミサイル訓練に対して、小泉政権はまるで、日本がミサイル攻撃を受けたかのような発表をおこない、これに踊らされたブルジョア・マスコミは共和国非難に終始した。韓国、中国、ロシアなど東アジアの周辺諸国に比して、日帝は異様に騒ぎ立てた。そもそも米軍や自衛隊も監視しているだけであり、軍事的な非常事態などでは決してない。日帝の安全保障会議とて、「武力攻撃事態にはあたらない」としており、「周辺事態」とも確認してはいない。「ミサイル発射」だけを強調した扇情的な発表をもって、共和国敵視の措置を一挙に確認したのだ。朝鮮半島をめぐる軍事的緊張を高めるためだけに、政府の発表と決定がなされたことを徹底的に弾劾する。

 「武力攻撃事態」でないにもかかわらず、小泉政権の扇動と制裁措置によって、都道府県レベルでは「国民保護計画」が初運用された。まさに、好戦的で民族排外主義的な扇動によって、戦争動員の指示が出されたのだ。

3、七月十七日に国連安保理が採択した共和国非難決議は、共和国のミサイル訓練に対して、「ミサイル発射凍結を継続するという約束を破ったこと」と「十分な事前通報を行わなかった」ことをもって非難し、共和国に対して「弾道ミサイル計画の活動停止と発射凍結を要求」し、「六者協議に直ちに復帰」と「NPTとIAEAの保障措置に復帰することを要求」した。また、国連加盟国に対しては、共和国への「ミサイル関連物資、技術の移転防止」と共和国からの「ミサイル関連物資、技術などの調達防止」、そして共和国の「ミサイルまたは大量破壊兵器計画に関連する資金の移転を防止すること」を要求した。

 決議は、「事前通報を行わなかったこと」をことさらに取り上げて共和国を非難しようとしている。軍事訓練そのものについては、帝国主義諸国が非難する資格などない。「ミサイル発射モラトリアム」を「根拠」にして日帝は強い主張を繰り返してきたが、これは日朝平壌宣言の二国間の確認事項であり、国連決議の根拠となるものではない。そもそも、日朝平壌宣言の確認事項である国交正常化交渉を怠ってきたは、日帝である。「事前通報」問題にしても、日帝も米帝も日本やアジア太平洋海域で合同演習を繰り返して行いながら、共和国に「事前通報」をしたことなどない。この状況からみるならば、共和国が国連から制裁される根拠など全くない。

 中・ロの反対によって、決議内容から「国連憲章第七章」への言及が削除されたが、決議内容は、ミサイル、核開発を口実に共和国を封じ込める措置である。決議の「資金の移転の防止」を根拠にして、安倍官房長官は十八日、「金融資産の移転規制に関する必要な措置を適切に実施していく」と、より強い金融制裁措置に踏み込むことを主張した。

 言葉の上では「六ヵ国協議に直ちに復帰」を共和国に要求しながら、五日の制裁発動から、さらに新たな金融制裁発動と、共和国への敵対を強め、六ヵ国協議を困難にする状況を作り出しているだけではないか。米帝が昨年九月、「愛国法」を根拠にして、マカオの銀行に金融制裁を実施し、共和国の口座を凍結させた。この金融制裁が共和国経済に困難を強い、結果として昨年十一月以降の六ヵ国協議を封殺してきたのだ。日帝―安倍が主張する金融制裁強化は、この米帝の制裁とともに、共和国を六ヵ国協議から排除し、戦争重圧へと連なる攻撃に他ならない。

 日帝は主張した国連憲章第七章を含む決議案は、強制行動の根拠となるものだった。臨検などの軍事行動を伴って決議内容を実施することを意味する。「国連軍」との間での休戦状態にある共和国に対して、国連がこのような決議を採決することは、直接的に戦争発動を突き付けるものだ。日帝の決議案は、単なる「懲罰」ではない。朝鮮侵略反革命戦争の道を開くことを、日帝が主張したのだ。

4、東アジアの軍事的緊張を作り出したのは一体だれなのか。

 共和国のミサイル訓練を異様に騒ぎ立てて、朝鮮半島―東アジアの軍事的緊張を劇的に高めようとする日帝の動向の根底にあるのは、まさにこれまで進めてきた日米軍事同盟再編を全面的に正当化し、この状況を奇貨として、軍事基地再編を進め、戦争総動員体制を強化していこうとする意図である。

 日米安全保障協議委員会(2+2)が〇五年二月に共同発表した「共通戦略目標」は、現行日米安保条約にすら違反して対象地域を地球規模に拡張するという超法規的内容を含むと同時に、アジア太平洋地域に関しては共和国と中国とを取り上げて「予測不能な不安定要因」としたのだ。その後の「未来のための変革と再編」、「再編実施のためのロードマップ」に基づく基地再編、米軍の前線司令部機能の日本への集中、米軍―自衛隊の一体化が強行され、この矛先は鋭く朝鮮半島に向けられていくということだ。

 新日米軍事同盟こそ、共和国、あるいは中国に対して侵略反革命戦争を現実のものとして突き付けている事態なのである。この日々高められてきた軍事的緊張の中で、共和国が軍事訓練を実施しているということを見なければ、東アジアの状況の本質を捉えた論議にはならない。

 日米軍事同盟は、文書の上だけで進んできたのではない。日帝は、米帝とともに環太平洋合同軍事演習リムパックに参加し、日米帝を軸にした実戦準備を進めてきた。また、米帝は、日帝、韓国、フィリピンなどとの間での二国間同盟を根拠に合同軍事演習を繰り返し行ってきている。日米帝国主義こそ、東アジアの軍事的緊張を高めてきたのだ。

 さらに、額賀、安倍、麻生など小泉政権の閣僚は「敵基地攻撃論」「先制攻撃論」を公然と主張しはじめた。韓国政府などの批判にあわてた安倍は弁明に大わらわになっている。しかし、「被害を受けるまで何もしないわけにはいかない」(麻生外相)、「基地をたたくということも法律上の問題としては自衛権の範囲」(安倍官房庁長官)という言葉は、米―ブッシュ政権の「自衛のための先制攻撃」論と全く同じ主張である。新日米軍事同盟が合意された中での日帝の閣僚どもの考え方を如実に表す言辞である。ブッシュ政権のアフガニスタン戦争、イラク戦争と同じ論理で侵略反革命戦争に踏み出す権利を日帝が獲得したかのように思い込んでいるのだ。

 今、イスラエルが、このブッシュの「自衛のための先制攻撃」論に依拠して、パレスチナに侵攻し、レバノンに侵攻している。爆撃をくり返し、虐殺を続けている。小泉政権閣僚のこの危険な先制攻撃正当化論を絶対に許してはならない。東アジアにおいて軍事的脅威は、日帝であり、沖縄・「本土」、韓国に基地を持つ米帝であるということだ。

 日帝の制裁発動、国連安保理決議を弾劾するわれわれが選択する道は、新日米軍事同盟との対決である。日米帝を徹底批判し、かつ、全国の反基地闘争をもって、この帝国主義の企てを根本から粉砕する。米軍基地、自衛隊基地の侵略反革命前線基地としての強化、実戦化を絶対に許してはならない。大弾圧を打ち破って闘いぬく平澤米軍基地拡張阻止闘争と結合して闘う。

5、共和国敵視政策の急激な高まり、民族排外主義の激化を絶対に許してはならない。

 小泉政権の共和国敵視外交の激化、戦争準備を煽り立てる言説は、朝鮮人民に対する民族排外主義を扇動するものだ。全国で、朝鮮学校の生徒に対する暴行事件、脅迫事件が引き起こされている。民族排外主義を煽りたてて、労働者人民を戦争に動員していく攻撃に絶対に屈服してはならない。現下の攻撃との対決は、日帝足下における労働者階級人民の責務が厳しく問われるものである。国民保護計画による戦争動員を断固拒絶し、戦争反対の反撃を組織していかなくてはならない。

 小泉は8・15靖国参拝を強行しようとしている。朝鮮―アジアへの侵略戦争を賛美し、戦争と直結した天皇制―天皇制イデオロギー攻撃を公然と強化し、これと一体に民族排外主義を激化させる攻撃だ。教育基本法改悪―「愛国心」強制、そして改憲攻撃に直結していく。侵略反革命戦争のできる国家に向けた、国内階級支配の再編を絶対に許してはならない。

 われわれは、在日朝鮮人民をはじめとする在日・滞日外国人との連帯にかけて、朝鮮戦争重圧と一体の民族排外主義激化に対決していく。

 国際的な反帝共同闘争をさらに強化し、日帝・米帝が企む朝鮮侵略反革命戦争を絶対に阻止する。

 

 

 

 

当サイト掲載の文章・写真等の無断転載禁止
Copyright (C) 2006, Japan Communist League, All Rights Reserved.